【657/1096】やまにのぼれない
めのまえにある
じぶんがのぼるべきやま
みなそれぞれに それぞれの
やまをのぼっている
すきなように すきなるーとで
みなのようすはよくみえる
ああ もうあんなところへ
いってしまった
じぶんはひとり
ふもとをうろうろしている
なにかをならべかえたり
なにかをやたらととのえたり
たまにのびをして
みなのようすをみまもる
わたしものぼらなければ
でも ほがすすまない
ふもとはおだやかでいい
なにもふあんがない
このままでいい
けわしく くるしいやま
うつくしく うるわしいやま
のぼらなければわからない
わたしものぼらなければ
でも やはりきがすすまない
このままひとり ここにいるのか
みながさきへすすむたびに
むりょくかんがます
どうしよう どうしよう
あせりつつも じつはあせっていない
しばらくここでいい
ほかのひとにあわせるのはむりだから
ここでのんびりしておこう
ふときがつくと
ふもとのしたほうにもひとがいる
のぼっているとちゅうのようだ
そうか ここはちゅうふく
すすまないどころか
じぶんはここまでのぼってきていた
やまのとちゅうで
きゅうけいしてただけ
そうか そうだったのか
ならばもうすこし ここにいよう
ここのけしきもわるくない
ここちよいかぜがふくそうげん
ぽっかりうかぶくもでもみて
のんびりしておこう
きょうもありがとう
のこされたもののひび