街の取り組みとその効果
ホタテは稚貝を七輪で焼いて、しょうゆをたらして若干香ばしく焼いて食べるのが一番好きです。
元行政経験者で、退職後もその町に住んでいる身としてはどうしてもその町で行われている施策が気になる。
この1年間で一番気になった施策がこちら。
「学校給食でホタテ味わって 50万食、北海道森町が全国に無償提供へ」朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASRB55H21RB5IIPE007.html
先に言うと、僕はこの施策はとても否定的です。いや、「でした。」が、正しいでしょうか。うーん、「ですが~」が、妥当なのかもしれません。
そもそも出荷できないホタテ問題で感じたこと
森町の経済・産業の一部として、水産加工業のみなさんはかなり大きな割合を占めていますし(動いているお金の額も、雇用している人数も、ですね)、問題としてはかなり大きなところだなと思いつつも、生意気にも真っ先に感じたのが「またかぁ」という印象でした。
自身で事業を始めてはいるものの(僕の場合は商品の生産や仕入れがあるわけではないので、置かれている立場は違いますが。)日が浅いですし、経営のアレコレはまだまだ経験がたりないので、その時の経営判断がどうとかは語れません。
ですが、この加工品の不買リスクについては、過去にも数回森町ではあったと記憶しており、その都度、特定の場所にだけの販路などの問題を町の中で話されていたような気がしています。
さらに、そこに対して税が投入されるということは、たとえそれが町の一般財源でなかったとしても、やはり思うところというものがあります。
「いや、わかるんだけどさ」という枕詞が付きながらですが。
それでも、僕自身が会社を運営してなければ、「いや、わかるんだけどさ」すら言えてなかったかもしれません。
町の中や一部の人たちから伝え聞くこと
僕は町内でこういう話をできる友人たち(モリラボ)がいまして、それぞれの考え、良い悪い全部含めて投げっぱなしで話をできる環境にあり、いろんな考えを聞くことでなるほどね、とか、でもそこは納得いかないなとかやれています。
でもこの話、みんなどんな反応なんだろう。
僕は町内でも人付き合いが多いほうでは無い(根っからの人見知り)ので、この問題についてどんな話がされてるのかあと気になっていたのですが、僕の人付き合いのバイアスがかかっている前提ではありますが、やっぱり森町に長く住んでいる人たちだと、なんとなく同じようなことを感じている様子がうかがい取ることができました。
ここで感じるのは、やっぱりリスクヘッジというか、販路も含めてだけど、これ、基幹産業だからみんな(ここでいう「みんな」とは町役場や議会も含めてってこと)で、考えなきゃならない問題なんだよなと思うわけです。
もちろん企業なので、その企業の責任といったらそれまでですが、街という地域を運営していく上では、経済活動も必要なわけですし、そこで雇用を生んでいるのは紛れもない事実なわけです。
税の使い方
ってことは、このようなことにならないように、例えば町のみんなでブランド化をして強くしていくとか、(焼け石に水かもしれませんが)国内販路を少しでも開拓しておくだとか、ほかの国々に対する販路拡大をしておくなど、同じ税を使うとしても、「困ったときにいきなり税を投入し買い上げる」ではなく、なんらかのことを継続的にやったほうがよさそう。
ただし、こういうことをすると、住民感情として、「特定のき企業だけずるい!!」とか「特定の産業だけずるい!!」とか言い始めてしまうのも事実なわけで、なかなかむずかしい。
そういうことじゃない、ちゃんとみんなで考えないとダメなんすよってことを、普段から伝え、自分事として考えていかないと、この町あと何年残るんだろ、残せるんだろって話しになるわけです。
でも、ネガティブ要素だけではなかった
こんな感じで、日々もやもやしてたんですが、そんな中こんな出来事が。
ホタテのお礼にコシヒカリ 森町の学校給食に登場 福島・西会津町が寄贈
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/985122/
京都府亀岡市が北海道森町に恩返し ホタテ無償提供のお返しは、あのブランドもの https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1275836
このほかにも、東京都の足立区さん、北区さん、町田市さんからもお礼や広報などをしていただいている...!
なるほど。こんな効果もあるのかよ。
目から鱗でしたし、なによりも学校給食に提供し、各地域の子供たちに北海道森町のことを知ってもらえ、かつ、お礼としてその地のものを送っていただきそれを食べる。
なんて素晴らしいことなんだ・・・
子供たち全員が覚えていないかもしれないけど、誰かは覚えていてくれる可能性があり、そして、「あの時食べたアレ」として、双方の区市町村出身の子たちが将来交流するかもしれない。なんて胸アツなんだw
災い転じて
いや、ほんとこれは、想像以上に素晴らしい成果だなと感じ、ネガティブ一辺倒ではなかったなと今思えば感じますが、とは言えです。
人間、喉元過ぎると対応を忘れがちになるので、こういう良い面も含めて検証し、これからにつなげていかなければならないのでは?と感じます。
経済効果も含めて、町でデータ出してくれて、それを元に分析、効果やこれからの展望をみんなで考えられたらいいなあ。
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