無かったことになる日の話。

バイトの帰り、ピーナッツバターサンドをほおばりながら歩いた。駅まで10分だから、半分しか食べられず、半分は夜ごはんになった。今後バイトの日の夜ごはんはピーナッツバターサンドかもしれない。おいしいのでそれでいい。おいしいピーナッツバターと、おいしいブルーベリージャムと、おいしい食パンと、おいしいバナナを使うと、おいしいピーナッツバターサンドが出来上がります。お試しあれ。

帰りに買い物をして、5000円ちょっと使う。時給1000円ちょっとで5時間働いて、帰りに5000円の買い物をする。計算上、今日は無かったことになる。存在しない日。存在しないために働いてものを買った。うーむ、虚無。

あれこれ欲しがってばかりいることは貧しいことなので、あまり買い物に行きたくないのだけれど、行ったらかならず欲しいものが出てきてしまう。いままで人生に存在してこなかったものなのに、出会った瞬間、欲しくてたまらなくなる。でも、なくても死にはしないのだ。それなのに。それなのに、ああ。物欲とはとんでもないものだ。人間も、物も、おんなじだなあと思う。それがなくても生きていけるのに、どうしようもなく手に入れたくなって、手に入れば欲は落ち着いて、なんとなく距離ができたり、毎日一緒だったり、急になくなったり、たまに思い出したりする。我々はいつでもなんでも欲しがってしまういきものだね。

ほんとはこれ以上もうなにもいらないはずなのにね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?