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ただそばにいればよかった 【142/1096】

なにを話すとか聞くとか
触れるとか励ますとか
具体的ななにかをすることより
ただそばにいればよかった
そう思う
ただ隣にいたらよかった
余計なことを言わず
諭すようなことも
説教じみたことも
心配することもなく
ただ日向ぼっこのように
横にすわって
ともにある時間を
味わえばよかった
いまになって思うのでは
遅いのはわかっているけど
そう思えたことは
後悔と自責もあるけれど
知れてよかった事実でもある

たらればのない世界
ともに居たかったことが
叶わない世界で
ただそばにいるだけのことで
それだけで良かったんだなぁと
悲しいとか悔しいとかでなく
しみじみと思えた

それはいまともにいる人にも
できること
説明だの弁解だのは
必要なくて
ただいまをともに過ごすこと
時間を共有すること
なにかをしなくても
隣にいること
それだけで充分で
生きている意味がある
ともにいる意味にもなる

いまを生きる意味を問いがち
ともに過ごす意味を探しがち
ただ いまある形で
存在しているだけで
それでいいんだなって
思えることは
わたしたちには救いである

ねこはそういうものだ
いてくれるだけで充分
ねこが教えてくれることは
たくさんあります
人は人にいろいろ求めてしまう
お金とか愛情とか言葉とか
その他もろもろ
きりのない欲
根源的には
いるだけでいいのにね

目くらましに合うとき
そもそもに戻りたい
なにがほんとに大切かとか
いろんなもやでわからなくなる
でもさ
生きてたら大丈夫って
思いたい
生きつづけてたら
それだけで充分で
前も上も関係なく
いまこの場を味わいたい

もっとそばにいればよかった
ともにたたずめばよかった
もったいないことをしたものだ

これからは味わおう
そばにいることは奇跡
いつかみんな死ぬのだから
いまはいまだけ

今日もありがとう