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日本の物流業界の給与が低い、休日が少ない、この二つのどちらかが改善されない限り不人気業界という地位は揺るがない

 日本の物流業界は、長年にわたって給与が低く、休日も少ないという問題を抱えています。
この問題が改善されない限り、この業界は不人気業界の地位を揺るがすことはできません。

物流業界の給与水準は低すぎる

 一般的に、物流業界においては、ドライバーや配送スタッフなどの現場作業員の給与が低い傾向があります。
 このような状況は、現場作業員のモチベーション低下につながり、結果的に品質やサービスの低下につながる可能性があります。
また、低い給与は、労働力の確保や定着にも影響を与えるため、業界全体の発展にとってもマイナスとなっています。

 ドライバーの多くは、月にいくら分の荷物を運んだのか、それによって給与が決まっているかと思います。
若いうちは大型に乗っていれば周囲の同世代と比べても遜色ない給与を得られるでしょう。
 しかし、そのまま50代になったとしても大型に乗り続けている限り数十年という長い年月の間、給与が大きく変わることはありません。
多少賞与という形で変わるかもしれませんが、この時の同世代と比較するととんでもない差が開いていたりします。
 このような状況では、若い人材がこの業界に参入しようと思うはずがありません。

休日が少なすぎる

 物流業界は、24時間体制で稼働している会社も少なくないため、従業員にとっては週休2日制が実現しにくいという問題があります。
 さらに、繁忙期やイレギュラーな業務が発生する場合には、休日出勤や夜勤などが必要となるため、労働環境が厳しいという側面もあります。
また、上述したように『いくら運んだ』かで給与が変わるという仕組みのため、給与を維持するには休んでいては維持できないということになります。
 
 従業員が休みたくても、休めないというのが現状であるということを経営層はもっと深刻な問題として捉える必要があります。
 経営者にとっては従業員の休みは歓迎しないところであると思いますが、そんな考え方では人材の確保はできません。

問題解決に向けての取り組み

 これらの問題を解決するために、物流業界にはさまざまな取り組みが必要となります。
 まず、最低限給与を引き上げるもしくは、休日を増やすことが必要です。
休日を増やすということは、個人売上の何%を給与にするという仕組み自体大きく変える必要があります。
安定して稼げない職業では、誰も安心して休みを取得することはできません。運賃を上げる、もしくは給与の決め方を変える。
まずは、他業界と同水準まで賃金を上げる。これができない限り業界に明るい未来は訪れません。

 賃金が上がれば、従業員のモチベーションが向上し、品質やサービスの向上につながるとともに、業界全体の労働力確保や定着にもつながるでしょう。
 また、休日出勤や夜勤の減少など、労働環境の改善も必要です。
 これにより、従業員の働き方が改善され、労働力の定着率が向上するとともに、従業員のワークライフバランスも改善されることで、健康的な身体と心の状態を保ちながら働くことができるようになります。
 

効率化を図る

 また、物流業界には、テクノロジーの導入や、業務の自動化などの取り組みも必要です。
これにより、従業員の負担軽減や作業効率の向上が期待できます。
 さらに、運送ルートの最適化や在庫管理の効率化なども実現可能となり、企業の業務改善や競争力強化にもつながるでしょう。
以上のように、日本の物流業界における給与や休日の問題は深刻な課題となっています。
 この問題を解決するためには、業界全体の取り組みが必要となります。
 現場作業員の給与や労働環境の改善、テクノロジーの導入など、様々なアプローチが必要となるでしょう。

まとめ

 物流業界における健全な競争環境の構築も重要です。
賃金UPには運賃のUPが必要です。30年前と今の運賃が変わらないのは、恐ろしいことであると共に、業界内で誤った価格競争を行なってきたという恥ずかしい歴史ではないでしょうか。
 業界内での不正や違法行為の防止、誤った価格競争(とにかく他社の下を潜ろうとする行為)、労働者の権利の保護、企業の合理的な利益追求のバランスを取りながら、業界全体の発展を目指すことが必要です。
 
 物流業界は、グローバルな経済活動において欠かせない重要な役割を果たしています。
 しかしながら、給与が低い、休日が少ないなどの課題が残るなど、改善すべき課題が多々あります。
 
 業界全体で、従業員の福利厚生や労働環境の改善、テクノロジーの導入などに取り組み、業界の魅力を高めることで、優秀な人材を確保し、業界全体の発展を促進していくことが求められます。
 政府や業界団体による支援策も必要であり、多角的なアプローチが必要となるでしょう。


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