地域情報化アドバイザー制度の存続のために考えておきたいこと
僕が総務省地域情報化アドバイザーにお声がけいただいたのが2018年。様々な市町村さんに呼んでいただき、アドバイザーと言いつつ、僕自身が数多くの学びをいただくことも多く、双方にとって、とても素晴らしい制度の一つだと思っています。
そんな素晴らしい地域情報化アドバイザー。この度、継続しないこととなりました。決してネガティブなものではないんですが、想いもあり、ちょっと書き留めてみたいなと思います。(記事とは全然関係ないけどトップ画像は北海道駒ヶ岳。いい山だな。)
地域情報化アドバイザーって?
「みなさん地域情報化アドバイザーって知ってますよね?」っていう体で入ってますが、まず、地域情報化アドバイザーというのがどういう制度なのかを調べてみましょう。
自治体が、「こんなことやりたいんだけど、相談する相手がいなくて困ってる。悩んでる。」と言ったことを解決するための制度です。
自治体の悩みって?
地域の情報化≒デジタル化ということでは、市町村内でのSNS活用もそうですし、チャットボット運用どうする?とか、電子契約どうやって商店街に進めていってもらお?とか、市民共同で一緒にアプリ作りとかできないのかな?というニーズもあれば、僕のように実務担当出身だと、役所内部の効率化に関するアドバイスニーズもあるわけです。
たとえば、テレワークってどうやっていくの?とか、ネットワークのセキュリティってどうしていったらいいんだろ?とか。
特にこれからは役所の内部も効率化していかなければなりませんし、なんなら働き方だって今の時代に合わせた形にしていかなければ、「行政」という職業を選んでもらえない時代にもなってきているわけで、ほんと、いろいろと変えていかなければならない時代になっているのでは?と感じています。
(4/19にはこんな記事がでていましたね「宗谷の自治体で中途退職相次ぐ 23年度一般職 専門家「若い世代の働き方とずれ」」)
僕だと結構な頻度で内部的な悩みのケースをアドバイスしてくださいって言われることが多かったです。
自治体、結構こまってる(特に担当さん)
内部的に変化していく上で重要になってくる&担当の職員さんの負担になることってどういうところかな?といえば「ステークホルダーや職員の説得」です。
なので、アドバイザーとしては、職員さんの壁打ちはもちろんですが、研修会という形で、庁内の機運醸成なども守備範囲に入ってくるわけです。
目標はこれ。それを実現するにはこれが足りない。
ってなると、「じゃあ、研修を開いて少し機運情勢をしていきましょうか?」とか、「会議に一緒に参加させてもらえれば少し説得できるかもしれませんね?」とかアドバイスの一環として研修なんかも行うわけです。
地域全体として、もっと我々の考えを浸透させたいし、わかってもらいたい。
でも人に伝えるのはとても難しい・・・
ってなると、「であれば、講演会とかが必要なんですね。わかりました。どういうことを伝えたいのか、みなさんはどんなことがしたいんでしょう?」と、アドバイスの一環として講演もするわけです。
しかし、この頃はニーズも多様化してきていて、というか、地域においてICTを活用した取組みの中核を担える人材を育成の拡大解釈なのか、思いっきり職員研修の手段の一つとして本制度を使うケースもできています。
正直それ自体は僕も否定するものではありませんし、むしろ、変わっていきたい、変えていきたい、変わりたい、でも、人材育成に関する予算を取るにはまだまだ実績が必要で・・・とか、この重要性をわかってもらうためには・・・とか、前向きに、かつ目的をはっきりとさせて依頼してくれる自治体とは、「よっしゃ僕で良ければ一緒に頑張っていきましょう!!」という気持ちになりますし、なんだったらちょっと前のめりになりすぎて、「そこまでしてもらわなくてもw」というケースもあったりします。だから、研修そのものがダメだと言いたいわけじゃないんです。
研修やワークショップのための制度ではないのでは?
でも、わざわざ僕が書いているということは、ちょっと違和感を感じているケース
があるからということです。
これまでもアドバイザー制度で研修やってもらってたので、今回もお願いします。
研修は資料はこんな感じで作ってください
事前に資料を提供してください。研修部署に確認してもらわないとダメなんで
ワークショップも入れてください
そんな事情知らんわw ちゃんと専門の会社にお金払ってやってもらいなよw
って話ですよね。
こちらのモチベーションとしては「ぜひ一緒に考えていきましょう!!」と行ってるのに、こんなことなっちゃうと、やっぱりテンション下がっちゃう。
この制度はタダで研修講師を派遣してもらえる制度ではないですし、なんならタダでワークショップをしてもらうためのでもない。
専門家(というよりは、先にいろいろ経験した人が)から助言・提言・情報提供をうけることで、その地域がデジタルを使って活力と魅力ある地域づくりに寄与することを目的としてるのであって、ただの役所内の研修予算のメニューの一つではない、と思うんです。
アドバイザー制度も限りある予算の中で行われているものであり、こういう、ただの研修というところに予算を取られ、本当に必要としている自治体さんが、いざ使いたいというときにすでに予算が枯渇している・・・というケースも中にはあるはずで・・・
自治体はもっと制度を理解し、そして有効的に利用した方が良さそう
制度としては、僕も本当に助けられた制度だし、学びも大きかった事業なので、ぜひ継続してもらいたい。
でも、利用する自治体側がこんな使い方をしちゃってると、アドバイザー登録されている人たちが嫌になっちゃって「もうやらん!!」となり、想いのある人がいなくなってしまい、そもそも事業が継続できなくなっていく可能性だってある。
前記した違和感ですが、これ自体だって、別に自治体は悪気があってやってるわけではないはず。
はず、というか、悪意は無いと感じます。
ただ、それは自治体側がちゃんと制度を理解していないという証左でもあるので、やっぱりちゃんと制度設計の想いは感じ取って有効活用してもらいたい。
人事研修が必要なら別なメニューを見つけ出したほうがいいと考えてます
また、アドバイザー自体も循環が必要なのかもとも感じます。デジタル技術ってすぐ陳腐化しちゃうし、あたらしい考え方発想も必要ですしね。
ぜひ、今後ともこのすばらしい制度を継続し、そこに住む人々にとって住みやすい地域づくり・地域継続するための力・きっかけとして寄与し続けられるよう、みなさんで考え、うまいことやれたらいいですね。
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ってことを、なんのシガラミも無く書けるようになるために、地域情報化アドバイザーの継続をやめました。
現状の僕の職種を考えると、こういう国の認定的な肩書はとても大きく、そして武器でもあり、めちゃくちゃ頼りたいのは山々ではあるのですがw
なんか、こういうことをちゃんと言えるような実績とか僕にはあるわけじゃないんで、なまいき言わせてもらう変わりにってことで今回アドバイザーの肩書きから離れることにしました
僕一人がこんなことしたところで、大きくは変わらないかもしれませんが、どこかの誰かが見てくれて、なにかのきっかけになればいいなあ。
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