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「決算書」の読み方と「経営分析」のポイント

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「5つの箱」で理解する! 貸借対照表、損益計算書の読み方とキャッシュフロー経営の実践、そして採算管理の基本までをマスター。生産性の高い企業であり続けるために大切なこと、経営分析の…
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#付加価値生産性

第6章 「生産性」の高い会社であり続けるために

3.「付加価値」で見る優良企業の条件  1人当たり「付加価値額」が大切  付加価値は、その総額も重要ですが、何人の従業員で生み出したかという視点で見ることが、より大切です。  そこで、「1人当たり付加価値額」に注目します。  1人当たり付加価値額(=付加価値額÷従業員数)とは、算式のとおり、従業員1人が生み出す付加価値額という意味です。  「付加価値生産性」とも呼ばれます。  1人当たり付加価値額が大きいほど、生産性の高い会社といえます。  たとえば年間10億円の付加

第6章 「生産性」の高い会社であり続けるために

4.「1人当たり付加価値額」を高めるために   優良企業には、より多くの「1人当たり付加価値額」を生み出すことと、その「付加価値額を上手く分配」する力が求められます。  今回は、1人当たり付加価値額を高める方策を見ておきましょう。  「付加価値生産性」(1人当たり付加価値額)を高めるための方策は、「設備集約型企業」であるか「知識集約型企業」であるかによって着眼点が異なります。 「設備集約型企業」が生産性を高める方法  設備集約型企業は省力化投資で付加価値生産性を高める

第6章 「生産性」の高い会社であり続けるために

5.給料と付加価値生産性の高い会社を目指そう 「労働力」への分配率を見る  会社が保有する経営資源「人、モノ、金」のなかでは、やはり「人」の重要性が高いはずです。資産を多く所有していても、資金が潤沢にあっても、人がいなくては仕事になりません。最新鋭の機械を操作するのも人です。  そのため基本的に、付加価値の分配先のうち、従業員に対する人件費への分配率がもっとも高くなります。  会社が生み出した付加価値額を労働力、つまり人件費に、どれ程分配したかを見る指標が「労働分配率」