#01 ハイプレの質と目的意識
スプラトゥーン2からスペシャルがリザルトに表示されるようになり、
何となく「今回何回吐けたかな?」「なんだ、今回3回しか吐けてないや」など気になってしまうのが人間の心理である。
では、現環境に居座るスペシャルの一つ「ハイパープレッサー」の場合でも、数を撃てばよいのだろうか?
そのことについて、自戒も込めてつらつらと書いていきたい。
結論/ハイプレが持つ2つの短所
結論から言うと、ハイプレは「質」の方が、「量」よりも遥かにである。
これは、有名な上位プレイヤーや、身の回りのハイプレを使う方、そして自分自身の経験を通しても、ひしひしと感じるところである。
実際、プレイしていても、「あ、今ハイプレ撃てばよかったな」となる回数よりも、「今吐かなきゃよかった…」となる回数の方がかなり多い。
それには、ハイプレが持つ2つの短所が関係していると考えられる。
短所①:敵の妨害に弱い
ハイプレは、強力なスペシャルである一方、敵の妨害に非常に弱い。
「今がチャンスだ!」と思い、ハイプレを構えた瞬間、ボールドマーカーに「ちゃす!お命頂戴しやす(笑)」と言わんばかりに後ろから突き刺された経験は数知れずである。
このように、例えチャンスであったとしても、狙うべき敵とは別に、「一番近くにいる敵の位置」「位置が把握できていない潜伏ブキの存在」などはハイプレを使う際の一番基礎的、かつ大きな制約となる。
もしこれを見逃し、簡単にやられてしまえば、タダで相手に人数有利を献上し、攻めが途切れたり、打開が致命的に遅れてしまう原因になってしまう。
後衛ブキから崩れた時の行く末の悲惨さは、使い手ならご存じの通りである。
だからこそ、リスポーンからハイプレを撃つことが多い訳だが、ここで短所②が浮かびあがってくる。
短所②:疑似的人数不利を作ってしまう
こんな経験はないだろうか?
ヤグラの打開シーン。ハイプレで一時的にヤグラの進行は止めたものの、キルは取れず、自分がヤグラ近くに援護に行くころには、味方は死んでいて、ヤグラは止まらなかった…。
ともすると、「味方死にやがって~!」と言いたくなってしまう所だが、このシーンに一つ目の短所、「疑似的人数不利」が隠れている。
ハイプレは、基本的に戦場から離れた「安全な場所」、つまり「敵のヘイトが向きにくい場所」に行き、撃つことが多い。
それは、裏を返すと、『自分以外の残りの味方3人に、全てのヘイトが向かってしまう』ということを意味している。
先の場面では、「ハイプレを撃っている最中(約8秒間)+自分がヤグラ付近に加勢するまでの時間」は、味方が3 vs 4を強いられることになる。
味方が不利な戦況を強いられ、1人は落ちることを想定するなら、2人は落とし切るのが理想的である。
「キルできなければ味方に不利な状況を押し付けてしまう」、「1キル取れても状況によってはデメリットの方が大きくなってしまう」。
そんな難儀なスペシャルがハイパープレッサーである。
対抗戦やリグマなどの意思疎通が取れる場合はまた違うが、特に「自分が味方を生かし、勝ちに導く」ことを必要とするガチマッチにおいて、その味方に「全てのヘイトを向けさせている」という事実は認識しておくべきである。
これらを意識しておかないと、いとも簡単に「質の悪いハイパープレッサー」を量産してしまうのである。
ハイプレの目的意識
では、どうすれば「質の良いプレッサー」を撃てるのだろうか?
勿論当てる技術も重要だが、一番「ハイプレの質の高さ」に絡んでくるのは、『目的意識』である。『タイミング』ともいえるかもしれない。
突き詰めるほどに様々な要素が「ハイプレの目的」に絡んでくるのだが、今回はシンプルに先述した『2つの短所』を元に、それを考えていきたい。
①味方へのカバーで撃つ(常に意識)
1つ目は、味方が対面しているのを補助する形でハイプレを撃つパターンである。
ハイプレは、『継続ダメージ』という性質上、カバーでのキルがしやすい。
ハイプレを撃っている間は、先述の通り味方にヘイトを押し付けてしまうが、その代わり「ノーリスクでどこでもカバーが出来る」という余りにも大きいメリットがある。
対面している味方の補助としてハイプレを使うことで、本来味方が負けて人数不利になっていた場面を、削れた敵を倒して均衡状態に持って行ったり、味方が死ぬ前に一緒に倒し切り、人数有利状況を作り出したりもできる。
この、「どこでもカバー出来る」という長所と、「近くの敵に狩られる可能性」という短所①、「味方にヘイトを押し付けてしまう」という短所②の塩梅を常に天秤に掛けながら、ハイプレのタイミングを伺うことになる(これが難しい...)。
嚙み合えば、味方を守り、人数差を作ったり、押し広げたり出来る一方で、一歩間違えれば、短所①によって後衛(自分)から崩れて行ったり、短所②によって味方が全滅したりという地獄を見る事になる。
②人数有利の拡大(ヤグラ・ホコ攻めターン/ エリア打開ターン)
2つ目は、人数有利時に、有利を押し広げるのにハイプレを使うパターンである。前線押し上げ型のルール(ヤグラ、ホコ)の攻めや、エリア打開のハイプレなどはこの形で使うと刺さりやすい。
相手人数が少ない分、「敵の妨害」が入る可能性は少なく、有利状態で撃つ分には、自分の分のヘイトがなくなっても、3 vs 3以下にはならない(味方に人数不利を押し付けることはない)ので、悪い方向に動くことは少ない。
③オブジェクト遅延(ヤグラ/ホコ防衛シーン)
ヤグラやホコの防衛シーンで、『味方が対面を始める前にゲーム遅延で撃つ』のも一つの方法である。
例えば味方が2落ちで、ヤグラがこちらに進んでくる場合、どちらにしろ味方を待たないと押し返すのは不可能である。
その際、ヤグラに向かってハイプレを撃てば、『8秒間ヤグラに乗らせない』ことが出来る。この場合、例え1枚も持っていけなったとしても、味方が確実に復帰(8秒)して最低でも4 vs 4を仕掛けることができるし、1枚持っていければ、4 vs 3を仕掛けることが出来る。
ホコの場合もっと強力で、ホコ持ち自体がプレイヤーであるため、「オブジェクトの遅延」と、その後の「4 vs 3の強制的な押し付け」が可能なのである。
これが、ヤグラ、ホコにおけるハイプレが強力であるという所以であり、リスから撃って問題ないため、短所①、短所②問題も克服している。
④エリア抑えの準備前キル(エリア抑え)
③と根本的な狙いは似ていて、相手がスペシャルを溜め切り、打開をしてくる前(味方が対面し始める前)に1枚持っていくことで、相手の打開を遅らせたり、ズラしたりすることが出来る。
これも、③同様に味方が対面する前に行っており、前線もある程度上がっている状態で行うため、短所①、短所②のリスクは少ない。
⑤均衡状態では基本撃たない
均衡状態でのハイプレは、短所②の「疑似的人数不利」の影響が特に出やすい。それぞれが対面中、もしくは対面を仕掛けようと狙っている場合が多いからである。
また、こうした局面で撃つときは、前寄りで撃つことが多いため、短所①「敵の妨害」を受けやすい。特にボールドマーカーなどが、「あいつハイプレ持ってるぜ…ゲヘへ…早く撃っちまえよ…」と待ち構えていることも多い。
ジェットはメインの射程も長く、クイボもあるため、そちらでのカバーも十分にできる。
均衡状態では、スペシャルを撃ちたくなるのをグッとこらえ、味方のアーマーやミサイルなどに合わせて、2 vs 1や3 vs 2の対面を作ることを意識した方が上手くいきやすい。
ただし、ホッケふ頭やホテルニューオートロなど、ハイプレで確実に2キル以上持っていける自信があるステージならば、均衡状態の打開の一手とするのもよい。
まとめ
はじめにも書いたように、ハイプレにはその余りある長所と引き換えに、
短所①「敵の妨害に弱い」
短所②「疑似的人数不利を作り出してしまう」
という大きな短所/制約を抱えており、これらを意識しないと、「撃たなきゃ良かったプレッサー」=「質の悪いプレッサー」になってしまう事が多い。
今回は、「撃たなきゃよかったプレッサー」にならないようにするための『ハイプレの目的』や、その『タイミング』として
①味方へのカバー
②人数有利の拡大
③オブジェクト遅延
④エリア抑えの準備前キル
⑤均衡状態では撃たない
を挙げたが、ハイプレにはこれ以外にも撃つ目的や、タイミング、長所がたくさんある(はずである)。
が、しかし、今回挙げた2つの短所は、間違いなく我々が放つ一本一本のプレッサーの裏に付きまとっている。
「今の撃たなきゃ良かったぁ…( ;∀;)」と我々を後悔させたり、「味方死に過ぎぃ!」と苛立たせるハイプレの裏には、こうした短所があることを常に意識したい。
『ハイプレブンブン丸』と誰かにあだ名をつけられない様に気を付けよう。
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