見出し画像

#1 スマホ選びは慎重に(前編)

今を去ること12年前の2008年7月。1台の携帯電話がその後の世界を有様を大きく変えてしまいました。

iPhone 3G 発売

これはただ単に新しい携帯電話が生まれたと言うことではなく、金融、小売り、物流、娯楽、アート・・・ありとあらゆる分野、それまでITと無縁な業界までも巻き込み、攪拌し、新世界を作り上げました。

開発の経緯は何か尾ひれがついて、閃きと奇跡の連続だった的な伝説になっているようですが、実際のところ些細なきっかけだったと思います。平たく言うとそれまでにあったiPodに通信機能つけただけですから。ただ尊いのは、その何気ないきっかけを見逃さずに実現していったことなのです。その意味でジョブズという人はずば抜けた慧眼を持っていたのでしょう。

そして今や、携帯端末と言えばスマホ。スマホを持たねば行政サービスすら満足に受けられなくなりつつある。たった10年余りでそんな世界になってしまいました。一人一台「持たねばならぬ」ようになったのです。そんな生活必需品であるスマホ。どうやって選んでいますか?

値段は一旦置いておいて

2020年現在の目玉機能(最新技術)においていうのならば以下のようなものがあります。

1.5G通信

2.4Kモニタ

3.ハイレゾ音質

4.高リフレッシュレート(60Hz駆動、120Hz駆動など)

他にもありますが、あえてこの4つを書き出しました。なぜなら一般的な利用シーンにおいて全く無意味なものだからです。しかしこれらがPOPに書いてあったりすると、選ばないといけないような、捨てるにはもったいないような気がしてしまいます。でもそれは錯覚です。高額な支払いだけがただ一つのリアルです。自分の生活スタイルを冷静に見つめなおしてください。あなたが生活するうえで、必需品であるのは間違いないスマホ。でもこれらがないと生活が立ち行きませんか? ではひとつずつ見ていきましょうか。

1.5G通信

これは大量のデータを高スピードで伝送するまさに新技術です。生活環境を大きく変化させる可能性を秘めた技術でもあります。しかしそれはスマホの世界ではないでしょう。

主に想定されるのは産業用機械制御、自動運転技術のような、多様にして大量のセンサーのデータを遅延なく伝送させることで、安全で効率的な新しいスタイルを提供することが期待されています。

しかしスマホ上で期待されている高速通信は正直4Gで事足りています。映画を2秒でダウンロード? youtubeを高画質視聴? どれだけの人が必要でしょうか? Lineしたり写真撮ったり、暇つぶしに手軽なゲームしたり、今日のお天気を調べたり・・・これら以上の使い方、エポックメーキングな生活を提案するのには5Gでは力不足なのです。いずれ来る6G、7G、と言った未来の技術が高速通信という枠を超越した先に、新たなものが生まれることは期待できます。だから慌てて今時点で5Gなんかに飛びつく必要はないのです。

2.4Kモニタ

今のスマホの画面はせいぜい6インチ前後です。これ以上大きいと持ち運びに不便ですし、この辺が打ち止めでしょう。そのサイズで4K映像出力が必要ですか? という話です。ほかの機種と比較して並べてみれば綺麗だなくらいには思うでしょう。でも基本個人が黙々と使うもの。正直分かるものではありません。

念のために言っておきますが、4Kが取れるカメラ機能。これはあっていいと思います。高画質なカメラになればなるほど高額になりますが、そこそこ写真を撮るのであれば投資していい部分だと考えます。

友達と記念撮影する。なかなか行けない場所を記念に撮る。高画質でとれるのであれば、後でパソコンで見る、現像するなどしても、綺麗に引き延ばせます。一眼レフやミラーレスにこだわるほどではないが、多少綺麗に残したいニーズがあるのであれば、持ち運びに便利なスマホに機能が搭載されているほうがリーズナブルです。

3.ハイレゾ音質

これは音楽を趣味にしている度合いによって変わるので、一概には言えませんが、機器や音源、聞く曲にこだわりがないのであれば、あまり意味がない部分です。よほど耳が肥えていないと聞き分けできないでしょう。結局mp3のような圧縮音源を入れているのであれば、全く意味がありません。さらに最近はマスクをする機会も増え、テレワークも浸透してきたので、トゥルーワイヤレスイヤホン(完全分離型イヤホン:ケーブルのないやつ)の需要が増しているそうです。あれはBluetoothと言う無線接続になり、伝送自体が圧縮伝送になるので、猶のことこだわっても詮無い部分です。

4.高リフレッシュレート

そもそもこだわってないよ、という人も多いかと思いますので参考までに聞いてほしいですが、要するに1秒間に映し出す画像の枚数を指しています。(60Hz:1秒間に画像が60枚)パラパラ漫画を思い浮かべていただければわかりますが、枚数が多ければ滑らかに動くということです。

最近は多人数で接続するネットアクションゲーム(荒野行動、PUPGなど)も人気で、それらをスマホで快適に! と言うことらしいですが、よっぽど中毒になってる人じゃなければ、パソコンやプレステでやったほうが楽しめます。そもそもあの小さい画面でヌルヌル動くことに意味があるか疑問です。この機能は、ハイスペック機種になるとチラホラ謳われることがありますが、こういったゲームをしないのであれば、即切り捨てていい機能です。技術的、部品的にはこの機能は値段を押し上げる傾向があります。

冷静に自分のスタイルを把握して

とにかく盛沢山あれば後悔しないだろう、と言うのはやめましょう。

後悔はしないかもしれませんがその機能のことを忘れているだけだし、大抵の人が割賦を組んで購入していることから、無駄に高いお金を払っていることすら忘れているだけです。その分他の趣味や、おいしい食事などに使った方が、よっぽど生きたお金の使い方になります。

後編は少し金額的な部分を考えていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?