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piece 6:デイリーアウトラインの運用② 仮アウトラインと仮サマリー

デイリーアウトラインづくりの続き。「デイリーアウトラインの運用① フリーライティング」でフリーライティングした今日のイメージをアウトラインにする。

どういう順番でもいいけれど、ぼく自身はベタ打ち状態のまま見出しをつけていき、後から階層化・並べ替えすることにしている。操作は一度にひとつに絞るのがコツだ。いろんなことを同時にやろうとすると収拾がつかなくなりやすい(まあ、この程度の分量なら同時にやっても大丈夫なのだが、分量が増えるほどこの原則は重要になる)。

フリーライティング全文

前回フリーライティングした内容を再掲する。思いついたままのベタ打ちになっている。

14:30にDさんとMプロジェクトの件でZoomミーティング。
Mプロジェクトについていくつかの懸案をクリアにする。
外注費をどのくらいかけるのか。
費用の分担はどうするか。
売り上げの配分は前回のプロジェクトのままでいいのか。
つまりお金の話だ。
自分としては費用も売り上げも半々にするのがいいと思う。
細かく配分を決めると、自分の比率はこの程度なのだからここまでやることはないか的な思考が発生しやすい。
結果的に質を下げることになる。
契約の関係なら厳密に決めるべきだが、個人と個人の信頼関係にもとづく仕事なのだから。
万が一その信頼関係が壊れるようなことがあればどうすればいいかも自明だ。
もちろんそういうことはないはずだ。
信頼関係というのは「失敗」したぐらいでは壊れない。
原稿Tを関係者に共有しておきたい。
できれば今日中に目処はつけておきたいので午前中はその作業をする。
だいたいできてるのだがどうも今ひとつすっきりしない。
こういうときはプリントアウトして読みながら流れを検討する。
1時間から2時間ぐらいあればいいだろう。
起きてコーヒーをいれたらデスクに直行してやる。
できれば朝食前に。
プリンタのインクカートリッジを買っておく。
ついでにコピー用紙も。
ミーティングの後は集中力がないので頭を使わない作業を。
来月から始まるN社からの依頼案件のタスクを整理しておく。
先週の打ち合わせメモから起こす。
去年の案件と内容は似ているので、そのときのExcelシートをベースに作業用シートを作っておく。
仕事ばっかりだな。
もう3日もまともに外に出ていない。
さすがに煮詰まってきたので夕方散歩を兼ねて買い物に行く。
Tomo.さんの都合がつくならいっしょに散歩に出て買い物は別々の店へ。
重いものとかさばるものを担当する。
お米がなかったはず。5kgのを買う。
コーヒーをテイクアウトして公園で飲む。
N社の作業は今の段階ではそんなに頭使わなさそうなので、余力があれば夕食後にちょっと手をつけておく。
昼間にお菓子を食べながらのんびりする。
Dさんとのミーティングの後30分。
そのあと眠くならないようにすぐ買い物に出かける。
夕食後はただちにお皿を洗う。

見出しをつける

内容の区切りごとに見出しをつけていく(冒頭部分のみ)。

14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
14:30にDさんとMプロジェクトの件でZoomミーティング。

目的
Mプロジェクトについていくつかの懸案をクリアにする。

外注費
外注費をどのくらいかけるのか。

費用分担
費用の分担はどうするか。

利益配分
売り上げの配分は前回のプロジェクトのままでいいのか。

こちらの考え方
つまりお金の話だ。
自分としては費用も売り上げも半々にするのがいいと思う。
細かく配分を決めると、自分の比率はこの程度なのだからここまでやることはないか的な思考が発生しやすい。
結果的に質を下げることになる。
契約の関係なら厳密に決めるべきだが、個人と個人の信頼関係にもとづく仕事なのだから。
万が一その信頼関係が壊れるようなことがあればどうすればいいかも自明だ。
もちろんそういうことはないはずだ。
信頼関係というのは「失敗」したぐらいでは壊れない。
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階層化する

ひと通り見出しがついたら、インデントして階層化していく。以下は文章部分のみを一階層下げて折りたたんだ状態。

14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
目的
外注費
費用分担
利益配分
こちらの考え方
原稿Tの構成再検討(朝コーヒー)
プリントアウト
プリントアウト書き込み2時間
プリンタ関係消耗品をAmazonで購入
N社依頼案件
メモからタスク書き出し
Excelシートを作成
作業に手をつける
散歩と買い物
買い物分担
ふたりで散歩
買い物
昼お菓子(夜ルーチン早回し狙い)

さらに構造を意識して階層化した状態。「外注費」「費用分担」「利益配分」の各項目をくくる「アジェンダ」という項目を追加した。だいぶアウトラインらしくなった。

14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
 目的
 アジェンダ
  外注費
  費用分担
  利益配分
 こちらの考え方
原稿Tの構成再検討(朝コーヒー)
 プリントアウト
 プリントアウト書き込み2時間
プリンタ関係消耗品をAmazonで購入
N社依頼案件
 メモからタスク書き出し
 Excelシートを作成
 作業に手をつける
散歩と買い物
 買い物分担
 ふたりで散歩
 買い物
昼お菓子(夜ルーチン早回し狙い)

実行順に組み替える

折りたたむ。

14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
原稿Tの構成再検討(朝コーヒー)
プリンタ関係消耗品をAmazonで購入
N社依頼案件
散歩と買い物
昼お菓子(夜ルーチン早回し狙い)

「思いついた順」のままになっているので実行順に並び替える。

原稿Tの構成再検討(朝コーヒー)
プリンタ関係消耗品をAmazonで購入
14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
昼お菓子(夜ルーチン早回し狙い)
散歩と買い物
N社依頼案件

仮サマリーを作る

仮アウトラインができたら仮サマリーを書いてみる。これは必ずしもマストではないれど、後々意味が出てくる。

サマリーのスタイルにはいろいろある。文章を書くためのサマリーなら全体の流れやロジックの展開を一文で書いてみてもいいし、意図と目的を表現してみてもいい。「一日」のサマリーも状況と好みによっていろいろ考えられる。この日のサマリーは以下のようになった。

自分の作業は先にやる。考えはクリアに伝える。生活をゆずらない。

サマリーに見えないかもしれないが、強いて言えば「意図と目的を表現してみる」スタイルだろうか。

デイリーアウトライン

サマリーをアウトラインの上位階層に位置づける。これが今日のデイリーアウトラインだ。アウトライン的には「サマリーで表現したような一日を実現するための6項目」ということになる。

自分の作業は先にやる。考えはクリアに伝える。生活をゆずらない。
 原稿Tの構成再検討(朝コーヒー)
 プリンタ関係消耗品をAmazonで購入
 14:30 Dさんとミーティング(Мプロジェクトの件)
 昼お菓子(夜ルーチン早回し狙い)
 散歩と買い物
 N社依頼案件

実際のアウトライナーの画面(ここではDynalist)では以下のようになっている(サマリーは日付のノート領域に書き込むことにしている)。

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文章で説明すると長いけれど、かかった時間はここまでで30分くらい。日によってはもっとかけることもあるし(アウトラインの中で仕事そのものを進めてしまっている場合が多い)、10分で済ませることもある(選択の余地のないタスクや予定で一日が埋まっている場合が多い)。

タスク+思い=DO

このアウトラインをデイリータスクリストだと思って見ると、やることが少なすぎるように思えるかもしれない。現代の一般的な社会人が素直にデイリータスクリストを作ったら20個や30個、場合によってはもっと多くのタスクが並ぶのは普通だろう。

ひとつにはぼく自身がそんなに忙しくない( ˘_˘ )ということがあるのだが、一日を構成する項目は6個ぐらいがちょうどいいという個人的な経験則でもある。

そして、ここでいう「項目」は正確には「タスク」ではない。下位項目を含んでいるからだ。だから実際のタスクとしては見た目よりもずっと多くなる。

下位項目はいわゆる「サブタスク」とは限らない。フリーライティングとして書き出された背景やら考え方やら願望やらさまざまな「思い」がそこには組み込まれている。その行動はなぜそこに書かれているのかが説明されているのだ。

このようにタスクや行動についての思いが渾然一体となった項目を「タスク」と区別して「DO」と呼んでいる。

現実の制御へ

後はこのアウトラインをデイリータスク(DO)リストとみなして順に実行していけばいい。ここまでがデイリーアウトラインの「理想の制御」の機能だ。

しかし現実の一日は(たいていは)そうならない。ここから先は、デイリーアウトラインのふたつ目の機能、つまり「現実の制御」の機能が起動することになる。仮アウトラインと仮サマリーはなぜ「仮」なのかという話だ。

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