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コロナの第5波に向けて~もう一度伝えたい今の現状~補足

前回
「50歳以下の人は、無症状でも数百人に1人がコロナかもしれないよ!」
と言いました。

皆さんはどう感じたでしょうか。
「何だか難しいこと書いてるけど、そんな訳ないでしょ!」
と思われていないでしょうか。

確かに、少し分かりにくかったかな?と反省しています。

昨日7/31は、都内の陽性者は4000人に増えました。
それでも、パッと考えると都内の人口1400万人に対して4000人。
つまり3000人に一人です。
響かない人には響いてないようです。

改めて現状を分かりやすく書いてゆきます。

1.本日発症して、今後PCR陽性になる都内の人はおそらく・・・

 今日8/1にコロナを発症して、今後PCR陽性の判定をうける人は、都内で6000人程度と予想されます。

 いつもはそんなに増えない昨日の土曜日、ですが突然4000人まで増えました。自分や知り合いの医療機関では、7/28ころから突然陽性率が上がりました(発熱外来の予約数は、最近はいつも満杯です)。でも我々が検査して、結果が出て報告して集計、そのタイムラグは3~4日あります。
 熱が出てから医療機関を受診するまでも1~2日あります。
 そして検査・届け出・集計、結果数字になるまで、発症してから4~5日ほどかかる印象です。

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 なので7/31の4000人!というのは7/26~8頃に発症した人の数です。今はもっと増えているはずです。
 また、検査数は曜日により差が出ます。土日祝日は少ないですし、意外に思うかもしれませんが、木曜日も休みのクリニックが多く若干少ないです。結果陽性者数は曜日により差ができてしまいます。なのでそれをタイラにするために、7日間平均を用います。が、これは勿論3.5日前の数字になってしまいます。

 7月31日現在7日間平均の人数は2920人ですが、これは発症日で考えるとだいたい8日程度昔の数字なのです。なので1週間の再生産数をかけると、おおよそいい数字になると思います。
 現在急増中ですが、少し甘めに再生産数を2として計算します。
 すると7月31日に発症したのはおおよそ5840人程度ということになります。その5840人を用いて、今無症状の感染者がどのくらいいるのか想定してみます。

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 発症前(そのまま無症状になる人含め)20856人、無症状者16684人で、計37540人がコロナの感染力を持ちながら症状がなく、活動してしまう可能性があるわけです。東京都の人口を14,049,146人とすると都内の374人に1人がそれにあたるわけです
 そんなわけない!と思うかもしれませんが、上の図で発症前+無症状感染者は36.0%です。45%が無症状とも言われていますので、決して少ない数字ではないはずです。

 さて20台の方に限定してみます。昨日の新規感染者の予想の5840人の33%の1927人を元に、20台の方にあわせて無症状の割合などを変えて考えてみます。

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 症状のある人はPCRが陽性・陰性に関わらず、病院や宿泊施設、自宅でゆっくりしてもらったとします。症状がない人は普通に活動をされると思いますが、そのなかの11126人は、コロナウィルスの感染力があるわけです。
 おおよそ150人に1人です

 言いたいことは、例えば再生産数が1であれば、1日の陽性者数の5~6倍の無症状の感染者がいる可能性があるということです。

さらにもっと多いかも・・・
 今は検査の陽性率が高いので、もっと感染者がいるかもしれません。
 隔離を守ってくれていない、PCR陰性者も結構いる印象です。
でももう少し少ないかも・・・
 都外に住んでいて、検査だけ都内で受けた人もいます。
 陽性者は発症者だけではなく、濃厚接触者で検査した人や、自主的に調べた人も含まれています。
 無症状者の一部、濃厚接触者は検査&自宅隔離を指示されています。
多い?少ない?かも・・・
 現在流行しているδ株の、潜伏期や無症状者の割合はまだまだ不明です。

 上記のようなこともあり、まだまだ予想の範囲を超えません。街中のPCRセンターの陽性率や、イベントでの参加前PCR検査などの陽性率が分かればもう少しはっきりと分かるのですが、情報が閉ざされているので確認できません。

2.δ株、感染したらどのくらいまずいのか・・・

 コロナのδ株は、どのくらい重症化して、どのくらい死亡するのか?
 これについては前回も述べた通り、文献があまりありません。文献はδ株がどのくらい免疫回避するのか、ワクチンの影響がどのくらい下がるのかについて論じられているものばかりです。
 もう文献の世界はワクチン接種後の研究が中心で、ワクチンを打つか打たないかを論じている時代ではない!という印象です。一応忽那先生がまとめられてますが・・・

 なのでδ株患者の入院患者も診療している自分から見た印象を、再度述べます。自分の診療した範囲では死亡者や重症者はいないのですが、ワクチン非接種者の感染例をみると、年齢+20歳の感じのひどい肺炎になる印象です。30台・40台でこんなにひどくなるの!?という感じです。

3.そういう自分は!?

 そんなことを言いながら、医師が会食してる!!なんていうのもニュースになったりします。
 もちろん医師も人間ですから、色々な人がいます。マスクをなかなかしてくれない医師や、営業再開したらすぐにジム行ってしまう医師もいます。ですがコロナをきちんと勉強している人であればあるほど、「コロナ慣れ」など言わずにしっかり感染対策しています。

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  汚い部屋の写真をすみません!!

 自分は第3波直前の昨年12月に、家族と離れて職場の病院の隣で一人暮らしを始めました。それで出来た時間でNoteを始めた訳です(実はインスタも!)。その間は3回ほど帰って、30分ほど家族と面会しただけです。

 コロナについては、書いても喜ばれないのは十分に分かっています。もう書くのはこれで最後と思っていますが、しっかりと現実が伝わってくれることを願っています。

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