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すすにまかれていく 【85/1096】

日常のちょっとしたこと
嫌な感情 悲しい出来事
ほんの些細なこと
悪意を感じること
ネットからの溢れる情報
こころにもやが生まれ
自分の周りのすすになる
すすにまかれて自分を
すこしずつすこしずつ嫌いになっていく

すすは取れる
自分でも取れるし
取ってくれる人もいる
たとえば
家がすすにまみれたら
窓を開けて空気を入れ換え
拭いたり掃いたり掃除すれば
さっぱりするでしょ
自分のことも掃除 換気 消毒
してあげたらよいのだよね
いい香りのするアロマとか
観葉植物があればさらにいいかもしれない

それは想像の世界で
頭ではわかっていること
行動ができない そこで詰まる
やりたい でもやれない 力がない
やる気が出ない 起き上がれない
すぐそこのゴミさえもきちんと捨てられない 自分が嫌になる
またすすが重なっていく
チリが積もって積もって埋まっていく
嫌な暗い積み重ね
やりたかったこととは真逆という認識で
さらに自分を追い込んでいく
周りと比べて落ち込んでいく
過去が覆いかぶさり 未来が見えない
すぐそこの足元さえ見えなくなる
人のことばも届かない
すすで目も耳も鼻も塞がれている
口も動かない ことばが出てこない
すすまみれの自分が息を吐くと
すすが舞ってしまうから
怖いから 見られたくないから
嫌われたくないから
じっとそっと耐えていく
誰にも見えないすすを感じて
無価値観を 無気力の中で感じている

サインは出ていた 出していたと思う
すすにまみれることのない自分は
それがなんであるかわからなかった
すすがないわけでない
ただこまめに掃除するタイプだった
取り除く術を知っていたし
みんなため込まないのが普通だと思っていた 
だって心地よくないから
心地よくいたいから 
すすを払い忘れて清々しさを求めた
みんな大なり小なりそうなんだろう
勝手な憶測と思い込み 
信頼でもあったのだが

みんながみんなそうでなかったんだ
払いたくても次々とまとわりつくすす
ふり払えない人のメンタリティや 
状況を想像できない自分の感受性よ
無知と傲慢 偉そうに見えただろう
有能なつもりはない
ただ自分は
無能だからすすを払いたかったの
無能なことを受け入れて
なにもないのだから
目の前のことをやろうとしていただけ
過去や未来でなく 
今しかないって思っていたの
だから 小さなすすさえ 
おさらばしたかった
 
共有できていたら
もうすこし共感できていたら
話を聞いてこころの換気ができていたらと
自分にはもっとできることがあった
あったはず
と思うことは今は傲慢に思う
できることはなかった
気づける自分もいなかった
忙しく流れる日常に余裕もなく
見落としてしまったのが現実
いつから?どこから?
やり直しは聞かない 
これが現実 わかっている
たらればのないこと わかっている
だから 本当には悔めない
悔やむ資格がない 
悲しいけれど 
それが自分の積み重ねなんだと諦めている
ある部分は徹底的に死んだ
離脱してどこかへ飛んでいったのかもしれない
なにも感じない部分がある
フタをしてるのかはわからない
わかるのはもっと先だろう
1096日後の未来にすこし期待している
そこまではズリズリ這いつくばって
進んでいこうと思える
抜けた先に何があるのか
何もなくてもそこまではいきたい
そう思えるうちはまだましである

今日もありがとう
天気がよいと嬉しい
嬉しいと感じられることもあたり前ではなかった