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変わるもの 変わらぬもの


 アメリカ合衆国に初の黒人大統領オバマ氏が誕生したのは、2009年のことだった。11年前。2期8年大統領を務めた。

 オバマ氏が大統領選挙のキャンペーンで強調した言葉は何だったか? そう、「Change!」。
「変化」。この変化は、単にブッシュ元大統領の保守党からオバマ氏の民主党に政権が変わるというだけでなく、アメリカ人の心の変化を指していた。黒人大統領誕生というアメリカが抱えていた民族差別の歴史が変わること。人種のるつぼのアメリカの心の変化だ。また、イラク戦争の撤退という戦争から平和への変化だった。オバマ氏は、ノーベル平和賞を受賞した。オバマ大統領から現在のトランプ大統領にななった。アメリカはまさに変化「Change」した。
 
 さて、人間は変化を求める。閉塞状態から開放されて自由になる。そういう変化である。変化で一番困難なのは、外形が変わることではなく、内面が変わることではないか? キリスト教はこの内面性の変化を最大の特徴としている。それは人生をまったく変革させる力である。
 イエス・キリストとの出会いは人間を変化させる。キリスト者は、変化したものである。「変わっただろうか?」  何からの変化か?

  2コリント5章17節
「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた」

 わたしたちのいのちが新しくされた。これが福音である。イエス・キリストを信じる者に到来する新しいいのちである。その信仰。古いものがいつまでも続くのではない。

たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。
Ⅱコリント4章16節。口語訳もいい。

 この変化は、生まれ変わり、新生と言う。新しく生まれる。もちろん、母の胎に帰って、再度、生まれるというものではない。水と霊によって生まれることを言う。
 それは、聖書に書いてある通り、水と霊によって生まれ変わり、神の国にいれていただくものなのである。
 コロナ・ウィルス感染のパンデミックの中、アメリカは最大級の感染者と死者を出した。トランプ大統領はじめ大方のアメリカ人は、なすすべもなく早く収束することを祈るのみだろう。

 そういう時に、5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官に首を押さえ付けられた黒人男性が死亡した。ジョージ・フロイド氏(46)だ。ここから全米に黒人差別反対の激しいデモが起こった。

 オバマ大統領が発したChange! は、何も変わってなかったのだろうか? オバマ氏が去り、トランプ氏に替わり4年がたつ。そうそう、人間は変わることがないのだろうか? 

 イエス・キリストが地上に降りてこられて2000年たつ。十字架と復活、そして聖霊降臨の出来事からも2000年。人類は変わっただろうか? 人間の歴史は、歩みが遅いだろう。

 何よりも遅いのは、この「わたし」だろう。

 そして、「あなた」かもしれない。           

 


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