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【アウトライナー関連書籍】中野明『マック企画大全―ホワイトカラーの仕事革命』

「アウトライナー関連書籍」シリーズでは、現在入手が難しいものも含めて、アウトライナーを深く知るための書籍を紹介していきます。かつて「Happy Outlining」というサイトで公開していた記事のリライトが中心ですが、その後新たに出版されたものも含めて紹介していく予定です。

第5回はこちらです。

中野明『マック企画大全―ホワイトカラーの仕事革命」日経BP社、1996

例によって詳細目次の紹介です。この種の本の目次としては本当に「詳細」で、まさに「アウトライン」です。

はじめに パソコンを考える道具にしたいすべての人へ
第1章 企画とアプリケーション・ソフト
 1-1 まず企画について考える
  企画マン・タッカー
  企画とは何か
  企画をさらに分析する
 1-2 企画の手順とアプリケーション・ソフト
  企画の手順
  企画とソフトの関係
第2章 アウトラインを作る
 2-2 アウトラインを理解する
  アウトラインって何だ?
  アウトラインはこうやってできている
  強力な武器、アウトライン・プロセッサー
 2-2 クラリスインパクトのアウトライン機能
  アウトライン作りの実際
  拡散思考と集中思考
  アウトラインは成長する
 2-3 Acta 7を使ったアウトライン
  Acta 7の基本操作
  Acta 7で作るアウトライン
第3章 データを集める
 3-1 情報収集のテクニック
  知の倉庫「ナレッジストア」
  インターネットは「情・宝・庫」
  大きな誤解
 3-2 インターネットを120%活用する
  wwwによる情報収集
  「Yahoo」を使った情報検索
  ダウンロードも自由自在
  企画に役立つ情報がこんなにある
  よく行くサイトはブックマークに登録
 3-3 オンライン・データベースにアクセスする
  「日経テレコンBiZ」を活用する
  新聞記事検索
  新聞記事のFAXによる入手
  統計データ検索
  表計算ソフト「Excel」を利用したグラフ・表の作成
  書籍検索
  なぜデータベース作りは難しいか
  カード型データベース・ソフト「ファイルメーカーPro」
  企画のためのデータベース「Planning DB」
第4章 発想する
 4-1 アイデア発想のウォーミングアップ
  パソコンは賢者の石
  アイデアはいつ浮かぶのか
  300種類もある発想法
 4-2 アウトラインによる発想法
  情報を整理する
  トピック発想法
 4-3 既存の発想法をマックに応用する
  「NM法」で問題解決策を発想する
  アイデア・プロセッサー「インスピレーション」を使う
  NM法をインスピレーションに応用する
  まだある発想支援ソフト
  コンセプトを設定する
  コンセプト設定の一例
第5章 企画書を作る
 5-1 企画書に関する基礎知識
  企画書が書けない……その原因は
  分かりやすく企画書を書くために
  企画書を構成する要素
  企画書作りのステップ
 5-2 企画書クイック作成法
  ページへの割り振りを考える
  フォーマットを素早く作る
  図解を用いる前に
  ライブラリー、再び登場
  表の作成
  フローチャートの作成
  スケジュール表の作成
  企画書、完成する
 5-3 専用ソフトを使いこなす
  Acta 7によるアウトラインの最終整理
  ページ・レイアウト・ソフト「QuarkXPress」
  QuarkXPressで作る企画書フォーマット
  編集の基本テクニック
  QuarkXPressによる編集の実際
  QuarkXPressによる図解の実際
  まだある便利な機能
  専用ソフトを用いた図解
  表の作成
  グラフの作成
  チャートの作成
  イラストレーションの作成
  便利なツールたち
  コンセプト・マップの作成
  企画書例
第6章 プレゼンテーションする
 6-1 プレゼンの新手法DTPR
  展示会はプレゼンテーションの宝庫
  ビジネス現場のプレゼンテーション
  DTPRの特徴
 6-2 クラリスインパクトのDTPR機能
  2日もあれば十分です
  クラリスインパクトによるDTPR
  表紙を作成する
  本文を作成する
  プログラムの再生
 6-3 プレゼンテーションは進化する
  DTPRソフト「Adobe Persuation」
  DTPRの作成手順
  ネットワークがプレゼンテーションを変える

ビジネス現場でのアウトライン・プロセッシング

著者の中野明氏は幅広いジャンルで活動するライターであり、いわゆるビジネス実用書の中でアウトライナーの意味と使い方のノウハウを継続的に紹介してきた数少ない書き手でもあります。

本書の出版は1996年。「アウトライナー関連書籍」シリーズで前回紹介した『マックユーザーのための「知」のコンピュータ活用術』とほぼ同じ時期です。

本書は一言で言えば「マックを使った企画作成術」。オリエンテーションから発想、データ収集、構成の検討、そして企画書の完成までのプロセスの中で、マックと各種ツールをどのように使うか紹介しています。そしてそのツールとしてアウトライナーが大々的にフィーチャーされています。

ビジネスの現場でのアウトライン・プロセッシングについてここまできちんと解説している本はあまりありません。個別のアプリの使い方や、インターネットでの情報収集のテクニックなどは今となってはさすがに無効ですが、発想し、企画し、企画書として完成させていくノウハウは今でも十分通用する内容です。というよりも、昔も今も類書は存在しないと思います。

個人的には、ライティング分野でのバイブルが奥出直人の『思考のエンジン』だったとすれば、ビジネス(というか、会社でのオシゴト)分野でのバイブルが本書でした。

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