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◎百足の草鞋/快適!京阪寒獣超集合編

 少し、どうでもいい訂正。12月の超大Rは引っ越しの前に行われていたようです。で、その超大Rは『怪談雪女郎』『百夫人の妖恋』の二本立て。

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『雪女郎』はご存じ『雪女』のお話をストレートに映像化。同じ題材では小林正樹監督の『怪談』もあるけど、こちらは大映のスタッフが作り上げたファンタジー時代劇。大映時代劇特有の空気感、セットの重厚さはそのままに、怪談というより悲恋物語。滑るように雪山を移動する雪女の妖怪演出が怖い。

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 『白夫人』は白蛇の化身が人間に恋をして……こちらも人とと人ならざる者の悲恋を描いた作品。クライマックスで展開される円谷特撮がもちろん、このプログラム的にはキモなんですが、カラッとしたイーストマンカラーで描かれる宋時代のセットの絢爛っぷりやクズな池部良、おきゃんな八千草薫が見ていて楽しい。(ブログより)

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 みなみ会館ロビーにもクリスマスツリー、そしてそこにはゴジラが。いよいよ年末、という感じです。とにかく年越し前に引っ越しできて何よりでした。一戸建てから団地へ。小さいながらも一人暮らしには十分で、立地もいいし、新生活が楽しくなって一日中家にいることもよくありました。でも、翌週もみなみで『ゴーストマスター』『クラッシャージョウ』のホラー&アニメのはしご。

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『ゴーストマスター』はとある胸キュン映画の撮影現場を舞台に、映画バカの助監督の書いたホラー映画の脚本に悪しき魂が籠り、次々と人を襲う、という内容。低予算のダメダメな現場、芝居熱心な若手俳優に化け物が取り付き、撮影現場となった廃校に惨劇が訪れる。映画バカと役者バカの想念が悪魔合体し、悪魔を呼び寄せてしまったのだ! 全編を流れるホラー映画愛、というかトビーフーパー愛、いやスペースバンパイア愛。この広い世界で、スペースバンパイヤをここまでリスペクトした映画はない!

 何より驚いたのは、後ろの席に中学時代からの友人がいたことだ。子供も奥さんもいるのに、何見に来てんだ? しかし、人間の好みというのは変わらないものです。

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宇宙の運び屋VS宇宙海賊、ハメられたクラッシャーの汚名返上の戦いと陰謀。思えば今年はNHKでガンダムオリジン、サンテレビでファーストガンダム再放送もあって安彦良和キャラの魅力に触れることが多かった。安彦キャラは、美男美女よりも、どこかくたびれたおっさんたちの表情がいいのです。今回もいい顔したオヤジが大集合。オヤジだらけなので紅一点のヒロイン、アルフィンがものすごく映えるのですな。

 映画自体は正直もうちょっと詰めれるのでは? とは思ったが、あの時の勢い、熱気のようなものが感じられる作品となっていた。あの頃は裏にヤマトと幻魔大戦があって、大激戦だったのではなかったのだろうか。(ブログより)

 友人との再会、じわじわ来るリバイバルの波。そんなムーブメントと関係なし、マイペースの新世界では『二百三高地』『魔界転生』の珍しく長尺作品の2本立て。

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 まずは『魔界転生』。二年前の京都怪奇映画祭NIGHTでも見たし、過去に新世界でも見た、もちろん、テレビ、ビデオ、DVDでも何度も見た、フェイバリット作品。これ以降、何度も舞台化、映像化されてすっかり時代劇の古典となっている。『80年代の映画はもう古典』というみなみ会館館長の言葉と、とある編集さんの『男はみんな魔界転生が好き』という言葉が甦る。ご存じ柳生十兵衛VS天草四郎率いる魔界衆の対決、原作を大幅にカット、というかほとんど別物にして天草四郎をラスボス的位置にし、オカルト+チャンバラの魅力を盛り込んだのが勝因かと思われる。何度見てもラストの豪華での大立ち回りはすさまじい。夜勤明けだったので、途中何度か寝落ちしてしまった。

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そして『二百三高地』80年代、何を思ったのか東映が作り出した戦争大作三部作、その第一弾である。『明治天皇と日露大戦争』でも描かれた旅順攻囲戦を背景に軍部、徴兵された民間人の姿を描く大作。東宝なら特撮で表現するところを記録映像とナレーションで処理し、本題へもっていくのが東映っぽい。メインの旅順戦では死屍累々、膨大な数のエキストラと本物かと思ってしまう砲撃戦が激しい。本物の戦争かと思ってしまうぐらいの迫力。
 仲代達矢、丹波哲郎、三船敏郎等々オールスター勢ぞろい。いい顔したオヤジ、というか軍人顔の俳優さんを集められたのは80年代がぎりぎり最後だったのでは。とはいえ、俳優の顔と名前を覚えるのが苦手なため、ヒロインが夏目雅子だったこと、天知茂がどこに出ていたのかもわからずじまい。大槻ウルフに似たロシア人が出てると思ったらご本人だった。しかし、明治天皇が三船敏郎とは驚いた。強そうな天皇だ。 東映作品だけど、特撮は東宝から中野監督が演出。見事な旅順要塞のミニチュアと違和感のない合成が本編にマッチしていた。東宝だったらもっと特撮カットが増えていたのではないか、と妄想する。(ブログより)

 そして年末恒例の京都怪獣映画祭NIGHT、新生みなみでは初めてです。今回も趣向を凝らしたプログラムでした。

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今回は『宇宙怪獣ガメラ』『ウルトラマン怪獣大決戦』『劇場版超星艦隊セイザーX戦え!星の戦士たち』のヒーローと怪獣がぞろぞろ出る映画に短編怪獣時代劇『狭霧の國』にシークレット作品の計5本。

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 まずは『宇宙怪獣ガメラ』、その前にゲストの平和星人キララ役のマッハ文朱さん登壇。司会の木原浩勝氏、中村哲氏を相手に軽快なトークでガメラのこと、これまでの映画出演歴のことなど。タレント、そして元プロレスラー。客を煽り、沸かせるのが本当に上手でありました。そしてまさかの歌声&変身ポーズも! 完全に場内がマッハさんの色に染まっておりました。マッハ色ってなんだ?  
 サイン会を挟み、映画上映開始。ガメラと歴代怪獣の戦い、当時20歳とは思えないぐらり、凛々しいマッハさんの活躍をやや赤くなったフィルムで堪能。しかし、まとめて見るとガメラの戦法は刺したり引きずり込んだりとえげつないし、怪獣も海にバイラス、ジグラ、大阪にバルゴン、ジャイガー、名古屋にギャオスと、宇宙海賊の采配の悪さっぷりが目立ちました

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 続いて『ウルトラマン怪獣大決戦』。上映前にガイガン山崎氏と見どころトーク。そうか、アメコミ的な解釈で、ウルトラマンの物語も新たな年齢層に再構築する必要があったのか。ウルトラ映画はこの後ゾフィー、タロウの主演作が作られるのも、人気のある順番というのも納得。これもまた再編集映画ですが、冒頭とバルタン星人戦の新撮影パートだけを見る。豚鼻バルタンの対決は思ったほど違和感なくスムーズ、ミニチュアもよく作り込まれていたりと、新発見が見られました。 

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 そして『狭霧の國』着ぐるみ怪獣と人形劇、そして舞台は明治時代という異色作品。霧深い湖から現れる怪獣ネブラはかなりの迫力。ボーイミーツガール、そして村社会のいらしさを織り込みつつも、メインは怪獣の暴れっぷり。どこか哀しく、ブラッドベリの小説『霧笛』を思わせた。

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 そして超星神警察円山剛士氏と上映前トークの後セイザーX上映。なるほど、海底軍艦2といってもいいぐらい轟天号が大活躍。普通、この辺で主役に場を譲るでしょ、でも譲らない。ヒーローも怪獣も勢ぞろいだけど、みなみ会館のゲストトークの司会、聞き役も勢ぞろいだったんですな。

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 最後の最後のシークレット上映は旧みなみ会館を描いたドキュメンタリー『記憶』。見ているうちに旧みなみにいる錯覚に陥り、上映後、一瞬『ここどこ?』となった。

 そして来年のラインアップ発表。外に出るとすでに夜が明けていた。来年もまた怪獣な一年が始まる。京都みなみ会館が怪獣好きの拠り所で本当に良かったと思うのです。(ブログより)

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長々と引用しまくり、引っ越しとみなみ会館復活の年は終わりました。その年の大きなトピックは引っ越しとみなみ会館の復活、それに洗剤でかぶれて睾丸が腫れて、死ぬような思いをしたことです。 いよいよ2020年、元旦からゾンビ、そしてマカロニ! ついに最終回? 



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