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ライブの余韻に沈む

久々にライブというものに行った。

何年ぶりだろう。もう5年は行ってない。いや、もっとだ。
一度行かなくなると腰が重くなって、気になるバンドがあってもライブには行かなかった。

そんな私を動かしたのがZIONというバンド。
突如終了した、私にとって特別すぎるNICO Touches the Wallsの元ボーカル&ギター光村龍哉のいるバンド。

彼らがツアーで関西に来るというので、即チケットを取った。あの時ライブに行っておけばよかったという後悔はもう懲り懲り。まだかまだかとライブを楽しみに待っていた。

ただ、いざもうすぐとなると急に不安になった。

長らくライブに行っていないから、ノリについていけるか分からない。もう昔みたいにぴょんぴょん跳ねたりきっとできないぞ私。

それに、ここのところ母の具合が悪い。
こんな時にライブなんか行ってる場合なのだろうか…。こんな調子では行っても心から楽しむなんて無理なんじゃないか…。という考えが頭をよぎる。

こんなどんよりした気持ちで行くのか?

でも、ずっと心待ちにしていたライブ。
それに、もう何度も救われてきたあの光村龍哉のいるバンドだ。
だからなんとなく、こんな気持ちで行ったって大丈夫…というか、こんな気持ちだからこそ行かなきゃいけない気がした。


そうして当日。いざライブハウスに向かえば、
いつロッカーに荷物入れたらいいの…とか、
ロッカー空いてなかったら…とか、
ほぼロッカーの心配しかしてなかったので、私ってのはどうしようもない奴だと思う。

純粋にライブが楽しみだなぁ〜とか思えないのかね。

あと物販ではちゃっかり散財した。いつもなら絶対にこんな大金使わない。金銭感覚がおかしくなる魔法でもかけてあるんかあの空間は。

そんなこんなで、物販で買った服をさっそく身に着け、無事にロッカーも確保して、会場に入ってあとは開始を待つのみ。

ライブは、予定の時間よりちょびっと焦らされてから始まった。


ライブが始まって、自分でも驚いた。

なんかもうからだが勝手に動く。

私の中でウズウズしていたものを、目の前のステージにいる彼らがすくい上げていくといえばいいのか。
曲に合わせて動かずにはいられなかった。

体を揺らしながら照明に照らされたメンバーの姿を見つめる。
ほんっとに気持ちよさそうに歌うよなぁ。そりゃこっちまで伝播する。

私はたぶん顔で演奏されると弱い。いや字面で見ると訳わからんけども。あなたが楽器ですかってぐらい表情がめっちゃくちゃに動く人。見とれちゃうんだよ…。

あ、目があった気がする。
わかってる。絶対気のせい。

…そんなことは置いといて。
ライブ中、なんというか不思議な感覚だったと思う。

パフォーマンスを見ているという感じがしなくて。あぁ、この人たちは音楽を生きている。それを感じる。みたいな。

LIVEって、「生(なま)の」じゃなくて、「生(い)きる」の方なのかな。みたいな。

いや、全然うまくことばにできないし、ことばで表現すべきものじゃないとも思う。
それぐらいの何かを感じた。

そしてアンコールで完全にやられた。
ステージ上のみんなを見ていたら、
“ねぇ、私もそんな風に生きたい…”
そう思った。そんな風が何なのかも分からない漠然とした唐突な気持ちだけど。
そして涙がこぼれていた。

その余韻に浸ってこんな深夜にこれを書いている。
いや、なんか重いな?

でも、たぶん私は
わーい!楽しかったーー!
というのができない質だから仕方ない。

それに、祝日の前日にライブやるなんてもう余韻に浸れ、いやズブズブに沈めってことでしょうよ。
だからお言葉に甘えてそうするまで。

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