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情報デザインコース卒業研究制作 ✧ インタビュー第6弾 | 星 綾華さん

みなさん、こんにちは!
多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」広報部門です。

今回のnoteは、卒業研究制作展参加者へのインタビュー記事の第6弾です。
これから約2週間にわたって全15名のインタビューをお届けしていきます!
彼らがどのような想いを持って今までの制作をしてきたのか、記事を通じて皆様にお届けできたらと思います。

第6弾は、「エンタテイメントとデザインゼミ」に所属する星 綾華さんのインタビューをご紹介します。


✧ インタビュイー紹介

星 綾華 / AYAKA HOSHI
多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース4年
エンタテイメントとデザインゼミ(主査:楠 房子教授)所属

── 普段は主にどんなもの、ことを制作していますか。

:絵を描くことが好きなので、絵を描いています。
あと、100均の手芸コーナで手に入れた布や粘土で色々作ったりしています。造花を作ったりとか、粘土をただただ無心でこねたりとか

── 手を動かすことに積極的なんですね。

何も考えずに手を動かしてる時間が、一番好きなんです。無心で作業ができる漢字の書き取りとかも、音楽を聴きながらするのが好きです。

✧ 卒業研究制作作品について

── 卒業研究制作で作成した作品の紹介をお願いします。

「ようこそ、どんぐりの世界へ。」

:タイトルは「ようこそ、どんぐりの世界へ。」です。
どんぐりとその葉っぱの模型を作りました。実はどんぐりって一つひとつ名前があるのに、まとめてどんぐりと言われることが多くて。ミズナラとか、コナラとか、それぞれの名前を知ってもらうきっかけ、入口として作りました。

 覚えていってほしいわけではなくて。本当に、なんかのほほーんと歩きながら。どんぐりね、ふーん、くらいでもよくて。それで、実際に街とか歩いているときにどんぐりの木やその実を発見したら、前に見たことあるかもしれない…ぐらいでよくて。本当にゆるく…。ちょっと気にしてほしいなぐらいのレベルです。

── どんぐりの葉っぱって、落ちてるところを見ないからあまり印象にないですね。

:そうですよね。でも、見てみると街路樹とかに結構なっていて。地元の街路樹はみんなどんぐりの木なんですよ。結構、街路樹にされることが多いらしくて。森に入らなくても、どんぐりって見れるんですよ。

── 調べてみると、想像以上にたくさんの種類の葉っぱがありますね。

:そうなんですよ!だから、本当は木の実より葉っぱの方を見てほしくてどんぐりをやりたいって言ったんですよ。それと、最初はどんぐりの実を作れる自信がなかったんです。

どんぐりの葉っぱの模型

✴︎ きっかけ・制作を決めた経緯

── この作品を作ろうと思ったきっかけや経緯について教えてください。

:作るときに、楽しくないとやってらんないので…。
元々植物を見ることが好きで、作品に自分の好きと繋げて作れたらなと考えていました。

 だから、最初からどんぐりを作ろうと決めていたわけではないです。2年生の授業で、地類苔をテーマに作品を制作したんです。それで今回のテーマも苔にしようかなと思っていました。好きに繋げることだけを考えていました。

──自分に素直なのは大事ですね。

:Webサイトとか作るの苦手なんですよね。
本当に自分がやりたいと思ったこと、好きなものを作ることを念頭に置いています。

✴︎ 制作過程

── 制作過程を教えていただけますか?

:作り初めは、素材選びを大事にしました。でも、材料は安いところから見ていきます。今回のどんぐりと葉っぱの素材も、100均で買いました。

── え、100均ですか!?

:そうなんです。どんぐりは紙粘土で、葉っぱは布とワイヤーを使っています。先ほども話したんですが、紙粘土でどんぐりを作れるかすごく不安でした。でも、実際にやってみたら思ってたよりどんぐりになっちゃったんですよね。葉っぱも、型とって布を染めて糊付けして切っちゃえば、一週間で完成しちゃいました。でも、どんぐりの帽子の再現には苦労しました。3日くらいかかって……。
模型が完成するまでに、夏休みの間と9月を丸々使って、粘土をずっとコネコネしてました。色塗ったり、その上に塗るニスも全然乾かなかったり。

紙粘土で作った、どんぐり
葉っぱは布とワイヤーでできている
着彩・ニス塗りをした、どんぐりの模型

── 色も素敵ですよね。本物みたい。

:そこは結構、頑張ってこだわりました。ただ、ニスは100均のものだと全然上手くいかなくて。ちょっと良いものを買いました(笑)
色も、自然な色に寄せるためにたくさん混ぜました。葉っぱの緑には、赤とか紫を結構入れましたね。逆に、青とか入れると緑すぎちゃって、自然の色から遠くなってしまいました。

 絵を描くのは好きなんですけど、模型だから好き勝手に塗れないんですよね。しかも、模型は偽物なのでしっかり塗らないと絵の具感が強くなってしまうんです。

── なるほど。展示台も、とても豪華でしたよね。

:借りられる中で、作品に合うものが無かったんですよね。
中間審査の時は普通に並べちゃったんですけど、ただ置きましたって感じになってしまって。それと、楠先生や他の教授からも展示について意見をもらったので、ちゃんと作らないとと思い急いで作りました。

中間審査時の展示風景

:葉っぱを置く展示台の上に、説明書きと葉っぱのシルエットが印刷された紙を貼ってるんですが、そのシルエットのパスを取るのが大変でした。

 でも、どんぐりは一つ一つ入れられる箱を元々作っていました。中にスポンジを入れて保護されてる感じを出しています。それと、博物館ぽくしたかったので、45度の斜面を作れるカッターで切って斜めに見せています。それをするだけで、影の落ち方が変わって見栄えが良くなるんです。

制作した展示台
どんぐりの箱

── 他にも、作品を制作していて何か苦労した点はありますか。

:作ることに関しては……。本当にずっと夢中で作っていたので。楠先生にも、苦労した点を発表で言った方がいいと言われたんですが、ずっと作ってるから分からないって感じでした。元々夢中になれるテーマを選んでいたので、そんなに苦しくなかったんです。
唯一、印刷が苦でした…。

── お気に入りのどんぐりはありますか。

:そうですね…。シリブカガシが結構好きですね。木の実のところに、白い粉がついてるんですけど、それがセクシーだなって思って(笑)セクシーだと語弊があるかな…。ミステリアスというか、そういう感じがして好きです。

✴︎ 今後の活動・進路について

── 今後の活動や進路などについて、何かありましたら教えてください。

:お庭を作ったりする、植物に関係した仕事に就きます。後輩に対して、大したこと言えないけど。特に目標が決まってなくて、なんか来ちゃったわみたいな人がいたら、とりあえず広く見ていくのが良いかなって思います。
 これまで授業を受けていて、絶対にデザインに関わることが当たり前っていう空気を感じていたし、それを前提として話されるのが嫌だったんです。だから、突出したことではなく広く見ていく。情報デザイン学科って、手広くなんにでも手を出しやすいし。他の学科を志望していたんですが、結果情報デザイン学科で良かったなと思っています。

✧ あなたにとって 「爆発」とは?

── さいごに、あなたにとって爆発ビックバンと呼べるものを教えてください。

「積み重ね」

:元々、特に人よりできることがなくて。あまり言っちゃいけないけど、展示とかも興味なくて、就職先もデザインと全く関係ないところなんです。だからと言って、作ることが嫌いになったわけじゃないなくて。今回も、展示台を急いで作れたのも、一度授業で経験したからできたことで。デザインに関係ないけど植物も好きで。どちらもこれまでの経験が繋がってたりするんです。やってきたことっていうのはやっぱり積み重ねで、なんかそれの集大成になったんじゃないかなって。
答えになってるか分からないですが…。

(インタビュー・編集:梅木 千夏、画像提供:星 綾華)


インタビュー第6弾、いかがでしたでしょうか。
本卒業研究作品は多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展に展示されております。
記事だけには載せきれない、実際に見るからこそ伝わる魅力がある作品がたくさんありますので、みなさまもぜひ会場にお越しください!

第7弾は、「ラーニングとデザインゼミ」に所属する高嶋 悠河さんのインタビューをお届けします。次回もお楽しみに!

多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」

会期
3月3日(金)- 3月5日(日)10:00 - 19:00
場所
〒141-0022 東京都品川区東五反田5丁目25−19
東京デザインセンターガレリアホールB1&B2
アクセス
JR山手線五反田駅東口より徒歩2分
都営浅草線五反田駅A7出口正面
東急池上線五反田駅より徒歩3分

詳細多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」公式サイト

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