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地球美術館

僕は実はロングフライトが大好きで、エコノミークラスで十数時間なんて楽勝な人だ。乗り継含めて片道29時間の旅、1泊5日でチリまで行って帰ってきたこともある。あのスタンリー・キューブリックが監督していない『2018年地球の旅』である。

大抵の人が嫌がるロングフライトがなぜ好きなのか?

機内から窓の外の景色を見るのが、大好きだからだ。

地上の生活ではまず見られない景色が眼下に拡がる。その景色は動き続け、ヴァーチャルではなく、画面の中でも無い、リアルな世界を見せてくれるのだ。しかもライブであり、マルチアングル。視点を動かしながら、

「今、この瞬間、この場所でしか味わえない景色」

をずっと体験できる。

飛行機の窓際は、地球美術館といっていいと思う。

スマホやPC画面、あるいは電子カルテのような「狭い凝視」を強いられる状況とは真逆の情報入力がなされる。

もうこれが最高なのだ。だから可能な限り、窓際の席を予約するようにしている。

それでは今日の地球美術館、東京ー福岡編の一部を紹介しよう。上の写真も含めて、これらは全て機内から僕がスマホで撮影したものだ。「狭い凝視」を強いられる状況であるが、記録して共有したい気持ちが勝る。

これは八ヶ岳上空だけど、峰と峰の間の雲のような、濃霧のような白い蒸気が、まるで湖面のように見える。明らかに「リアルな自然」を見ているのに「幻想的」に感じてしまう人の脳って、不思議だなぁ。

山梨県上空、南アルプス。
山を上から見おろすというのも、人類が「飛ぶ」に挑戦しない限り、決して得られなかった視点だろう。山脈って山も凄いけど、谷の深さに引きずり込まれるくらいの迫力を感じる。

山陰上空の景色。
青い空と、蒼い海を白い雲が隔てる絶景。
地上にいると「天」と「地」は遠く離れているように感じられるけど、上空から見る「天地」のあまりの美しさを目の前に、なぜか「空と海との間には~」と中島みゆきの替え歌が脳内ループされる自分の脳が悩ましい。

福岡県、海の中道、そして教科書にも出てくる「金印」で有名な志賀島。海の色がグリーンがかっていて、これもまた綺麗だった。ただ地元なので、海の中道水族館を目にすると「あんとき、彼女と行ったなぁ」なんて想い出も甦ってくる。(×3)

小さな島にも、港があって、集落があって、ちゃんと人の生活がある。普段、人工建造物の中にいることが多いから、こんな機会でもないと、あまり想像することもなかったなぁ。

というわけで、地球美術館、東京→福岡編、いかがだったでしょうか?
また違った空のバージョンで書いてみたいと思います。






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