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「一緒に帰る」という儀礼を疎かにした小学生に起こった事

はじめに

この記事を書くとプロ奢サロンの中で単位が与えられるみたいなので書いてみています。 僕はデュルケームの「宗教生活の基本形態」は読んでおらず、毎週の講義動画を聞いた事を交えて書いていきます。

【儀礼とは何か?】
・2名以上で行われ
・形式があり
・聖なるものと俗なるものの区別がある

やっぱり本を読んでからこういう記事を書くべきなんだろうなと思ってきましたが、とりあえず単位がもらえるみたいなのでとにかく書いていこうと思います。

学校という儀礼における登下校の意味

小学校や中学校の時、特に約束をしていないにも関わらず登下校を共にしていた人は少なからずいると思います。 今回は、登下校時に友達と一緒に帰るという行為が儀礼研で学んだ「儀礼における第2局面」なのではないか?と思ったので書いていこうと思います。

儀礼とは、周期性があり「第1局面」と「第2局面」と呼ばれる場面があり、実はあまり明確な意味がないものらしいのですが、「第1局面」は連帯して耐える事が大事で、「第2局面」は耐えたみんなで報酬を分かち合う事が大事らしく、要は「みんなで耐えてみんなで頑張ったね〜!って話すとグルーヴが高まる」みたいな事だと認識しています。

小学校はだいたい平日朝の8時〜15時くらいまで拘束されるのですが、例えば平日を「第1局面」、週末を「第2局面」と区別する見方もあると思うのですが、僕はもう少し周期性が近いものに儀礼性を見出したかったので色々と考えてみました。
その結果、学校の門をくぐってからおわりの会が終わるまでを「第1局面」と捉え、その後の下校時間から翌日また学校の門をくぐるまでを「第2局面」と捉えられるのではないかと思いましたので以下に自分の体験を交えて理由を書いていこうと思います。

下校時間を疎かにする者は吊し上げを食らう

これは僕が小学生だった頃の体験なのですが、鍵っ子(両親が共働きの為自宅の鍵を持たされた子ども)だった僕は、家に帰ってから親が帰ってくるまで一人でテレビゲームをする事を何よりも楽しみにしていました。 ですので、下校の時に友人から一緒に帰ろうと言われてもテレビゲームの時間が減ってしまう事を考えてしまい、極力一人でそそくさと下校をする毎日を過ごしていました。 

そんな日々を繰り返していたのですがある日、下校前の「おわりの会」でそれは起こりました。
「おわりの会」とは、下校前に教室に集まり連絡事項の伝達やその日にあった個人間の問題などを議題としてクラス全体で共有し裁定を行う会なのですが、そこで友人が「僕が一緒に帰ってくれない事」を議題として挙げたのです。

クラス全体の意見としては「一緒に帰るべき」という意見が大半を占め、僕が一人で帰っている理由も家でゲームを少しでも長く遊びたいという利己的な理由なのでどうやっても勝てないと判断した当時の僕は「これからは一緒に帰ろうと思います...」と誰に対しての何の為の宣言なのかわからない宣言をしてその場は丸く収まりました。その時の状況を今思い出して考えてみても自分に非があったとは思えません。 
では何が良くなかったのでしょうか?

同じことを一緒にやる事が(たぶん)大事

学校という共同体に属する当時小学生だった僕たちは、半日もの時間を一緒に過ごし学校というトーテムを信仰し学校生活の名の下に細分化されたインティチュマを共にする仲間です。 およそ楽しいとは思えない授業(第1局面)を共に乗り越え、終業のチャイムがなり今まさに自由時間という第2局面が訪れようとしています。
ようやく訪れた念願の第2局面、せっかくなら苦楽を共にした仲間と第1局面で経験したことをシェアしあいたくなるものです。
そんな中、仲間の一人がそそくさと成果物を持って帰ろうとしている姿を見てしまうと「なんだあいつは!」となるのも無理はありません。

以上のような理由で、僕は おわりの会 でクラス全員の前で意味があるのかわからない宣言をさせられたのだと思います。
僕個人としては おわりの会 が終わった瞬間から自由時間が始まると考えていた(インナーウェイ)のですが、どうやらその友達やクラスの多くの人は友達と別れ、家の玄関の扉が閉まるまでは終業していないという認識(アウターウェイ)だったようです。

この事から、インナーウェイとアウターウェイの齟齬が起こり、僕たちはしばしば困ってしまうような気がしています。 この齟齬はできるだけ無くした方が社会とはなめらかに接続できるので生存能力は上がるのかもしれません。
つまりはその場のルールをなるべくキャッチアップできるように僕たちはコミュニケーションが必要で、時に明確な意図や意味が感じられない事を「ルール(しきたり、決まり etc...)だから...」と自分に言い聞かせれた方が社会を攻略しやすいのかもしれません。
ハァ~ (違った意味のため息)

大阪で音楽関係の仕事をしています。 アニメや漫画、TVゲームからボードゲームまで広く遊びが好きです。