◎百足の草鞋/狂乱!京阪神怪獣往来編
暑い、熱い怪獣の夏が終わった2014年。怪獣映画と怪獣関連のイベントが怒涛の如く押し寄せてきた季節。でもこの年は、それだけではありませんでした。
その年の9月に、足繁く通っていた寝屋川キャスト社で開催されるた『第四回権威なき怪獣映画クイズ王決定戦』があり、その出場者として呼ばれました。どんなクイズ大会か? 以下当時のブログから抜粋。
『歌と踊りを覚えよ』という主催者さんの言葉通り、当日の朝まで、とにかく踊りのある怪獣映画を見まくった。振りも何とか覚えた。ついでにジェットジャガーのゴジラ誘導サインに、宇宙怪獣ガメラの平和星人の変身ポーズ、ガメラ対バルゴンの鬼畜・小野寺の乱闘場面、そしてモゲラで特攻をかける柄本明の絶対操縦方法を知らないだろうヤケクソ気味な手さばき等々を何とか頭に叩き込んだ。まるで試験前の中学生だ。浴びるように怪獣映画を見たので『あぁ、もう俺怪獣好きじゃないかも』と思ったりもした。
珍しく勉強してました。怪獣映画の知識だけじゃない、絵心の有無、歌って踊れるかが試されるのです。恐ろしい。こんなイベントがこれまでに3回も開催されていたことが脅威でした。
そして本番。
・いつもは和気あいあいとトークを繰り広げる寝屋川キャストさんは、40人近いお客さんでいっぱいになっていた。全部男。
・『珍ポ』が連呼される会場内、基礎知識クイズからしばらくして『DVD見てきたけど、そんなものは役に立たないんだ』ということに気づいた。
・千田是也クイズ、惜しかったなあ。今回唯一、惜しいと思った問題でした。
・そしてお絵かきクイズから狂気の度合いが増していく。もう知識なんかどうでもよくなってきているあるのは怪獣に対する『愛』だ。愛があれば、絵も描ける、怪獣パントマイムも何とかこなせる! よく考えたら、ほとんど、というか全く打ち合わせもなくひたすら拷問のように回答者にムチャ振りをする、クイズに名を借りた公開処刑演芸大会だ!
もう、ことあるごとに誰かが珍ポと叫んでる!
ブログから抜粋しましたが、何があったのかよくわかりませんね。文章中に出てくる『珍ポ』とは、海外の日本怪獣映画のポスターがあまりにも変てこなので、その前年辺りからネットで拾ってはSNSで紹介していたのです。ふだん15人ぐらいでいっぱいいっぱいのキャスト社談話室に40人、ほぼ酸欠状態でした。小さな壇上で無我夢中だったような気がします。
クイズ大会の後は夏に公開されたギャレスエドワーズ監督『ゴジラ』の感想大会。その道の猛者がそろっていましたので、隅っこで小さくなって話を聞いていたような気がします。
9月のみなみ会館『大怪獣大特撮大全集』は『宇宙からのメッセージ』『惑星大戦争』の和製スターウォーズ2本立て。『宇宙からの~』はややフィルムが赤くなってましたが、それでもほぼ満席でした。
10月は『獣人雪男』『ガス人間第一号』の人であって人でない2本立て。これまた未ソフト化の雪男のせいか、満席でした。
そしてその月、突如兵庫県の塚口サンサン劇場で『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』を週替わり公開。これはスタントマンを主人公にした『イン・ザ・ヒーロー』公開記念ということで、アクションスター、スーツアクターを特集、という趣旨だったようです。きれいなシネコンといった感じのサンサン劇場で見る怪獣映画。他にも『燃えよドラゴン』も上映予定だったのですが、こちらは時間の都合で断念。
さらに11月のみなみ会館は平成プラス昭和再び、ということなのか『ヤマトタケル』『妖星ゴラス』の古代ファンタジー&近未来SFという対極の位置にある2本立て。
これも平成怪獣映画、ということで次男を誘っていきました。巨大なヤマタノオロチのソフビを担いでロビーにデン、と置かせてもらいました。何を考えていたのでしょうか。
11月はほかにも淡路東宝で『ゴジラ』最終上映を。商店街にある、昔のながらの大きな映画館でした。怪獣のためにどこにでも飛んでいきました。まるで学生時代のようです。
そして翌月はその年三度のイベント登壇『三和市場まつり』で、珍ポスターについてのあれこれを話しました。
国内の珍ポ、怪獣映画地方版の誤植などを突っ込みつつ、海外編へ。ひたすらゴリラ、イタリアの怪獣映画ポスターのゴリラ率の高さに、会場はどんよりしていたのではないかと思える。遂には、どんなでたらめなポスターも広い心で受け入れられるようになるから不思議だ。珍ポは人の心を癒す効果もあったのか。まさか、イタリアの映画人はそこを見越して……るわけはない。(ブログより)
師走のみなみ会館は年末恒例の『京都怪獣映画祭NIGHT』で『ガメラ大怪獣空中決戦』『キングコングの逆襲』『ゴジラ対メカゴジラ』のカメ、メカ、メカの3本+16ミリフィルムで『ウルトラマン80』という豪華ラインナップ。『ガメラ』から藤谷文子さんがゲスト登壇されました。
捕捉すると、その年の5月にはなんば高島屋で『円谷英二特撮の軌跡展』6月には『ゴジラ』第一作目が4kデジタルリマスターで全国公開、という日本全国がゴジラの再襲来を待ち構えていたかのような、怪獣漬けの一年でした。
そして当時のブログには
最後にいつものように館長さんに『今年はありがとうございます、お世話になりました』というと『来年もありますよー』。
そう、来年もあるみたい。こりゃ困った。
全然困ってません。2015年も京都と寝屋川を中心に動いていくのです。それは次回。
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