やっと出会えたチキン南蛮
チキン南蛮（チキンなんばん）は、小麦粉と溶き卵を絡めた鶏肉を油で揚げ、甘酢（南蛮甘酢ダレ）に浸した宮崎県延岡市発祥の鶏肉料理である。
そう。
片栗粉を使わず、唐揚げでもない。
パン粉のチキンカツでもない。
ふわっとした衣が特徴。
タルタルソースがかかっているのが元祖という声と、そうではない派に別れる。
一般的にチキン南蛮といえば、タルタルソースバージョンを想像する人が多いのではないでしょうか。
令和元年に日本に戻り、事務職に就いた私。今まで定食屋に行かなかったせいか、オーストラリアにいたせいか、私はこれまでチキン南蛮をメニューで目にすることもなかったのですが、どうやら最近は流行っているらしい。
YouTube で初めて目にしたチキン南蛮。
イワクラさんの笑顔が美味しさを物語る。
甘酢ダレにタルタルソース。ひつこそうだなと懸念が募りつつも、私の中でチキン南蛮熱は加熱していった。
ある日、職場近くにある地産地消でお米の美味しいお気に入りのお店で、チキン南蛮がランチメニューの黒板に出ていた。私はついに手を出したのである。
「アカーンっ！」予想通り胸焼けした。
一口目は美味しかったのだが、残念。
上にのった、たっぷりのタルタルソースを、こそぎ落としながらチキンを食べた思い出がある。
あれからチキン南蛮からは足（口）が遠のいていた。
そして時々、Saoriが口にする「宮崎のチキン南蛮はほんまに美味しかった！！」を聞くたびに、私の中には小さな希望の種だけが育っていった。。。
聖地セッションで訪れた神鍋高原の帰り。
ここは蕎麦が有名なのだが、先日ランチに訪れたこだわりの店がイマイチ好みではなかったので、今回はどうしようか。。。とグーグルマップを指でグルグルzoom in zoom outと繰り返していると、兵庫県養父市に光り輝く店【タニガキ】が見つかった。
シンプルだけどお洒落。
素材への愛、料理への愛が伝わってくる。
何よりも美味しいものを追求する感じが伝わってくる。
こちらの店主は生粋の食いしん坊に違いない。
幸いランチ時間も営業している。
ランチメニューを見てみると。
・チキン南蛮
・油淋鶏
・辛鍋（チゲ鍋）
うわっ！チキン南蛮じゃないか。。。
油淋鶏も辛鍋も絶対に好みの味だろう。
この店なら、私のチキン南蛮苦手意識を払拭してくれるかもしれない。
店主を信じて、一か八か賭けてみた。
どれからいただこうか。。。
まずはお味噌汁。
黒豆の手作り味噌か、コクがありほっこりする美味しさ。出汁を吸ったお揚げさんが、じゅわっと口に広がる。
もうお箸が止まらない。
次に奥の水餃子。
なぬぅ〜！！メルボルンの中華街で食べた、中国人が作る本格dumpling の味をここで挿し込んでくるとは、違反！
思わずカウンターにいるシェフに拍手👏
美味しすぎる。
いよいよチキン南蛮。
Saoriが先に頬張り、目を大きく見開いた。
「あ、ちょっと待って〜！一緒に感動を味わいたい」（笑）
一口食べた途端、チキン南蛮のトラウマが消化された。
大きく、でも食べやすい厚さにカットされた鶏もも肉は、おちょぼ口の私にも優しい。
ふわっとしていて、鶏肉特有の臭みも無し。
まずは甘酢ダレ。
あれ？かかってない？と一瞬思うが、食べればわかる。優しい甘酸っぱさ。
酸っぱすぎないし、甘すぎない。
薄過ぎないし、濃過ぎでもない。
そしてタルタルソース。
おわかりいただけるだろうか。
ここのタルタルソースはごくごく細かく刻まれた野菜がしっかり感じられる。きゅうり、玉ねぎ、にんじん、卵、そしてマヨネーズ、酸味のバランスがとても良い。
全くといっていいほど、クドくないのである。
添えられたレタスも赤玉ねぎもにんじんも新鮮でオリーブオイルとビネガーのドレッシングも美味しかった。
卵焼きは分厚くふわふわ。ほんのり甘いが、大根おろしにお醤油がイイ仕事をしている。
米は赤米が混ぜ込んであり、私たち好みの少し固め。昆布の佃煮もちょうどよい塩梅でした。
とにかく全てにおいて、手抜きせず作られているのがわかる。
最後まで胸焼けすることなく、始終笑顔こぼれっぱなしで美味しくいただいた。
デザートはショコラアイスケーキとシングルオリジンのコーヒーをホットで。（どこ産か忘れちゃいましたが、浅煎り酸味強めでした。）
ピスタチオを中心にナッツたっぷり、洋酒たっぷりのセミフレド風でした。
店主のお兄様が城崎でOFFKINOSAKIというお店をやってらして、近日静岡にご兄弟でsunuser（スヌーザー）というお店を出されるそうです。
対応してくれた笑顔の可愛らしいシェフは静岡のお店で働くために研修中とのこと。
トークも笑顔も、接客も、サービスも、営業力も１００点満点でした◎
遠いけどまた行きたいお店。
車を走らせる価値のあるお店。
皆様も機会があれば、是非！
食いしん坊バンザイ
たまひろ
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