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情報デザインコース卒業研究制作 ✧ インタビュー第15弾 | 豊田 桃子さん

みなさん、こんにちは!
多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」広報部門です。

今回のnoteは、卒業研究制作展参加者へのインタビュー記事の第15弾です。
これから約2週間にわたって全15名のインタビューをお届けしていきます!
彼らがどのような想いを持って今までの制作をしてきたのか、記事を通じて皆様にお届けできたらと思います。

第15弾は、「メディアとデザインゼミ」に所属する豊田 桃子さんのインタビューをご紹介します。

✧ インタビュイー紹介


豊田 桃子 / MOMOKO TOYOTA
多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース4年
メディアとデザインゼミ(主査:永原 康史教授)所属

── 普段は主にどんなもの、ことを制作していますか。

豊田:普段制作してるのは紙媒体が多く、グラフィックや本を制作しています。課題より個人制作が好きなので、少数部でZINEを制作したり販売したりしています。

✧ 卒業研究制作作品について

── 卒業研究制作で制作した作品の紹介をお願いします。


「記憶と愛着の非発話伝達」

豊田「記憶と愛着の非発話伝達」というタイトルで、私の代わりに、作品が私の昔話を会話以外で伝えるという作品です。

 レコード、ポスター、グラフィック、詩のような言語から成り立っていています。レコードはこれまでの人生で自分を構成してきた環境の音を録音し、その音をカッティングして作りました。

 ポスターは4枚制作しています。右から自分の故郷(青のポスター)、幼少期(ピンクのポスター)、大学での生活(赤のポスター)、小、中、高での生活(黄色のポスター)になっていて、格子状に分割されている一つひとつの絵にはエピソードと意味があります。ポスターを元にしたグラフィックを制作し、全体を補足するための文章を綴ることで、鑑賞者に私の昔話を伝えています。


レコード
グラフィックと文章を綴ったカード

✴︎ きっかけ・制作を決めた経緯

── この作品を作ろうと思ったきっかけや経緯について教えてください。

豊田:友達と内輪ネタやパーソナルな話をしていたり、たわいのない会話をしている時間がものすごく楽しいんです。そういった時間が1番自分的にリラックスしていると思っていて、それらの記憶を表現したいと思いました。でも、私は口下手な方なので、私の代わりに作品に昔話をしてもらおうと思い、制作しました。

✴︎ 制作過程

── 制作過程を教えていただけますか?

豊田:自分の制作スタイルとして、そのときやりたいと思ったことをやるように決めているんです。「やりたい」の気持ちを先行させながら表現をしています。

 今回は最終完成形態として、こういう展示にしたいというイメージがあって展示台を作ること、ビビットな色が好きなのでポスターを作ることは決めていました。グラフィックを作る上でテーマを見つけたかったので、一度地元へ帰省しました。

そこで、家族との会話を録音してみたりと模索している中で、私のお父さんが昔家の手伝いをする際に沢田研二のレコードを外で流しっぱなしにしていたという話を聞いて、レコードを作ることに決めました。
レコードの元になっているそれぞれの環境音は初めから音をとる場所を決めて録りにいくのではなく、パッと思いついた普段の自分が通る場所やよく行っていた場所で時間を過ごしていたものを録音し、普段の素の音を録るようにしていました。

 東京へ戻ってレコードを聴きながら、思い出したことをグラフィックとして表現していきました。私はテーマを決めて作っていても、リアルタイムで作業中に目に入ってきたものだったり、聞こえてきたものに引っ張られてしまったりしてしまうので、今回は完全に音に依存するつもりで制作しました。

✴︎ 制作を通して気づいたこと

── 卒業研究制作を最後まで終えて、気づいたことや感じたことはありましたか?

豊田:興味と好奇心さえ湧けば、作り出すまでの瞬発力は人一倍高いのかも!と気がつきました。けれどそれは逆にいうと、とりあえず作ってみることが出来ないという意味でもあるんです。
いつも構想の段階では具体的なビジョンはクリアに見えていなくて、何かしらあったとしてもそれをアイデアとして言語化して、自分にとって「いける!」と思えないとなかなか筆が進まないんです。

 卒業制作期間で長所も短所も改めて自覚したので、自分の特徴というか制作スタイルをいい方向に伸ばせたらいいなと思います。

✴︎ 今後の活動・進路について

── 今後の活動や進路などについて、何かありましたら教えてください。

豊田:まだ決まってないのでわからないのですが、一旦就職をする予定です。元々作るのは楽しいけれど、人のものになってしまうものを作るのが向いてないというか、あまり得意ではないので、就職をして仕事をしていても作品は作りたいですし、ZINEも作り続けたいと思っています。

✧ あなたにとって 「爆発」とは?

── さいごに、あなたにとって爆発ビックバンと呼べるものを教えてください。

「作りたい!っていう欲求」

豊田:この世界がビックバンっていう爆発から始まったように、制作の始まりは作りたいっていう爆発的な欲求からだと思うんです。爆発は大きかれ小さかれ、私はそういう直感的に惹かれたテーマや疑問を大切にしながら制作してきました。制作プロセスもビジョンの育て方も人それぞれだけど、始まりはみんな同じなんじゃないかな?と思います。

(インタビュー・編集:馬塲  士、画像提供:豊田 桃子)


インタビュー第15弾、いかがでしたでしょうか。
本卒業研究作品は多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展に展示されております。
記事だけには載せきれない、実際に見るからこそ伝わる魅力がある作品がたくさんありますので、みなさまもぜひ会場にお越しください!

多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」

会期
3月3日(金)- 3月5日(日)10:00 - 19:00
場所
〒141-0022 東京都品川区東五反田5丁目25−19
東京デザインセンターガレリアホールB1&B2
アクセス
JR山手線五反田駅東口より徒歩2分
都営浅草線五反田駅A7出口正面
東急池上線五反田駅より徒歩3分

詳細多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「  」公式サイト

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