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日記 お盆休みを東京で

2023年8月10日

朝から大忙しである。
バスの都区内一日券を駆使して、食糧調達に奔走しているのだ。
台風が近づいていることを懸念して、巣篭もり連休となっても耐えうるように、あれこれ買い溜めしている。

しかし、台風が来るとは想像できないほど、青い青い青空が広がり、蝉がギャン鳴きし、太陽光は絶好調、灼熱の真夏日だ。

ちなみに東京ではこの時期、「お盆」というセレモニーは行わない。
我が先祖代々の菩提寺も、基本的にはなんにもやっていない。
明治5年に明治政府が太陽暦を取り入れてよりこのかた、新暦に従うべしという御達しのもと、江戸東京ではひと月早く7月に「お盆」セレモニーを行なうようになったのだ。

他の地域でも時期が異なるところもあるようだが、概ね8月の半ばが「お盆」であり、墓参りやら坊様に仏壇前で経を唱えてもらうやらのセレモニーを執り行なうのが一般的ではあるまいか。
そうしたセレモニーにのために、東京を暫し離れて帰省する人は少なくないだろう。

盆暮正月の東京はまるで伽藍堂である。
いま私を乗せたバスが延々と続く車列に並び、ひた走っている山手通りでさえ、車も人も消えて、しーんと静まり返る。

私が子どもの頃は、もう少し多くの人が東京という街にも、ちゃんと生きて暮らしていた、つまり根を張って生活していたような気がする。
盆踊りも夏祭りも、もっとたくさんあった。
正月になれば、町の小さな神社でご近所さんと甘酒をすすりながら新年の挨拶をした。

なんだか、いよいよ歪な街に変わってしまったような気がして、少し寂しく思う。

みなさま、よい夏休みを🌻

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