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ピアニストにきいてみよう。【雨の樹素描】no.2

作曲家わたなべゆきこと、ピアニスト大瀧拓哉の間で行われる、現代に生まれたピアノ作品についての往復書簡です。作曲家の目から見た視点と、演奏家の視点。両方から一つの作品について、深めていきたいと思います。no.1はこちらから。

武満徹と谷川俊太郎の対談、すごく面白いですね。ロマン派的なメロディを「歌」とするなら、確かに武満にはメロディがないように感じますが、でも同時代のクセナキスやシュトックハウゼンと比べると明らかに武満ならではの豊かな「うた」がありますよね。決して一般的に思われるような「歌」ではないかもしれませんが。

>もし、言葉が何かの意味と音声が結びついたもの、文字が意味と記号が結びついたものであるとするならば、テキストを持たずに音楽で「うた(う)」ことは間接的に「意味」とも結びついてくるのではないか、と思ったんですね。

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