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実務補習の報告書ネタに困ったとき

先週のタガックスさんに引き続き、実務補習ネタをお送りします。


実務補習では診断報告書を作るのですが、初めての経験ですので、どのような提案をしたら良いのか、手探り状態になる方もいらっしゃるでしょう。

そんなとき、診断士2次試験に合格した方「ならでは」の活用出来る知識があります。
それは、過去問の知識です。
え、過去問って試験に受かるのに必要なだけでしょう、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけではありません。
過去問の事例は架空と言うことになっているのでそのまま参考には出来ませんが、モデル企業はあると言われています。
その企業を調査して、見習うべき点を提言としてまとめると、説得力も出てくると思います(過去問を知っているだけに理解は早いでしょう)。
さすがに事例のモデルになるくらいですので、紆余曲や努力があって現在の姿を作り上げており、参考になります。

実務補習の報告書は診断先の社長が納得して「出来そうだ」「やってみよう」と思っていただくことが何よりも重要です。
自分の頭だけで提言内容を考えるのも良いですが、やはり実際の成功事例を例に挙げると、説得力が出てきます。

では、事例のモデルと思われる企業をいくつか紹介したいと思います。

H29事例I
モデルと思われる企業:ざびえる本舗

営業課長が菓子製造販売業を引き継ぎ、会社を再生させた事例です。
商品ラインナップが多すぎて失敗した反省を活かしたのか、現在取り扱う商品は4種類に限定しています。
また、ホームページには製造工程の画像や動画がありますので、生産分野の提言にも役立つと思います。

H28事例II
モデルと思われる企業:笛木醤油


埼玉県の川越市にある醤油の製造販売業です。
醤油造りだけではなく、うどんを主食とした和食レストランを経営するなど、積極展開をしています。
NHKの「おはよう日本」でも紹介さたこともあります。私もたまたま見ていたのですが、「この企業は!ひょっとして!」と思いました。
多角化経営の成功実例として、参考になると思います。

H24事例III
モデルと思われる企業:ホクビー


北海道石狩市にある、スーパーやレストランなどに食肉を販売する食肉加工業です。
事例ではスーパーの食肉部門から分離したことになっていますが、実際のモデル企業ではレストランチェーンからの業種転換です。
特殊な加工をした食肉を生産していますが、その安全性をホームページでアピールしています。
また、ホクビーについては大学の先生の研究論文がありますので、見ておいて損は無いです。「ホクビー 札幌大学 論文」で検索してみて下さい。(実はこの先生、診断士試験の出題委員です!)。

モデルとなった企業のホームページ以外にも、上にあげた企業の名をネット検索すると様々な情報が出てきます。
また、診断士1次試験の出題範囲である「中小企業白書」には、様々な企業の事例紹介もあり、こちらも読み込むと大変参考になります。

せっかく勉強で得た知識ですので、十分に活用し、診断先の社長が「出来そうだ」「やってみよう」と思う提案が出来ると良いですね。


IT系企業に所属する企業内診断士です。