自分を追い込むことで、研ぎ澄まされる感覚について考えてみた
この制作量が今の自分の限界だなぁ、、
と感じることって、たまにあります。
絵描きは絵を描きます。
平常時でもたくさん描くわけですが、展覧会の予定などが入ってくると、いつもより大量の作品、もしくは大型の作品を描くことも多いです。
やっぱり、展覧会では「今の自分の最高」をお見せしたい。
だからこそ、ちょっと見栄を張った計画を立てちゃったりします。
そして、計画的にやっているつもりでも、結局最後は追い込まれて、展覧会の直前になると徹夜続きの日々を過ごしたりしがちです。
その結果
「もう限界だ、、」
と感じながらも、なんとか形にする。
相当計画的な絵描きさんじゃない限り、一度はこういう経験したことがあるはず!
今日は、そんな追い込まれた状況で研ぎ澄まされる感覚について、考えてみました。
追い込まれた先で育つ能力
展覧会やクライアントワークの締め切り直前などは、心身ともに追い込まれて、修羅場感が出てくるものです。
やばい終わらない!
でも自分しかいない!
みたいな、個人制作型の作家さんによくある状況です。
僕も例に漏れず、そんな状況を数多く経験してきました。
あの感覚、きついですよね💦
そして、そんな中で、ある時「あれ?前よりもできるようになっているぞ?」と自覚した能力があります。
それは
・先を見通す(予測する)能力
・気力体力の管理能力
です。
この力、作家を続けていく上で超大切だと感じています。
ちょっと具体例を挟んで、なぜ大切かを説明していきますね。
先を見通す力
この感覚は登山に似ています。
同じ山を2度登ったことがある方ならわかる感覚だと思うのですが、最初の登山ってめちゃめちゃきついんです。
なぜなら、頑張りどころがわからないから。
このポイントまで来たら、あと少しだ!
と、先を見通すことができないから、つらい。
いくら、地図で綿密にイメージしても、実際に歩くと距離感とか疲労とか、全然違いますよね。
だけど、2度目以降の登山は、どこが大変で、この岩を過ぎたら後ちょっと!
と登頂までのイメージができるから、最初の登山よりすんなり登れる。
そして、回数を重ねればその精度は上がるんです。
これが、制作にも当てはまります。
今20%くらい!
とか
この段階なら、あと1週間で完成できる!
など、制作経験を重ねるごとに完成までの道のりがより具体的にイメージできるようになる。
それに合わせて、体力をコントロールできるし、先が見えているから頑張れる。
いくつもの修羅場を越えると、この先を見通す能力が研ぎ澄まされていくのだと思っています。
数が増える、質が上がる
そして、先が見通せるようになった結果
・同じ期間でも描ける作品数やサイズが増える
・作品をより高いクオリティで仕上げられる
・締め切りに間に合わせられる
ようになっていきます
つまり
作品を締切までに安定して高品質で完成させられる能力
が成長します。
これは作家として信頼されるために超重要です。
個人的には技術の色彩センス、構成力など、作品をつくる能力と同じくらい大切だと思っています。
もちろん、普通に制作していても、これらの力は成長しますが、大きな制作を経験した後は、大幅に伸びる感覚がありました。
2週間前ルールのススメ
締め切り前になってくると、自然と「追い込み期」はやってきます。
ここで、自分がおすすめなのが
追い込むなら、できれば展覧会の2週間前までにすることです。
あらかじめ、制作のピークを早めに設定しておいて、2週間前までに作品を展示できるくらいの完成度にもっていきましょう。
それからの2週間は仕上げの時間。
ぜひじっくりと作品と向き合う時間にしてみてください。
仕上げは落ち着いてやったほうが、確実にクオリティの高いものが出せます。これは経験上間違いないです。
焦ると、ミスるし、判断力も落ちるので、いいことがないです。
といっても、自分がそれができるようになったのは、本当に最近なんですけどね。。。
この仕上げの2週間がご購入者様に作品を責任をもってお届けするために、必要な時間だと感じてから、締め切りを早めに設定するようになりました。
なので、この章は自戒も込めて。
いくつもの山を越えた先に
展覧会や、クライアントワークなどで、自分のキャパシティをちょっと越えるかどうかの制作体験をする。
正直、描いている最中はかなり大変ですが
こういう成功体験を積み上げていくことが、作家としてのキャリアになるし、やり遂げた経験は、自信につながります。
そうして、一つ一つの作品制作と真剣に向き合い続けていくうちに、気がつくと、高いクオリティの作品でギャラリーを埋め尽くすことができるようになっている、、かもしれません。
そうでありたいものです。
ということで、本日は追い込まれた時に研ぎ澄まされる感覚、について考えてみました!
本日も、素敵な制作ライフを!
画家
TAKUYA YONEZAWA
X @takuyanokaiga
Instagram @takuyanokaiga
ご支援 Amazon
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?