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◎百足の草鞋/再臨!京都快獣蹂躙編


 コロナ禍で、家にいることが多いのではじめた、この過去を振り返ってるシリーズも、ネタ切れの呟きや写真のみを含めて1ヵ月続きました。引きこもり生活もそんなになったのか、と思うのですが、実は表の仕事上、頻繁に職場に向かっているのでそれほど引きこもり感がない、ただ世間の流れに乗って引きこもりっぽいふりをしている、なんちゃってステイホームなんです。と、いうことは前にも書いたかもしれませんが、早くこの連載も2020年、現状に追いついて終わりにしたいと思っています。

 それとコロナと関係ない話ですが、団地で長男と二人暮らしを始めてから、いやそれ以前から早寝早起きの習慣がついていて、午前中に用事済ませないと午後からだらだらしてしまうようになってしまったのです。なので、この文章も実は午前中の頭がはっきりしているうちに書いているという次第です。モノカキの端くれとして、それはいいのかどうか、ですけど。
 
 さて。2017年、隔週でやってくるイベントが終わり、そして秋へ。記録、というか当時のブログを見てみると映画を見た感想文しか書いてないので、日常どう過ごしていたのかよくわからない。でもたぶん、仕事行って映画見て古本屋かリサイクル店回って……とあまり今と変わっていない気がします。

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 9月もシネコンで映画を見たりしつつも京都みなみ会館の超SDXへ。もちろん、2015年から続けている新聞記事も書いています。
 この月は『フランケンシュタインの怪獣・サンダ対ガイラ』『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』の1966年公開作品。一見漠然とした組み合わせのように見えますが、どちらも怪獣の食人描写、人類対怪獣の攻防が丁寧に描かれたりと共通項の多い作品。もっとも、バルゴンのほうは『人工ダイヤを食おうとしたら人間がついてきた』ので、好んで人間を食べてるわけではありませんが。

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 毎回、ロビーに張り出される資料はみなみ会館常連の有志の方によるもの。てっきりスタッフの方がやっているものだと思っていました。

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 10月は『宇宙人東京に現る』『地球防衛軍』の宇宙SF2本立て。秋の京都は宇宙映画、というパターンが固まってきました。そして、もう一つのイベントが。

 で、これで終わればよかったんですが、翌日はババジラジオ京都SP。あの、特殊イベントをみなみ会館の一階で行うというのだ。特に何か記念的なことではなく、単にスケジュールが合わなかっただけ、という単純な理由。
 雨の中、10人ぐらい、いつもの顔ぶれが来てくれればいいだろう、なんて思っていたら、30人近いお客様。特にテーマもなくダラダラしゃべるだけなのに、申し訳ない。
何とかお下品な方向にはもっていかず、しごく真っ当にトークを終わらせることができた、と思う。こんなイベントもいつのまにか2年、長かったなあ。(ブログより)


 やっているほうがいうのもあれですが、なぜにおっさん二人のダベりに付き合ってくれる方が多いのか、有り難いことでもありますが、不思議でもあります。毎回、入場には300円の怪獣くじ一回、読んでも放送されないお便りにはこちらからもらって困るものをプレゼントというルールはいまだに変わっていません。

 そして11月へ。と、その前に限りないウルトラ大全集のチャレンジ魂、と申しますか、8月に終わったはずのウルトラ大全集の派生イベントが月末行われました。今回は、快獣ブースカ!

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 場所はおなじみ京都みなみ会館、ゲストは満田かずほ監督に快獣ブースカ。しかし、先週に続き週末に限って台風が接近。当日はあいにくの雨模様。どれぐらいのお客さんが来るのだろうと会場へ。(ブログより)

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 会場へ着くとおなじみキャストさんと円谷プロの担当さん、それに物販のクレイジーバンプさんといつも以上に大所帯。そんな中、元パチンコ屋である、廃墟と言ってもいいかもしれない会場を興味深げに歩いている高齢の男性。あ、満田監督だ! 初期ウルトラの演出を手掛けられたレジェンドがもう、先に来られていた! いつもなら会場に着いてから、ゲストさんをお迎えに上がるパターンだったので意表を突かれてしまう。それに大雨のため、みなみ会館を控室にするのも困難という判断らしい。会場後ろに仕切りを敷いて、そこで軽く打ち合わせ。(ブログより)

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 そして開場、くるわくるわ、大雨の中、それでも満田監督&ブースカに会いたいファンの方々が! しかもちびっこに女性が多いこと、これもブースカという可愛いキャラだからこそ、かもしれない。本編は見てなくても、動くブースカを見たことがなくても、あのキャラだけは知っている、そんな人もいたはず。(ブログより)

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 いつものごとく、軽くあいさつしてから満田監督、そしてブースカを呼んでフォトセッション。じかに見るブースカはとてもかわいい。いいい年して『かわいい』なんていうべきではないけど、ブースカは本当にかわいい。そりゃ女子人気高いわ、と再確認。なんとこの時ブースカがしゃべった! ブースカさんはさすがイベント慣れしてるだけあって、客いじりも大変上手。でも、頼むからアドリブがとても苦手な自分にだけは振らないでくれ、と事前にこっそりお願いしておいた。

 そしてトーク、コメンタリー上映へ。一年やってきたけど、やっぱり緊張するものです。しかし、満田監督は当時のことをよく覚えておられ、とてもおしゃべりが上手な方なので、大変助かりました。ゲストがたくさん喋って、司会はタダ相槌を打つだけなのが理想だと思っていますので、今回はベストだったかも。
 コメンタリー上映『飛んできた遊園地』は、満田監督チョイスの一本。大作少年のためにブースカが何とか遊園地を作ろうと奮闘するお話。市役所に掛け合うも、けんもほろろに追い返されるくだりは黒澤明『生きる』をおもわせる。なんとか遊園地を作ろうとアルバイトに精を出すブースカ。バイト衣装のブースカがまた可愛い。そして物語は『笑わない男』のお話が絡み、先が見えない展開へ。しかし、そこで物語がうまくまとまっていくのがさすが。いささか強引かもしれないけど、どこまでもファンタジックなお話でした。
 満田監督が何度も上映をストップし、解説してくださるサービス満点な上映会でした。そして上映の後は恒例、サイン会、ブースカ撮影会へ。ブースカと並ぶ時、みんな子供のようにはしゃいでるのが印象的。

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 トーク&サイン会も無事終了、続いては2階の映画館で『アニメちゃん』上映。『アニメちゃん』とは? 1984年公開『ウルトラマン物語』の併映作品で、今までソフト化、再上映、テレビ放送もなかった幻の作品。ブースカ、カネゴン、ピグモンの三大ユカイジュウが人間社会に出て大騒動、という旧ブースカの世界観を引き継いだような作品。『ウルトラマン80』、ガメラシリーズの湯浅憲明監督なので、まじめに面白く子供を喜ばせようと作られている。コメディリリーフの大人たち、そして時代の空気感、流行のギャグを取り入れるセンスが『宇宙怪獣ガメラ』を思わせる。お話はパソコンの故障で実体化したブースカたちがアニメちゃんたちの家に居候になり、家計を稼ぐためにアルバイトに精を出す前半、そしてコソ泥騒動に巻き込まれる後半というパイロットフィルム2話分のような構成。ブースカの声が旧作と一緒(高橋和枝)で、実質ブースカが物語の中心となっているのでこれはもう80年代に作られたブースカの新作と言ってもいいかもしれない、カネゴン、ピグモン、ごめんよ。今からでも遅くない、ブーカーピートリオでまた何かやってほしい。

 小学生と張り合う、年齢が見えないアニメちゃん、いじめっ子の『筋肉を落とした花山薫』のようなムチムチ過ぎる健康優良児っぷり、獅子の瞳をなくした真夏竜のおとぼけ演技、そして漫画家出門英に、怪獣ハンター30年の左とん平、人間の方が怪獣よりも不思議な存在だ。『チャックついてんじゃないの?』というメタなセリフもバンバン出てくる時代のおおらかさ。これが毎週放送されてたら、日本の歴史はまた変わったものになったかもしれない、そんなことを思わせる一本だった。(ブログより)

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 以上、いつものように当時のブログから。結局ブースカには『あれ、司会のお姉さん、いやいやおじさん?』と振られてあたふた、アウアウ。アドリブが苦手なのです、かといって台本があるのも苦手なのですよ。
 
 満田監督とお話していると、ウルトラのレジェンド監督が隣にいるという不思議な感情がこみあげてきて、何も言えなくなりそうに……なるのを監督の軽妙なトークがカバー。コメンタリー上映も異例の『映像をストップして解説』というサービスっぷりでした。
 『アニメちゃん』はリバイバルもほとんどされておらず、その知名度も恐ろしく低い幻の作品。こういう出会いがあるから、このイベントは面白いのです。

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 珍しい怪獣ゲスト、ということで無理を言って写真を撮ってもらいました。本当はあかんのですが、怪獣を前にして我慢できなくなっていたのです。

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 そして翌月もまた、ざわざわ動き出しそうです。 

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