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$1 文具について徒然に

私は文具、文房具が大好きだ。

デパート、ホームセンター、駅ビル・・・取り合えず出かけた先に文房具屋があれば、ふらりと立ち寄るのが最早習性になっている。

しかし世に言う「文具マニア」「文具オタク」と言うほど突き抜けてもいない。
スペックに魅入られ、歴史を暗記し、最新の技報に目を通し、新作が出れば金に糸目をつけずに購入する。

流石にその域までには達していない。性格的に一つのことを突き詰めていく研究者肌ではないのだ。

むしろそう言った研究者/探究者たちの情報を、楽しく参考にさせてもらいながら、ゆるゆると文房具店を流し見する。たまに触って琴線に触れたら買ってみる。
その位が丁度いい。

そうは言っても、普通の人よりは文具に詳しいし、持っている数も段違いに多いだろう。
相対的に見れば、私は十分に文具沼の住人なのである。

渦を巻く文具の沼世界の中心に研究者たちが位置するならば、私は外縁で浮き輪を使いながらたゆたう子供のようなもの。
まぁその位で丁度いい。

何故に文具か

確かに人よりもたくさん持っているとは思うのだが、別にコレクターと言うわけでもない。
高級なものを集めて悦に入るというものでもない。
文具は使ってなんぼのものだと云うのは変わらない。

じゃあ「何故集めるのか」ではない。
「何に使うのか」が先に来るのである。

ノート使おうぜ のススメ

単純明快。ノートを取るために、メモを取るために使うのだ。
勿論、書類を書くとか、手紙を書く、日記を書くなど、細々とした使い道はいくらでも発生するが、基本的にはノートを取る。これが大半。

しかし昨今、会社でも学校でもノートを取る人が減っている。
これはまさにデジタル進化の影響によところが大きい。

会社を思い浮かべてほしい。会議、発表会、カスケード、何でもいいが、メモを取る時どうしているか?

大抵の場合、ノートパソコンにメモ帳やテキストエディタを開き、そこに打ち込んでいる人だらけではないだろうか。
あるいはスマホの録音機能を使って、音声メモなどもあるだろう。

確かにキーボード入力の方が手書きのメモよりも素早くメモれるし、ファイルとして保存性も高い。
ブラインドタッチが出来れば、相手の目を見ながらメモることも可能だろう。

それでも私は手書きでメモを取ることをおススメしたいのだ。
それには三つの理由がある。

1.手書きメモの場合、相手の話をいったん咀嚼する必要があり、必然的に頭で思考し、理解しようとする

2.文字を書くことによって、話の内容が記憶に残りやすい

3.後々の検索性に優れる

まず一つ目だが、手書きと言うのはどうしても遅くなり、話のスピードに合わせづらい。その為、相手の話を要約して書く必要がある。
要約は相手の話を理解しなければできないため、必然的に内容について考えることになる。
なので、例えば相手の話に矛盾があったり、論理的に整合しない場合、
「あれ? おかしいな?」
と引っ掛かり、質問の機会を得たり、議論が弾むことも期待できる。

二つ目。記憶に残りやすい。これは人間の脳のクセになるのだが、漢字、ひらがな、カタカナなど日本語を書くことによって、単語やフレーズを五感で記憶することになる。
つまり聞いているだけならば、聴覚だけ。
資料を見ながらなら目と耳だけ。
手書きならば、目と耳に加え、思考/要約した自分の言葉を手で書き(触覚)、かつ自分の言葉を再度目にすることで、ただ聞いている人に比べて、脳への刻み込み方が格段に違うのだ。
ちなみにキーボードではアルファベット入力がほとんどで、何を書いたかは手書きほど記憶に残らない。

三つ目。検索性。これは疑問に思うかもしれない。パソコンのファイルにしておいた方が、より検索性が高まるのではないか、と。
しかし振り返ってみてほしい。色んな会議ごとにメモファイルが生まれ、ファイル名はただの日付だったりするのではないか?
通常はファイルの中身の文言まで検索することはできない。”どれだったかなぁ?”そう思いながら手当たり次第にファイルを開くなんて言う経験はないだろうか?

手書きの場合どうか。
ノートはたいてい一冊だ。用途別に分けている方もいるかもしれないが、あっても数個がせいぜいだろう。
そして中身については先述した通り、要約して書いているので、割と簡潔にまとまっている。
あとはページをパラパラと繰れば、割と簡単にその時のメモに行き着くはずだ。

これは社会人でも学生でも同じこと。
手で書くということは意外に能率を上げるのに役立つのだ。

ただ、あまりノートを書いたことがない。まとめるの苦手な気がする。そういう方も多いだろう。
そういう方は、まず最初に、ここから始めてほしい。

【日付】
【タイトル(会議名やテーマ名)】
【タスク】(この会議の中で、自分の部署やチーム、もしくは自分自身に割り振られたこと)(〇日までに、×をやっておく。みたいな)

これだけである。箇条書きでいい。
どんなに慣れてなくても、あなたならできる。やってみる価値は必ずあるよ。

手で書く苦行を楽しみに

とは言え、メモを取るのは楽ではない。長い会議、話の長い上司、何が言いたいのかわからない取引先・・・メモを取るだけで腕が腱鞘炎になりそうになる。容易に想像つくのじゃなかろうか。

そこで文房具に行き着くのだ。

「このノートはつるつるして書きにくいな・・・もっと薄くて書きやすいのないかな」

「ノートの白が眩しいな、クリーム色の紙とかどうかな」

「このペン細くて指が痛くなる、もうちょっと太くて持ちやすいのないかな」

「このペン、すぐインクがかすれる。万年筆ってインクがドバドバ出るらしいけどどうなんだろう」

必要な所に、必要なものを探してみる。
書きやすさ、持ち運びしやすさ、自分が今求めるものを探しに行く。
そこに、”カッコいいな”、”カワイイな”、”お洒落だな”、”渋いな” 何でもいいから、自分の琴線に触れるもの、長く使っていきたいと思えるものを探し出し、使っていく楽しみをプラスしていこう。
弘法筆を選ばず なんて言うが、我々は弘法大師ではないのだ。気にする必要はない。

そういった意味で、私も楽しみながら文具と戯れている、
なので次回からいろいろと文具についてのレビューをしていこうと思う。
必ずしも効率性や能率に直結するものでもなく、単にカワイイから、などもあるが、それも一つの娯楽と受け取ってもらえると幸いである。

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