空飛ぶタイヤ
池井戸潤さんの小説は、いくつか読んでいるのですが、その中でも、この空飛ぶタイヤは、ドラマ化・映画化もされて好きなタイトルです。
実際にあった、大企業のリコール隠しを基にしたストーリー。
トラックのタイヤの脱輪、死傷事故から整備不良を指摘され、業務上過失致死の嫌疑をかけられた、運送会社。調査報告に納得のいかない社長が独自で調査を続けるうちに、大手自動車会社の隠蔽体質やリコール隠しの疑惑が明らかになっていく。
池井戸さんの小説では、中小企業 VS 大企業 という構図が多いですが、このお話も、中小企業の熱血社長が大企業に挑む話となっています。
現実で起こった話がモチーフであることから、いくら大企業とはいえ、情報の隠蔽や捏造、不正をもみ消すようなことって実際あるのだな〜と感じます。
もちろん、大企業だと関わる人が多すぎるので、隠し通せないことだと思いますが、中小企業にとっては、それに巻き込まれて、踏みにじられ、再起ができないということもある話だと思うと、胸が痛いです。
池井戸さんの物語では、中小企業が逆転勝利で、痛快な企業ドラマとなっています。もちろん、そうであってほしいというのが小説。
ただ、現実では、大きな力の前に、屈して、無力さを感じている中小企業もたくさんあることでしょう。
勝てば官軍とか、勝ったほうが正義、というのは世の常ですが、正しい行いをしたほうが勝つ、というものであってほしいですね。
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