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Speak,Easy.

まだ語られない言葉があるなら


斉藤和義の歌うたいのバラッドに、こんな歌詞がある。

嗚呼 唄うことは難しいことじゃない
ただ声に身をまかせ 頭の中をからっぽにするだけ

上手く歌えないと恥ずかしい。
近所迷惑にならないだろうか。
なんなら、歌が上手いって言われたい。

歌うことそのものよりも、
周りから自分がどう見られるのか、ということは、
エゴサしたくなるほど気にするのに、
さっきすれ違ったサラリーマンのおじさんの見た目なんか、
全く覚えちゃいない。


この歌にはもう少し続きがある。

嗚呼 唄うことは難しいことじゃない
その胸の目かくしを そっと外せばいい

たぶん僕たちが自分のことばかり気にするのは、
他に何も見えていないからだろう。
自分の周囲にあるものが少しでも見えれば、
何かを思わずにはいられなくなる。

山の上から見下ろす湖に朝日が映れば、
心が動いて言葉を言わずにはいられなくなる。
誰かに同じ景色を見せたくて写真を撮りたくなるだろうし、
写真が撮れなかったら、
どうにかしてこの景色の素晴らしさを伝えたいと思うだろう。

つまり、
僕たちにはまだ語られない言葉や、
歌われない歌があるということだろう。
きっとそれは喜怒哀楽に満ちたカラフルなものになるだろう。
見たこと、感じたことをそのまま表せばいいのだから。
まだ語られない言葉があるからこそ、
僕たちは明日を待ち望んで生きていられるんだろうと思う。


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