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石徹白Life954日目2020年7月29日(水)【在ること無いこと豊かなこと。買って消費だけではなく、自分でなおして使いこんでいく選択肢】

最近3つの道具の修復をしつつ対話したことで明確になってきたステキにつながるお話し。


1つ目は娘の誕生日に贈った蒲の腰籠。

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一緒に山々を駆け巡り、時々は自転車の籠にも使っていたようで、

片側が抜け落ちそうな状態になっていました。

それはそれで、使いこんでいることの証でもあり、

我が家の近所で材料を採取して手作りした父としては嬉しいものです。

1ヶ月ほど前になおして強度をあげて娘に還しました。

骨折したら、そこは今まで以上に骨が強化されると言う話もありますが。

道具も使ってなんぼ。


壊れたらなおすことも楽しみの一つです。


さて、2つ目は

10年以上前に、戸隠(長野県)で購入した竹の茶漉し。

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細く一定に裂かれた材料の美しさ。

それを整えて編んでいく技術の確かさ。

持ち手の部分が折れてから、だいぶ経ちましたが、

保温ポットの上にちょうど載る大きさで使い続けていました。

私達が住んでいる石徹白地区にはマタタビ清水という湧き水があるのですが、

今なら集落のあちこちで葉っぱが白くなっているマタタビを見ることができます。

猫にマタタビのあれです。

それです。

ここに来る前に住んでいた奥會津のように竹が採れない地域では、

マタタビを材料にして籠や蕎麦ざるなどを編んでいました。

ちょっぴり習っていたので、石徹白でも材料採取して乾燥させています。

今回は、茶漉しに応用して取っ手をつけつつ補強してみました。

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もともとの姿はあるのですが、

かなりゴツイ感じになりました。

職人の凄さと繊細さに

あらためて感嘆と尊敬の念を抱きました。

至らぬ自分の未熟な技術やデザイン力など。

まだまだ伸びしろがあるということにしておきます。

最後の3つ目は海で魚を突くための銛。

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前回までに折れた部分を削って長さを揃ていました。

https://note.com/takuyaonishi/n/n64771de1ca4f

致命的なのは反しが無いこと。

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さて、どうしたものかと思っていたら、

近所で溶接機を借りることができました。

引き寄せてるー。

20年ぐらい前にアーク溶接の特別教育を受けたものの、

それ以来、溶接のヨの字もやっていませんでした。

ほぼぶっつけ本番ですが、

新しい鋼材ではなく、折れた銛先なら同じ材料なので。

サンダーで切断。

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とりあえず練習で溶接バチバチやってみました。

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ついた。

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では!!ということで軽く緊張しながらも

土佐銛の反しを自動溶接で復活させることができた!?かも。。。

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鑢で磨いて形を整えて、完成!!

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後は海で本気の本番に投入します。

なんだかジワジワト嬉しい。

めちゃくちゃ興奮でもないけれど、

いろんな経験が失敗も含めて、今ココに必要なものが結晶化していく感触。

道具と場所を貸してくださったMさんいわく、

「お金を出せば何でも買えるが、

自分でなおして使っていくことが楽しい。

ただそれだけ。」

それは子ども時代からの経験と失敗や成功を越えた

自分が存在することの手応えを語る顔でした。

70代で、ツリーハウスを本気で創りたいと語っているなんてステキ!

そうそう。

できた、できないではなく、

やってみた、それで、そこから。

私がワタシの扱いを変えていく。

自分の判断や解釈を感じつつ、

今ココの自分につながっていくこと。

ご近所の宝物を発見した喜びと、

内なる幸せの泉に触れた喜びに満たされています。

さーーーて夏だ!

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