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診断士実務補習あれこれ

はじめに

はじめまして。宮﨑拓也と申します。(たぶん)登録中小診断士という立場になります。たぶんというのは、昨年12月に2次試験に合格し、実務補習を15日間終え、申請書を中小企業庁に提出したのですが、まだ診断士登録証をいただけていない状態だからです(通常1ヶ月以上かかるそうです)。中途半端な立場で企業内診断士のブログに投稿するのも恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いします。
診断士としての活動前、ということで、診断士になるための実務補習で印象深かった点を2つ書きたいと思います。

合格発表直後に、実務補習を受けるかどうか決め、実際に動く必要がありました

ご存じの通り、診断士試験に合格しただけでは中小企業診断士になれず、実際に15日間分のコンサル実務を行う必要があります。実務としては協会が実施している実務補習を受ける方が多いと思います。
実務補習は合格後にゆっくり考えて申し込みが出来れば良いのですが、12月26日の合格発表時点で2月の実務補習の受付が既に始まっていましたので、すぐに行動する必要がありました。
H30年の東京地区は、以下のような状況でした。

 H29年度2次口述試験合格者 460名
 実務補習 5日コース定員 225名
 実務補習 15日コース定員 145名

つまり、2月の実務補習はこの年の合格者全員を受け入れることはできず、先着順になりました(さらに、前年度以前の合格者で実務補習に申し込む方もいますので、より競争が激しくなりました)。
合格後の選択肢としては、

・とりあえず実務補習を5日受けて、あとで考えるか
・思い切って15日コースの実務補習を受けるか
・実務従事先を自分で見つけるので、実務補習は受けないか
・今回はスルーして、じっくり考えるか

があります。まず実務補習を受けるかどうか決め、もし実務補習を受けるなら、5日(もしくは15日コース)に対応する有給休暇の取得が可能か、5万円(15日コースは15万円)を用意できるか(2営業日以内に振込です!)すぐに決める必要がありました。
2次口述試験が終わったあとにしばらく間があるので、その間に考えて決めておけば良いのですが、実際に合格が確定したあとでないと現実感がなくきちんと考え切れていませんでした。結局、合格確定後に慌てて決めました。

実務補習の報告には「経営者の腹落ち感」が重要でした

実務補習では経営者へのヒアリング結果を基に、グループで議論して診断報告書を作っていきます。
グループのメンバーで意見を出し合ったり報告書のドラフトを見せあったりする機会がありますが、意見の内容によってはその場が微妙な空気になることがありました。
また、最終日の経営者の方を前にした報告会の場でも、施策によって経営者の方の関心の高さに濃淡があるな、と感じました。
どうしてそのようなことが起こるのか、その場ではよく分かりませんでしたが、あとで思い返してみると「確かにそれは一般論として正しいけれど、実際に実施するのはどうだろう、または、どうやるのだろう」という施策だからと気がつきました。つまり、経営者の腹落ち感が少ない施策だったのではと思い至りました。
経営者の方に腹落ちしていただくためには、

・一般論もだめだが、具体策でも実現性が低いものはだめ
・ヒアリングで聞いた経営状況に合致していないものもだめ
・施策は言いっ放しではだめで、どうやるか具体的に示す

が大事なのだと思いました。

さらに、これは診断士2次試験の解答作成にも同じことが言えるのだと気がつきました。
診断士受験生時代が長かった私は、受験校の答案添削で「それでどうなりますか」「それはどう実施しますか」など赤ペンで書かれる機会が何度もありました。当時は受験校の用意した模範解答に当てはまってないだけだと思っていましたが、今になって考えると上記のポイントを満たしておらず、腹落ちする解答内容では無かったのでしょう。

診断報告書作成に当たっては、経営者へ報告している場面を想像して、
「こんな報告をすると、微妙な空気になりはしないか」
さらにもっと進めて、
「これは、経営者の腹に落ちるか」
まで考えられるようになると良い、というのが実務補習で学んだことでした。

以上です。
次回は診断士活動で書けることがあれば、と考えています。

IT系企業に所属する企業内診断士です。