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エロスと銭湯、昭和トリプルクロスな週末

 先週末のお話。SNSで気になる人が大阪にやってくる、これは見ておかないと、ということで、大阪此花区にあるギャラリー&書店シカクで行われている吉岡里奈個展『大阪ニューロマン』へ。

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 昭和の雑誌に載ってそうな独特なタッチが特徴的な吉岡さんの個展は、大阪がテーマ。ご本人は神奈川在住なので、あくまでもイメージの大阪なのですが、フェロモン垂れ流しなお姉さんやギトギトしたおっちゃんたちは大阪以上に大阪な感じがしました。大事なのはイメージなのです。時としてイメージが現実を凌駕するのです。

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 ギャラリーには吉岡さんも在廊されていたので少しお話を。この昭和タッチで怪獣口絵なんか描いたら面白そうですよ、とか、石原豪人さんのこととか。

 続いて心斎橋のギャラリーソラリスへ。写真家マキエマキさんの『空想ピンク映画ポスター展』へ。会場のある大阪農林会館がまた、レトロな建物で、実にそれっぽい雰囲気を醸し出していました。

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 マキエさんが自撮りした昭和ピンク映画っぽいポスター展で、なかなか雰囲気が出ていました。小学生の時、なんとなく見てはいけないような気がしていた電柱に貼られたポルノ映画のポスター、あの感じです。こちらもマキエさんが在廊されていたので、お話を。写真集を読んでいると、なんだか本屋でエロ本をこっそり立ち読みしていた中学生の頃を思いだしました。吉岡さんとマキエさんの昭和テイストのエロは、なんというか『雨風でカピカピになっている空き地のエロ本』という感じがしましたので、ご本人たちにもその旨を伝えました。『エロい』って言葉は簡単すぎて褒めてるように聞こえないですな。

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 昭和のエロ(っぽさ)に浸った翌日は『スーパー戦闘純烈ジャー』へ。特撮番組出身者が多いムード歌謡グループ、純烈が再び変身、純グリーン誕生と巨大温泉組織との戦いを描くヒーロー作品に。本来のファンも大満足な歌の数々にミュージカル、そしてニチアサテイストの戦闘シーン、ちびっこから高齢者まで楽しめる、まさにこれこそがスーパー銭湯のような役割を持った映画でした。長年東映特撮作品を手掛けてきた佛田洋監督の本編デビュー作、ということもあって、全編に細かすぎるほどの東映作品へのオマージュがちりばめられていたのも嬉しいファンサービスでした。『トラック野郎』を思わせる下品なギャグとメロドラマ、そして特撮。東映という映画会社を全て現わしているかのような作品でした。続編も決まったということなので、次回はぜひロボと着ぐるみ怪人!

 エロで始まり銭湯で終わる、そんな連休の週末でした。


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