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【3分解説:そば】そばの味・風味の違いは何で決まるのか

・そばといっても、学食や社食のそば、立ち食いそば、外食チェーンのそば、山間の観光地にある蕎麦屋さん、あるいは東京の超老舗など、いろいろありますが、味・風味には結構違いがありますよね。でも、何が決め手になっているかは、意外と知ってるようで知らない方も多いのではないでしょうか。
・では、何が決め手かというと、主な素材である、そば粉と水、この2つです。

そばの花と実

・まず、そば粉は、国産か海外産かで風味が大きく異なります。
・そもそも、日本の外食やカップ麺で出されるそばの大半が海外産。日本のそばの自給率は2割程度で、大半を中国から輸入しています。(日本のそばの農地面積は日本の農地面積全体の1%超しかないです。)
・ただ、海外産のそばの実の品質自体の問題というより、そばの実は、そもそも熱や湿気に弱く、風味が落ちてしまいやすい繊細なものです。
・このため、海外産だと、一定の管理が困難な国内への輸送の最中に風味が落ちてしまいやすい事情があります。そばの実にこだわるお蕎麦屋さんは、そばの実を自家栽培をするくらいです。
・ちなみに、国内のそばの生産地は寒冷な地帯(北海道、山形、秋田など)が多いですし、海外産もロシアや中国など、寒冷な気候の地域の産出量が多いです。

・また、そばの味を決める3たて「挽きたて、茹でたて、打ちたて」と言われるように、特に、そば粉が挽きたてかどうかでも異なります。
・挽き方には使う道具で分けて、機械挽きと石臼引きがあります。機械挽きは効率がいいですが、摩擦が大きく熱が出やすい特徴があります。そばは熱に弱いので、機械挽きだと香りが飛びやすいです。
・一方、石臼挽きだと、時間をかけてゆっくり引くと、熱を出さずに製粉することができます。このため、石臼挽きのほうがそばの風味を引き出しやすいと言えます。

そばの実を石臼ですりつぶす

・ちなみに、大手チェーン等の蕎麦屋さんだと、海外産のそばの実を製粉会社が機械挽きでそば粉にしたものを仕入れていますし、そもそもそば粉の比率もかなり低く、むしろ小麦粉のほうが多かったりします。

・もう一つのそばの味を左右する水については、茹でた後に占める水が、美味しい冷たい水かどうかで決まります。
・そばを茹でると、中に含まれるデンプンが溶け出し粘りが出てしまいます。
・この粘りが残ると食感も良くなく、またそば自体に残る余熱でデンプンが溶け続けてふにゃふにゃになってしまいます。ですので、冷水で粘りをしっかり洗い流し、溶けたデンプンを冷やして固めることで、コシを出すことができます。

冷たい水でそばをしめる

・こうした理由でそばの味・風味は決まりますので、そばの有名どころは、信州や山形など、水が美味しくて、そば粉の栽培に適した寒冷な気候の地域が多いのかもしれませんね。


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