見出し画像

ガンダムビルドダイバーズRe:RISEを見た【前編】

 先日、やっとリライズを見た。2019年のyoutube放送時から約5年経っている。当時動画配信サイトで2クール追うのに慣れていなくて途中離脱したままだったが、去年のメタバース配信時にリアライズキャラだけわからなくて悔しかったので(それでも9ヵ月ほど放置している!)、U-NEXTでほぼ一気見した。
 結論としては滅茶苦茶面白かった。私はビルドファイターズ無印を信奉する原理主義者なのだが、それでもだ。なので完走した感想を備忘録的に書いておく。記憶で書くのでエピソードの前後がある可能性が高い。
 ちなみにガンダムはそこまで詳しくないので、各機体の名前とかが間違っていても目を瞑ってほしい。


【第一話 彷徨のコアガンダム】


 初手から勝つために他人を囮にするヒロト。ちゃんと助けているのでトントンではあるのだが、協力型オンラインゲームであるGBNではあまりいい顔はされないムーブである。この後もちょくちょくこの他人囮ムーブをかましていくのだがメイとかもワンマンを極めているのでチームメイトから悪口として言及されることは少ない。
 カザミの能天気ながら人を引っ張れる能力、彼がいないと話が回らないというのもあるがオンラインゲームにおいては重要である。なぜならガノタは9割オタクの陰キャだからだ。
 ヒトツメが最初デスアーミーベースなのはデビルガンダムという元は世界を再生するガンダムが暴走して世界を壊すために作り出した兵隊という文脈を感じて良い。

【第二話 知られざるミッション】


 フレディたちの村防衛ミッション。ミッションのカスタムに手慣れているヒロトはアヴァロンでもカスタムを任されていたのだろうか。もしかしたら場所の用意は下っ端の仕事だったのかもしれない。
 カザミは覚醒前はよく「任せた!」「任せろ!」という一方的な言葉を吐くことが多いが、勝手に突出して取りこぼしを勝手に任されるのは嫌すぎる。チーム4人のうちムードメーカーになれるのがカザミだけなので初期は凄くコミカルだ。可愛げがある。この話だったと思うが運営へ問い合わせメールを送っているときの文面が感情のまま書くのではなく「いつも楽しく遊んでいます」的なちゃんとしたメールを書いているのが良い。悪い奴ではないのだ。

【第三話 守るべき場所】


 所詮ゲームだと拠点防衛ギリギリラインで妥協する皆に対して道を塞いででも被害ゼロを目指すヒロト、この時点ではNPD扱いのエルドア民に既に感情移入をしている感じがある。イヴのこともあってGBN全てに情があるのかもしれない。
 カザミがメインタンクとして敵を受け止めている図はカザミが戦績重視をしないで自分の出来るものをやっているようでとても好きだ。余談だがジャスティスナイト、ジャスティスにあった全身ビームサーベル要素を全撤廃していてジャスティスである意味をあんまり出せないように見えるが、それでもジャスティスが好きなところにカザミのアスラン好きを感じる。FREEDOMを見たら失神してそう。
 ずっと耕してきた畑が戦闘で破壊されて、それでも新芽が残るシーンは月並みながら感動した。これはこの前にHD版種運命をマラソンしていたのもある。(どんなに吹き飛ばされても、僕たちはまた花を植えるよ)
 

【第四話 傷ついた翼】


 パル回の助走。それはそれとしてキャプテンジオンのアナハイムジオニックキメラプラモ「ν-ジオンガンダム」登場でもある。アナハイムはやりやがったってことだLv.100だしアクシズを落とすな。
 余談だが、ヴァルキランダーのドラゴンシルエットは大好きだ。だからこそ「飛べません」と食い気味にパルが否定するシーンは可能性を潰しているようで胸に刺さる。飛べるギミックを作っていながら、SDガンダムというどうしても可動部に制限がかかるガンプラで変形まで仕込んでおきながらと歯がゆくなる。ビルダー全てがやきもきする回。

【第五話 いま、翼ひろげて】


 パル覚醒回。作戦開始前のヒロトが異様に優しくて可愛げがある。そもそも社交的とは言わずとも仲良くなった人間に対しては自ら会話を試み背中を押すという行動ができる男なのだろう。イヴとの出会いで人間的には成長していて、ただその歩みを意識的に止めているだけだからやろうと思えばそういうことができるという描写。あとこれはオタクの目線だが頬ブラシ目逸らしが似合う奴である。
 ヴァルキランダーはフェニックスだというのはちょっと盛りすぎな気がするが、カッコいいからいいのだ。想いに応えてくれるガンプラが意志を持つSDベースだというのもいい。

【第六話 崖っぷちのヒーロー】


 カザミ助走回。カザミが直前に所属していたところが西遊記モデルなのでカザミが猪八戒モチーフだと知る。功を焦り、がむしゃらに突っ込んでいく姿はチームワーク以前の問題だ。視野狭窄に陥ったカザミは旧知の機体相手に敗北する。
 なぜキャプテンジオンがカッコいいのか?傷一つつかない正義を掲げるカザミには分からない。事あるごとに称号というトロフィーを、撃墜数という結果を求めるカザミには分からない。ゴジョウの「カザミのこと、どう思ってるんだ」というヒロトへの問いについ足を止めてしまうカザミ、そして何も言ってくれない友達に苛立つカザミ。可愛げが最高潮だ。

【第七話 傷だらけの栄冠】


 オンラインゲームで活躍したいというのは、そんなにも糾弾されることなのだろうか。活躍したければヒロトのように一人でも強くあればいいというのは理解できても、カザミのやりたいことは「みんなのヒーロー」になることだ。ヒーローは主観的ではなく客観で成り立つもの。誰もが陥る視点だからこそ、彼の覚醒は一つの勇気で起こされる。
 なぜビルダーはウェザリングをするのか?情報量を多くしたい、リアリティを高くしたい。数多く理由はあれどその根本は一つだ。
 その方が、カッコいいから。

【第八話 使命と幻影】


 ゼルトザームお披露目会なのだが、上空から全速力で降りてくる感じバンシィの演出に似てるのは意図的なのだろうか。闇堕ちマリーダさんと闇堕ちシドーは同等であると。
 トライの頃からそうなのだが、一定数水泳に命かけてるファイターがいるのはなんなんだ?ジオンなのか?でも水中戦は浪漫だから仕方ないね。
 ここでもヒロトのワンマン悪癖がでる。パル回カザミ回共に戦闘面メンタル面のアシストが光っていただけに関係性後退ともとれるが、恐らくそうではない。彼はただチームの為に最善を尽くそうとして、それが一人でどうにかするという択を選ばせているだけなのだ。

【第九話 隔絶の淵から】


 仲間を頼るという択を見せるメイ、水深ギリギリまで耐えられるガンプラを作っているパルを信じる作戦を提示するヒロト。そして海の男らしくエイを一本釣りするカザミ。なんでフォース作らないんですか?
 チームプレイを知らないのではなく、知っていてしない。それは孤独であり、そして拒絶だ。できないことはみんなでやる、というのはオンラインゲームの根本だろう。それをこの戦いでヒロトは再度手に入れた。ヒロトの完全なる再起は2クール目まで持ち越されるが、既にここで半覚醒くらいにはなっているといってもいいかもしれない。
 そしてメイの正体提示回でもある。ウォドムのデカい機体からスラリとした体術中心のモビルドールが出てきたら「イイ」よなあ!の圧を感じる。将来ダーマ/ダハック使ってそうなチョイスだ。(手間は手間だったが、移動ポッドのダーマでこのダハックを運んで、プランダーと4本のビームサーベルを使ってみせれば、天才は天才だろう!)
 

【第十話 そこにある息吹】


 (嵐の前の)お祭り回。
 ここのカザミが私はかなり好きだ。まずクエストの為とは言えガンプラを変えて土木作業に従事する。ブランコを作る。大漁旗を持ってくる。お祭りを普通に楽しんじゃう。NPDの会話をだるい長いとぶった切ってきた彼だが、もうここまでくると完全に感情移入をしている。いい奴なのだ。悪気がないだけで。
 そして、視聴者も同様だ。リアライズ放送当時、色んな意見がネットで飛び交った覚えがある。エルドラの民たちへのコメントはほぼそのままカザミが作中で発している。つまり「ガンダムっぽくない」だ。ケモノ系のNPCなんて、全くそれらしくない。
 だが、ここまで10話、およそ250分我々とヒロトたちはクエスト内の世界に向き合ってきた。情が沸くのも当然のことだ。
 宇宙渡しの儀の後、一つ残ったランタンはイヴのものだ。ヒロトは彼女を送れないまま、昇華できないままいる。(お葬式ってね、生きてる人のためにもあるの。大切な人の死をちゃんと受け入れるためにもね)

【第十一話 ラストミッション】


 絶対にラストミッションではないと確信して見始めたのだが、今考えると確かにミッションとしては最後かもしれない。なぜならこのあとは誰かから請け負う仕事ではなく、彼ら自身の意志でこの世界に関わることになるのだから。
 軌道エレベーターで辿り着いた月にて、アルス登場。声がアスランなことにカザミは無反応だったが、豪華なNPDだなで済ませたのだろうか。それともそれどころではなかったか。後者かもしれない。
 カザミの大プレミがここで炸裂する。必要会話イベントがうまく処理されていないと思ったのかイラつきながらも事態を説明してしまう。まあ普通のRPGなら例えば「5万の兵が貴様の足元で手ぐすね引いて待っているぞ!もう終わりだ!」くらいはありそうなテキストだ。そして起動する衛星砲、ゼルトザーム率いる守備隊。絶体絶命。

【第十二話 震える世界】


 勝利条件がわからない戦いは、プレイヤーにとってストレスでしかない。何をすればいいのか、目的に見えるものが複数あれば猶更だ。衛星砲を破壊すればいいのか、ゼルトザームを倒せばいいのか、はたまたアルスを倒せばいいのか。終了条件不明のままながらチームは奮闘し、しかし空しく砲は撃たれる。照準はレジスタンスたちの集まる街。余波で各機が大気圏突入するが、その様子がそれぞれの機体性能を表していていい。ここでヒロトがファーストテレビ版のほうのラップを引き出してきたので私はここでようやくコアガンダムがRX-78ベースなのだと気づいた。だって色んな装甲とっかえひっかえしてて顔が一致しないんだよ
 宇宙世紀オーストラリアよろしく穴の開いた大地。ここに活気のある優美な街が一つあっただなんて、誰もわからないような惨状。呆然としながらフレディの村に戻れば、レーザーの余波でボロボロ。目をそむけたくなる現状はクエスト未達成のペナルティにしてはあまりに心に迫る。慟哭する村人たちが否応なくこれが「リアル」なのだと突きつけてきた瞬間、インターネット接続不良でメンバーは全員強制ログアウトさせられる。文字通り放り出されて、彼らはそれぞれのリアルへ戻された。

【第十三話 この宇宙のどこかで】


 一クール目最終回かつDiVERSのオフ会。メイのドレスがこの上なくかわいいのでいつかプラモ化してほしい。私にミキシングの技術はない。ゼルトザームのパイロットがかつてエルドラを救うために尽力したGBNプレイヤーであり、その肉体はあるときからずっと昏睡状態にあることが告げられる。
 ガンプラバトルに生死の問題を持ち込むのか?という議論は当時もされていたように思う。ビルドファイターズ無印で提示された理念は「ガンプラは遊び」だ。遊びだから本気になれるのだとビルドシリーズはここで自らを定義した。しかしトライでのアシムレイト、ダイバーズでのELダイバー問題など、より迫真な命のやり取りへとシナリオの舵を切っていく。その果てがエルドラだ。ダイバーズシリーズはここで本当の戦争へと足を踏み入れてしまった。
 それがダイバーズシリーズに、ひいてはビルドシリーズにどのような影響をもたらすのか。いくばくかの視聴者の不安を余所にヒロトたちは再度のエルドラへの介入を決める。このシーンのカザミが第一話とほぼ同じなのが好きだ。
 

【第一クールを終えて】


 さて、ここでyoutube放送当時は何か月か待たされたように思う。一クール分だっただろうか。視聴者はこのまま追い続けるか、切るかを選択することとなる。
 私は当時、切った。ビルドシリーズ以前の最新ガンダムが鉄血2期だったことも大いにある。悪名高き負のご都合主義とピタゴラスイッチ、やるせなさの傷が未だ癒えないその時は人が死なないガンダムを欲していたのだ。命のやりとりをしなくてもドラマは作れるというポテンシャルを見せてくれたビルドファイターズ無印を愛している私にとってエルドラ問題は期待を裏切られたように感じられた。
 だが今回は完走するという意志を持っている。私は14話目の再生ボタンを押した。

いいなと思ったら応援しよう!