瓶底眼鏡から裸眼生活になりました〜ICL手術体験記④手術後の翌日健診


    前回に引き続き、手術当日のお話です。
 手術シーンは終わったので、痛い話が苦手な人も今回から読んで大丈夫ですよ。

 手術が終わると回復室に戻り、10分ほど椅子に座って休憩します。ここから保護眼鏡の装着がスタート。術後は目を守り、擦ったりしないよう注意しなければなりません。
    視界はまだぼんやりしているけれど、明らかに視力が良くなっているのが自分でもわかります。あちこち見てみたいけど、まぶたの注射(麻酔だったのかな?)の影響で目を開けづらい。そしてまばたきをすると左目が痛い……痛みは休憩中にどんどん強くなっていきました。
    休憩が終わると看護師さんが診察室に連れて行ってくれます。目の痛みを相談すると「痛み止め飲みたいくらい痛い?」「いえ、まばたきをすると痛くて……」「眼圧が上がっていないか検査しよう」と機械の前へ。測定の結果、眼圧の上昇はなく、術後の診察を待つことになりました。
 院長先生はまだ手術中のため、術後は他のドクターが診察をします。その前にいくつかの検査をした後、両目に軟膏タイプの抗生剤を入れました。
    軟膏なので視界はあっというまにぼやけ、瞬きをするとネトネトに……「垂れてきた分はぬぐっていいけど、目のまわりは擦ったら触らないでくださいね」と指示がありました。軟膏のおかげか目の痛みは少し和らぎホッとします。
 外来の患者さんと一緒に待っていると、やげて診察室に呼ばれます。ドクターがレンズの位置や網膜の上体を確認します。レンズも正しく挿入され、網膜の様子も変化なし。手術は上手くいったとのこと。
「左目が痛いのはまぶたに傷がついて、それがまばたきでこすれて痛いんだと思います。炎症が治まれば痛くなくなるから、大丈夫ですよ」
 と言われ、手術中の左目は開眼機に抗ってまぶたを閉じようとしたのかな……と思いました。手術後半には自分も疲れきってしまい「頑張って!」と励まされたほどですもの、必死に目を閉じようとしていたのかもしれません。
 診察が終わると、あとは帰宅するだけです。私が手術を受けた病院は、希望者は手術後と翌日の診察は自宅まで送迎をしてくれました。術後は散瞳剤など手術の影響で見えにくくなっているのに加え、軟膏で視界がネトネトしていたので、送迎は本当にありがたかったです。
 ここで、冒頭にお話ししたドカ雪が影響します。
     降り積もった雪の排雪が間に合わず、道路脇に雪がうず高く積まれていた札幌。道路は軒並み道路の幅が狭くなり、二車線ある道も一車線になってしまいます。各所で渋滞が発生し、それが帰宅の時間と重なってしまったのです。
    まったくもって進まない車の中。まだうまく見えない視界で、私はスマートフォンを取り出し「白内障手術  全身麻酔」と検索していました。
    いずれ年齢を重ねれば受かることになるであろう白内障手術。ICLと同じように日帰り手術が可能ですが、おそらく今回と同じような手術になるのだと思います。時間にすれば短かったですが、手術中は誰かに手を握っていて欲しいと思ったほど怖かったのです。できることなら意識のないうちに終わって欲しいと、今からそんなことを考えてしまったのでした。自分が白内障になる頃にはまた新しい治療法ができているといいな……。
 渋滞の影響で帰宅に1時間以上かかってしまいましたが、その間に目の痛みもだいぶやわらいできました。
   手術前にたくさん料理をしていたおかげで夕食もすぐに食べることができ、家族にメールで報告できるようになるするなど目のピントも合うようになってきました。適応検査の時は3日ほど効果の続く散瞳剤でしたが、手術のときは通常の数時間で戻る薬だったのかと思います。
    保護眼鏡をかけているため、裸眼の実感はまだ少ないです。スマートフォンをいじると、なぜか画面に縦筋が見えました。部屋の壁紙にも同じような筋が見え、これも手術の影響?と思いつつ、何をする気にもなれずぼんやりとテレビを見ていました。
 術後は1日3回の抗生物質の内服と、1日4回の抗生剤の点眼3種が始まります。頓服の痛み止めももらいましたが、私は服用しないまま終わりました。
 手術当日は入浴も洗顔も禁止。眼軟膏のネトネトのせいで視界もぼやけてうまく見えない。これは何もできないなと、その日は22時前に布団に入りました。保護眼鏡は就寝時こそ大切なので、横向きに寝ると枕で眼鏡がずれてしまい、自然と仰向けの入眠になります。
    手術前は緊張のあまりうまく眠れなかったため、布団に入るとすぐに眠りに落ちたのでした。


 術後翌日。大雪の影響で送迎も遅れてしまうかと思いましたが、行きは早めに病院に到着することができました。
 注射の影響で開けづらかったまぶたもスムーズに動き、痛みもだいぶ気にならなくなっていました。受付を済ませるとまた色々な検査をします(眼科は本当にたくさんの検査をしますね)
    そして、術後はじめての視力測定。○の切れ目を伝える、いつもの視力測定です。
 自宅ではあまり実感がなかったのですが、視力測定をするとなんと両眼とも1.5に!
 1.5の視力なんて人生ではじめてです……むしろ、こんなに視力が良くなって大丈夫だろうかと過矯正が心配になるほど。
 手術翌日は執刀した院長先生の診察でした。レンズの位置や網膜の状態、目の傷を確認しますが、昨日たっぷり寝たおかげか「昨日手術を受けたとは思えない目だね〜」とのこと。目は粘膜なので治りが早いのかもしれませんね。
「両目の視力が1.5。良くなりすぎてびっくりしてる?」
「人生でこんなに目が良くなったのはじめてです」
「術後の経過も問題ないからね。首から下の入浴は今日から大丈夫だよ。目の調子がいいから、髪の毛洗うのも1日早くしても良いよ」
 目の手術をすると、術後の生活にいくつかの制限があります。
・化粧やひげ剃り→翌日から目のまわり以外は可。全体は4日後より可。
・入浴→翌日から首下は可。全身は4日後より可。
・スポーツ、運転、飲酒→1週間後より可。
・温泉・プール→1ヶ月後より可。
 病院によって期間は変わってきますが、私の場合はこう指示されていました。お化粧もアイメイク以外はしても良いけれど、水を使った洗顔は入浴と同等なので濡れタオルで拭くことしかできません。拭き取りタイプのメイク落としを使う手もありましたが、私は眉を描く以外すっぴんですごしていました。
 手術を受けたのは木曜日。術後の洗髪が許可されるのは月曜日だったので、週末は美容室でお願いしようと思っていました。先生から日曜夜の許可がおりて一安心。それまでは蒸しタオルやドライシャンプーでしのぎました。
 院長先生の診察が終わると、翌日の検診は終了。次は一週間後の検診です。
 帰りも送迎をお願いしていたのですが、雪の影響で送迎に使うクルマが帰ってこれず、1時間程病院で待たなければなりないとのこと。それなら自力で帰った方が早いと思い、手術翌日から徒歩で地下鉄駅まで行き、地下鉄に乗って帰宅しました。
 最後の最後もドカ雪の影響を受けましたが、手術翌日には地下鉄に乗って帰宅できることに自分でも驚きです。保護眼鏡をかけているため、相変わらず裸眼の実感は薄かったのですが、この後少しずつ日常生活にも変化が現れるようになっていくのでした。

 続きます。
    手術の当日・翌日のお話はここまで。次回から1週間検診と1ヶ月検診の話。あと2回で終了予定です。

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