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イギリス「族」の物語/ジョン・サベージ

若者文化とは 音楽がファッションと密接に結びついていた時代。それは社会へのアティテュードであり、自己表現と差別化の手段でした。
戦後イギリスにおける階級社会、アメリカ文化の影響のもと 細分化しながら、盛衰したイギリスのモッズ、スキンヘッズ、パンク、テディ・ボーイ、ロッカーズ、グラム、ニューロマンテックなどの「族」のスタイルが描かれています。
 日本でもニューロマンティックとかは、今思い返せばバブルのあだ花のような側面もあったともいますが、イギリスでの写真中心のファッション雑誌FACEやIDなどと連動し、そこにはマスメディアを通じた企業の宣伝という広告代理店の仕掛けがあったという記述があり、日本も同じだったなぁと感じました。

これは、1990年に流行通信に掲載された記事を集めたものですが、イギリスの音楽誌のライターだったジョン・サベージの記述は、洋服のディテールまで言及され、微細な差異へのこだわりにこそ美学が宿っていたことが窺い知れます。古本屋の奥から出してきたような古臭い装丁ですが、これは佐藤可士和によるデザイン。

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