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明確にある『プロ』と『アマチュア』の違い

芸能事務所に働いて10年以上が経ちます。この仕事をしていると、プロとアマチュアの違いが明確に分かってきます。最近この体験をしたので、文章にして纏めようと思います。

「プロ」とは何か?

「何故、この会社がテレビの仕事をしているのか?」「何故、映画を制作している会社は同じなのか?」。テレビや映画などのクレジットを見ていると疑問に思ったことがありませんか?
「勿論、それを専業に仕事をしているから、仕事をしているのでしょう!」という回答が来ると思いますが、それだけでは間違いです。

それでは、何故同じ会社ばかりが、その仕事をしているのかを解説したいと思います。
※その会社が映画に出資をしている、もしくは、テレビ局の関連会社などの「現場以外での理由」は今回は置いておきたいと思います。

一つの仕事には沢山の会社が関連しています。
制作、映像、音響、照明、芸能プロダクション、営業、宣伝、スポンサーなど、会社にはそれぞのルールや考え方があります。その為、こうやって多くの会社が集まった時には、自分達のルールだけで仕事をしていては成立はしません。
他の会社の事情も理解した上で、それぞれが動くことで「仕事」は成立しています。「あの会社は、ああいうルールで仕事をしているから、ここは無理を言わないでおこう」や「あの会社では、これが出来ないから別のところに頼んでおこう」など、事前に先回りをすることも出来るので、摩擦を起こさない取り組みが行われています。

ここに新しい会社が入った時に起こることが、他の会社の事情を知らずに自分達のルールで仕事をする事です。そしてトラブルが起こります。
こういうことが起きてしまうと「新しい会社と仕事をするより、いつもの会社に頼んでいる方が安心だ」と思ってしまいます。大事なのは「安心出来る仕事」なのです。

『プロ』と『アマチュア』の違い

最近、予算の都合で動画の編集を新しい会社に頼むことにしました。
すると、今までに起こらなかったトラブルが続出しました。
例えば、仕事のクオリティーもそうですが、情報のコントロール・外部に漏らしてはいけない情報をSNSに書いていたりと、いつも頼んでいる制作会社では絶対に起こらなかったトラブルが起きます。

いつも当たり前に頼んでいたことが、この会社には通用しません。「最初だから仕方ない」という考え方もあるかもしれませんが、私が思ったのは「こんなことになるなら、いつもお願いしているところに頼むべきだった。予算を気にして無理に作るよりもやらない選択も必要だったのでは…」です。

芸能の仕事をしていると『信頼』は非常に大事なキーワードになります。それは、タレントからの信頼だけでなく、ファンの方、クライアントなど沢山の方が関わっている仕事だからです。そういった人達を失望させるぐらいなら、やらないという選択も必要になります。それぐらい、この仕事には『信頼』は大事になってきます。

私が思うに、プロで無い人ほど、この『信頼』を甘くみていると思います。逆に、プロはここの大切さを1番気にして行動していると思います。

では何故こんな事が起きるのか解説していきたいと思います。

『プロ』に頼む理由

※これから書く事は私なりの解釈なので間違いもあるかと思います。

テレビ・映画・CMなどをやっていくと、大きな仕事になればなるほど、しっかりとした会社が仕事に入っている印象があります。結局、キチンと仕事が出来る会社が、そういったところで仕事をしているのです。

逆に、それよりも企業的、社会的評価が低くなる媒体や仕事になればなるほど、スタッフのクオリティーも下がっていきます。結局、仕事の大きさとクオリティーは比例します。
要するに、プロの仕事を知らない人は、周りにプロの仕事をしている人がいない為、その会社にとっての当たり前が「プロの世界」では通用しないのです。

タレントのプロとアマチュア

タレントも、有名になればクオリティーの高い仕事現場を経験出来ますが、無名になればなる程、クオリティーの低い現場を経験する事になります。
無名タレントの間は、本当のプロの仕事を見ることは少ないと思って下さい。それぐらい、雲泥の差があります。

もし、タレントが有名になる過程で自分のルールや価値観だけで仕事をしていると、必ず、プロとの壁にぶち当たります。今までプロの仕事を知らなかったから仕方ありません。

その日が来るまで、あなた自身が周りに影響されず、自身でアンテナを張って、成長していく事を応援します。



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