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piece 4:文章を書くようにデイリータスクリストを作る②

6ステップをデイリータスクリストに応用する

「piece 3:文章を書くようにデイリータスクリストを作る①」で紹介した文章を書くための6ステップを、デイリータスクリストに当てはめると以下のようになる。Step 4の「読みながら」が「行動しながら」に、Step 6の「書き続ける」が「行動し続ける」になっただけで、あとは同じだ。

【Step 1】フリーライティングする
【Step 2】仮アウトラインを作る
【Step 3】仮サマリーを作る
【Step 4】行動しながら加筆する
【Step 5】アウトラインを修正する
【Step 6】Step 4〜5を繰り返しながら行動し続ける

【Step 1】フリーライティング

今日はどんな一日にしたいのか、自由に書いてみる。今日という時間の過ごし方について頭にあることを抑制せずに、思いつくまま書きだす。きちんとしている必要はないが「文章」として書く。しばらく手を動かしているうちに、やるべきこと、やりたいこと、関連して考えたことなどが芋づる式に出てくることが多い。

【Step 2】仮アウトラインを作る

フリーライティングを踏まえて今日一日の仮アウトラインを作る。文章を書くときと違って精度や一貫性は必要とされないので、たいていはフリーライティングに見出しをつけて実行順に組み替えるだけで充分だ。この仮アウトラインがデイリータスクリストに相当するものになる。

【Step 3】仮サマリーを作る

今日はどんな一日なのか。そのイメージを一文(あるいは数段落程度)で書いてみる。できたサマリーによっては仮アウトラインを微修正する必要があるかもしれない。

【Step 4】行動しながら加筆する

仮アウトラインをタスクリストとみなして行動する。あるタスクが想定外に複雑だったり割り込みが発生したりしたら、その都度アウトラインに加筆していく。タスクでなくても、何か思いついたらタスクに交えて加筆してしまう(これを「メモ」という)。

【Step 5】加筆した結果に合わせてアウトラインを修正する

追加タスクを踏まえ、アウトラインを現実に合わせて組み替えていく(一日の時間には限りがあるので、新しいタスクが増えていけば当然すべては収まらなくなる)。あふれたタスクはアウトラインの末尾に設けた「できれば」という項目(文章のアウトラインでの「未使用」に相当する)に落とす。

【Step 6】Step 4〜5を繰り返しながら行動し続ける

Step 4〜5のプロセスを一日が終わるまで繰り返す。仮アウトラインは仮のまま変化を続ける。一日の終わり、「仮」が取れたアウトラインとその内容は日記(のような何か)になる。

理想の制御と現実の制御

上記のようなステップで作られる(デイリータスクリストとしての)アウトラインを「デイリーアウトライン」と呼ぶことにしよう。

デイリーアウトラインは2つの機能を持っている。「ありたい今日」をクリアにする機能と、状況の変化(降りかかってくる新たなタスク、割り込み)をさばく機能だ。理想を制御する機能と現実を制御する機能と言ってもいいかもしれない。6ステップには以下のように対応するだろう(そう、これはただの箇条書きではなくアウトラインだったのだ)。

理想の制御(今日のイメージをクリアにする)
 【Step 1】フリーライティングする
 【Step 2】仮アウトラインを作る
 【Step 3】仮サマリーを作る
現実の制御(降りかかってくるタスクをさばく)
 【Step 4】行動しながら加筆する
 【Step 5】アウトラインを修正する
 【Step 6】Step 4〜5を繰り返しながら行動し続ける

理想の制御と現実の制御というのは、文章を書くためのアウトライン・プロセッシングでまさにやっていることだ。理想にもとづいて作ったアウトラインに現実を組み込んで制御し、可能な最善のアウトプットにつなげていくためのツールがアウトライナーであり、そのための技術がアウトライン・プロセッシングだ。

負担と価値

文章を書くときと同様、この手順を律義にすべて実行する必要はない。特に毎日のことだから、アウトラインを作る負担が大きくなりすぎたら元も子もない。

ただ、この作業に毎日ちょっとの時間をかけることにはたしかに意味がある。ぼく自身は、平均すると毎日30分程度かけているし、それだけの価値はあると思っている。

次回からは実際にデイリーアウトラインを作りながら考えてみよう。

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