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悲しいラジオを聞いた 【65/1096】

ラジオから悲しい話
若者の死の話
聞いてるだけでまぶたが重くなる
あたまがしめつけられる
体がしびれてくる やめてくれ
もう話さないでくれ
苦しいよ 苦しい

若者よ なぜだ と皆問うだろう
若者には若者にしかわからないことが
あるのだ こまごまといろいろと

若者の鋭敏な感性は尊い
その中で傷つくことも多々あるだろう
会ったことのない若者の苦しみを
自分の身近な人のように
まざまざと感じてしまう
自責と後悔をまたくり返す

大人になると細かい色んなことは
どうでもよくなってくる
鈍感になるのか 鷹揚になるのか
図太くなるのか しぶとくなるのか
経験値なのか 諦めなのか
生きやすくなることもあり
いいことだと思ってきた
しかしながら
君たちの感性から遠のき
ほんとうに大切なものが共有できなくなる
コミュニケーションがとれず
イマジネーションが持てなくなる
これでは 話にならない
大人はわかってくれない
ほんとにそうなんだ
大人はわからなくなるのだよ
わらなくなることさえも気づけないほどに
壊滅的である
そんな大人になりたくなかった

若者の悲しい話
この悲しさは大人にしかわからないかもしれない
共感しきれない苦しみ
若者の周りのひとの悲しみの深さと重み
その継続性
じわじわと締めつけられる絶望

若者よ 若者はいつか大人になる
大人になればわかることもあるのだよ
人生は長いから
大人だってまたわかることがつづく
苦しみの嵐をぬけるときが来ることを
大人は知っている
朝はくるし 雨は止む
これね ほんとにそうなの
そしてまた
夜の闇もくるし 雨も嵐もやってくる
その繰り返し
ぐるぐる回っている
同じことのくり返しのようで
決して同じ場所ではないから
絶望ではないから
どうか 生きのびてください

今日もありがとう