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可愛がられる人(3/3)『“可愛がられる”から“信頼される”へ』

 可愛がられる人は、組織のなかを上手に渡り歩いていけそうです。放っておけない、つい面倒を見たくなってしまう、そんな魅力を備えた人なのでしょう。

 ここで、私がキャリア支援の際に一貫して伝え続けている、社会人として最も大切なスキル「信頼関係を構築する力」との関係を考えてみましょう。

 信頼される人とは、どのような人でしょうか。

「あの人に任せておけばなんとかしてくれる」「あの人はなんでもできて凄い」「あの人の言う通りにやっておけば安心」といった評価を得る人のことではないでしょうか。

 つまり、可愛がられる人とは必ずしも一致しない、どちらかというと対極にありそうな印象です。

 大学生のキャリア支援をしていくなかで、就職後の不安を口にする学生がいます。その際に、最初の3年間の過ごし方を以下のようにアドバイスしています。

●1年目:「組織のなかに居場所を見つける」
※そのための努力を惜しまない
(例)飲み会を断らない、依頼された仕事は断らない、先輩と一緒にランチに行く、失敗を堂々と謝罪する、など。→可愛がられる

●2年目:「がっかりされる」
※背伸びして失敗する(チャレンジすることに意義がある)
(例)やれるかやれないかわからないが手を挙げて挑戦してみる。結果、力不足で完遂できず周囲に迷惑をかけてもOK。→信頼獲得への挑戦

●3年目:「成果を出す」
※自分の力量と仕事の難易度を見極めて判断する
(例)任された仕事を完遂させる。できないものは理由とともに上司に相談し周囲に協力を依頼する。→信頼の土台づくり

 このように、まずは「居場所」を探すことが大切。仕事を覚えることにも一所懸命に取り組むべきですが、毎日の仕事に安心して取り組める環境を整えることを優先することをススメています。新人なんて失敗しても可愛いものです。どんどん可愛がられて、居場所を確立していくこと。そのためには、リカバリー力を身につけ、実践することが大切です。

 仕事における信頼には、経験や実力が不可欠です。これは1年目で満たせるものではありません。3年目を目途にしっかりと養っていき、目に見える成果として表現していく必要があります。

そのために、2年目の悔しい経験が貴重だと考えています。挑戦しない人は失敗しません。失敗しないということは、自分の力量の限界が見えないということです。限界を知っているからこそ、3年目に上司に相談したり、周囲の協力を依頼したり、適切な判断を下せるようになるのです。

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