【ライブレポ】バズリズムライブ2022 day2
11/6(日)コートを羽織るとすこし汗ばむくらいの微妙な陽気。前日の昼に確認した段階では公式グッズ以外のアーティストグッズに関するアナウンスは無かったためのんびりと支度をしていたところTwitterで物販情報が。各出演アーティストも前日夜から当日昼にかけて物販に関するアナウンスを行っていた。
完全に出遅れた…
開演時間ギリギリに入ろうと思っていたところから急いで支度をし、慌ただしく家を出る。
本日の出演アーティストは以下の五組。
go ! go ! vanillas
THE ORAL CIGARETTES
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
UNISON SQUARE GARDEN
私のメインのお目当てはUNISONだが、BEAVER、vanillasも好きな曲がある好みのバンドであり、ORAL、スカパラも知名度の高い人気バンドということで今回のフェスに申し込んだ。
このフェスでは事前にタイムテーブルが公表されない。そのためトリはUNISONかBEAVERのどちらかかななどと考えながら横浜アリーナへと向かう。
新横浜に近づくにつれて徐々に増えていく、各バンドグッズを身に着けた参加者。
ロッキンのときも見かけた、マサカリ族が倒した相手の頭蓋骨をぶら下げるように大量のラババンをかばんにぶら下げているのを見ると“フェスに来た”感があり、こちらのテンションも上がる。
15時頃に横浜アリーナ到着。グッズ着用率は体感では一番がORALで次がBEAVER。UNISONがちらほら居るかという程度。vanillasはレアポケモン、スカパラは絶滅危惧種といった感じ。
BEAVERが一番人気かと思っていたのだが予想に反してORAL勢が多かった。すれ違う顔も心なしか若い。
会場に入って一番最初に思ったことは「近い‼」
私の整番はアリーナ席の後方、規制入場最終ブロックの組だった。そのため見え方にはもはや一切期待していなかったのだが、これがアリーナか。ドームに椅子を並べているのとは違う、ギュッと詰まっているが別に無理やり押し込められているわけではない、キャパ17,000人のハコの距離感とはこういうモノなのかと驚いた。
座席番号に関しては人それぞれであろうが、これまでドームライブばかりだった私としては「近い!全然近い!センタード真ん中だしすごく良い!むしろ神席‼」などと座席に着くなりテンションが上がっていた。
目の前が技術スタッフのPCなどの機材が並び仕事をするスペースでその様子を見ながら開演を待つのもなかなか良い時間だった。
いつも素敵なライブをありがとうございます。
16時開演。MCのバカリズムと石川みなみアナウンサー(可愛い)が出てくる。
「バズリズムライブ二日目、昨日とは会場の雰囲気がガラッと変わりましたね。昨日はペンライトを持っている方が多かったのですが、本日は皆さん色々なTシャツ着ていて、カラフルで、己の肉体一つで戦ってやるぞという意気込みがね、すごい伝わってきますね」
初日の出演アーティストにINIというアイドルグループが居たことを受けてのMC。アイドルと思って侮っていたと、前日盛り上がった様子はTwitterを通じて伝わってきていた。
ええ、二日目はペンライトなんて小道具なんぞ使わず、我々の全身を使ってそれ以上に盛り上がってみせますとも。
そして会場が暗転、モニターに本日のトップバッター、一組目のアーティストが発表される。
一組目、UNISON SQUARE GARDEN
まさかのトップバッターUNISON‼
おなじみのSEで入場すると鈴木貴雄のドラムパフォーマンスからスタート。
隣のORAL勢の男の子の「やべぇ…やべぇ…」と隣の友人と話しているのが聞こえてくる。
会場よ、震え慄け。これがUNISON SQUARE GARDENだ。
ドラムパフォーマンスで引き込まれたところで鈴木貴雄が奇声を上げ、そのまま一曲目「世界はファンシー」へと入り一気に畳み掛け、さらに「天国と地獄」「カオスが極まる」と落ち着く間もなくノンストップで続けていく。
上がったボルテージは下げさせない。
隣のORAL勢の男の子も終始「カッケーカッケー」と言っていた。
そうなんです、カッケーんです。けど、こんなものじゃないんです。ぜひ単独にも来てね。
安定のMC無し。本日の発言は「UNISON SQUARE GARDENです」「ラストッ!」「UNISON SQUARE GARDENでした!バイバイッ!」の三言のみ(笑)
短い持ち時間を一気に駆け抜け、最短距離で会場のボルテージを頂点まで盛り上げ、最高のスタートを切った。終わってみれば本日のトップバッターはUNISON以外ありえなかったなと思わされる、そんな圧巻のパフォーマンスだった。
あっぱれUNISON SQUARE GARDEN!拍手!
今回ステージが横に広く、F,E列の客席前までステージが伸びていたのだが田淵はそこまで出張はせず、センターステージだけで左右にウロウロ。それでもエビ反りでジャンプしたりクルクル回ったりハイキックしながら演奏したりと安定の落ち着きの無さ。
田淵専用カメラが登場するもドラム裏を回ってステージ奥へとお散歩。専用カメラが追えないためクレーンカメラで追跡される(笑)
天の邪鬼な男だなぁ田淵智也。
「スロウカーヴは打てない」の間奏で斎藤宏介と田淵が向かい合わせて演奏しているとき、田淵が演奏中徐々に上体を反らしていたら、それを斎藤がもっとやれってどんどんどんどん煽っていく茶目っ気のある一面もしっかり披露。
本当よくそんな態勢で演奏できんな。
次のアーティストに入る際のMCパートで、パフォーマンス中一切MCの無かったUNISONを気にしてか、バカリが「斎藤さんは最近BAKUNEのパジャマを購入したそうです」と申し訳程度の情報を伝えてくれたことまで含めてなんか面白かった。
二組目、go ! go ! vanillas
「初めてバズリズム呼んでもらいましたgo ! go ! vanillasです!僕らの前にUNISONがやってましたけどね、人間の限界を超えた演奏をして盛り上げてくれたので、負けないように、僕らも限界を超えていきたいと思います」
爆上がりした会場のテンションを引き継いだvanillasの第一声。
やっぱり同じ音楽家から見てもUNISONのパフォーマンスは常軌を逸しているんだなぁと思うと同時に誇らしくなりました。
終演後にTwitterを見ていたらスカパラ、BEAVERもUNISONやばいって投稿していて笑った、アイツら人間じゃねぇ(笑)
その発言に恥じることなく、「踊れ!」「まだまだ踊れますか!」と何度も煽りUNISONの作った空気を更に高めてしっかり会場を盛り上げていく。
一曲目ではボーカルがハンドマイクで左右に伸びたサイドステージまで出てきて歌唱。UNISONが全然動かなかったから「あ、そこ出てこれるんだ」ってその時初めて気づいた。ファンサ凄かったけど、柵前でボーカルに煽られていたお姉さん無事ですか?息していますか?
ボーカルが凄い動き回りながら歌うので、「田淵並に動き回るやんこのボーカル」と思ったけど、よく考えたら“ボーカル並みに動き回るベース田淵智也”でした、大変失礼いたしました。
二曲目からはボーカルもギターを演奏。「UNISONに負けない」との発言を証明するかの様に演奏しながら動く動く。クルクル回ったり、ギターとベースが仲良くサイドステージに出張したり、ロントマン三人で揃ってステップを踏みながら演奏をしたりと、パフォーマンスから楽しさが溢れ出している。
全体的に可愛いバンドだなと思いきや、ドラムがぶっ飛んでいた。ONE PIECEのゾロの様にドラムスティックを咥えながら三刀流でプレイしたり、急にドラムからシンバルを外すとそれをぶん投げてた。これでお終いなのかと思いきやそのまま次の曲に突入。演奏続行。
え、嘘?いいの⁉大丈夫??
ラスト前2曲目「カウンターアクション」
冒頭のフレーズ「馬鹿げたことばかり頭にくるよな」力の入った歌い方が、コロナで長らくライブも満足にできない世界に対する苛立ちに、色々とムカつくことばかりだよな!と、それでも世界に抵抗する意思の様に感じられた。
ぴょんぴょん跳ねる曲が多く、分かりやすく盛り上がることができ、楽しい!
頭にくることばかりのふざけた世界だろうと、負けずに楽しんだもん勝ちだ。
バカリMCでのvanillas情報。ボーカルの牧達弥さんと同じ誕生日(12/10)の芸能人を調べたと言って数人挙げ、最後に安田大サーカスのクロちゃんですと。
その情報いらん(笑)
公式グッズの紹介をはさみ、次のアーティストが紹介されると本日一番沸きだった。
三組目、THE ORAL CIGARETTES
vanillasの明るく楽しい雰囲気から一転、怪しい雰囲気の演出とともに一曲目「GET BACK」。周囲のORAL勢が盛り上がる。
「vanillasでたくさんジャンプしてたけど疲れた?脚パンパン?まだジャンプできる?」との煽りでまだまだ元気な会場中が飛び跳ねる。
二曲終わったところでMCパート。
「僕ネクタイしてないんですけど大丈夫ですか…?UNISONもvanillasも白シャツにネクタイだったんですけど、今日ドレスコードとかありましたっけ?なんか(前二組に比べて格好が)輩感ありますよね、僕」とのボーカル山中拓也の発言に対してメンバーから「この後スカパラさんも控えてるで!」との追い打ち。
「ほんまや!これでBEAVERがネクタイ着けてたらもうアウトやん!」
いやBEAVERは絶対着けへんやろ(笑)と思ってたらメンバーからも「BEAVERは絶対ネクタイ着けない」ってツッコミ入ってた(笑)
「でも(BEAVERが)ネクタイ着けたらこの胸元の…この、色気が半減しちゃうから」と自分のシャツの首元を広げながらドレスコード破ってるのは自分だけではないと必死にアピールしてました。
「バカリさん前も僕らの出番の前でグッズ紹介しとったんやけど、僕らのことグッズ宣伝の盛り上げ役やと思ってんのかな」と言いつつ特にグッズの宣伝はしないORAL(笑)
「この、バズリズムの偉い人とよく話すんですけど、その人すごいライブ行ってて、僕らでも知らないような若い、下の世代のバンドのライブとか行ってて、よくあのバンドが良い、このバンドがすごいって話してるんですよ。そんな愛のある人なんです。そんな愛のある人が番組をやってて、みんなも、毎週バズリズム楽しみにして見てるんですよね?」
拍手が起きるも少し小さかったため、そのまま会場を見渡し、拍手が大きくなるのを見届けると、うんうんって頷いてから続ける。
「だからそんな愛のある人に声かけてもらえるっていうのは光栄なことで。僕らあまりテレビとかには出ない方のバンドなんですけど、そんな愛に応えたいと思ってます。夏フェスから冬フェスにかけて、ここで毎年テンション高めています。ロックバンドは優しさだけではやっていけなくて、たまには厳しいことも言わないといけない。そうしないとみんなに刺さらないから、変わったことも言わないと伝わらないから。だから厳しいこともたまには言います。変なこと言ってんなーって思う時もあると思うけど、それも愛があることには変わらない。どんなこと言っててもそこには必ずしも愛があるから。今日もいろんなバンドが集まってこうしてバズリズムできている、声出しももうあと少しです。一緒に乗り越えましょう」
最終曲「狂乱 Hey Kids !」拳を上げ、腕を振り、飛び跳ね、頭を振る。楽しい。
ORALってヘドバンするようなバンドなんだと初めて知りました。
メンバーの見た目や曲調がやんちゃな感じなため、苦手なタイプだと思っていたけれど、ライブは一緒に参加する感じで楽しいし、MCで伝えてくれた思いも素敵で、いいヤツだった。仲良くなれそう。飲み行きたい。
ORALのアクトが終わると「どうも、お久しぶりですお久しぶりです、今回は一人でお久しぶりです」という言葉とともに石川みなみアナウンサー(可愛い)が登場。「みなさんタオル見せてくださーい。あ、トイレとか行かれる方は行ってもらって大丈夫です!」と言われて客席が各々持ち寄ったタオルを掲げる。「カラフルですねー」と次の出演者への“フリ”をしっかりすると帰っていった。
四組目、東京スカパラダイスオーケストラ
サックス谷中敦がタオルを掲げると頭の上で振り回し始めた。それに応える様に各々タオルを振り回し始める客席。
さっきのMCパートでタオルを出させたのはこの前フリだったか!
「東京スカ」と書かれたタオルを最後に掲げて演奏終了。
「ご存知我々本日の出演アーティストで最高齢です」との自己紹介に恥じず、曲間でみんな一斉に休憩してステージ明転中なのにしばらく無言の時間が過ぎる。
ちょっと、おじさんたちwwwガチ休憩しないで!ww
ドラムが耐えきれないような感じで話し始める
「さきほど(谷中さんが)言っていたようにバズリズム、番組にはよく呼んでもらっていて、バカリズムさんとも不思議な縁で、(バカリが)監督の映画の曲を書きました。これからその歌を歌います。みんなが幸せになるように、みんなの幸せを願って歌います」
スカパラってドラムが綺麗な高音で歌うのね、知りませんでした。
タオル振ったり跳んだりクラップしたり盛り上げ方の多彩さはさすがです!
最終二曲目、「白と黒のモントゥーノ」
待ってました!2017年にコラボした斎藤宏介がスペシャルゲストとして登場!黄色いジャケットのスカパラに白いジャケットの斎藤宏介が混じっても違和感が一切ない。よく似合う(笑)
膝を付いてギター鳴らしたり、お立ち台からジャンプしたり、ニコニコすごい良い笑顔で楽しそうに演奏していました。なんか話すかなと期待していたのだけどここでも歌唱以外は発言せず、演奏終わったらさっさと捌けていきました。
徹底してるなUNISON SQUARE GARDEN。
そして最終曲「Paradise Has No Border」CMで有名なあの曲ですね。
スペシャルコラボはバカリズム!公式Tにサックス抱えてハニカミながら登場!演奏はふぁんふぁんいっていたものの、無理矢理付き合わされてる感が最高!絶対恥ずかしくて嫌々出てきてる(笑)
MCパートで練習ではうまくいっていたと必死で弁明。スマホを取り出し練習風景撮ってるんです、ちょっと聴いてくださいとスマホにマイクを当てるときちんと演奏できている。「本番に弱いんです。あとスカパラの皆さんに囲まれたら緊張しちゃったて。指も忘れちゃうからそのまま出てきたのに、始めの音出した瞬間調子乗ってガッツポーズしたらもう指分かんなくなっちゃった」と(笑)
最後の五組目、本日のトリ、SUPER BEAVER
「ライブハウスからやって来ました、SUPER BEAVERです。アリーナだろうが関係ない、ここからはライブハウスです!ライブハウスを楽しんでくれ!」
一曲目の演奏終わり際、ボーカル渋谷龍太がお立ち台に上がり客席へ後姿を見せ、そこへ“ジャーン”をやるためにメンバーが集まる場面。ギター柳沢亮太が近づいて行くと渋谷が片足を高く振り上げハイキックし、柳沢が仰け反るという茶目っ気のあるパフォーマンスが個人的にすごくツボだった。
「今日は一日お疲れ様でした。楽しかったですか?最後なんで大きな音(拍手)を聞かせてください!これで全力?もう疲れちゃったってことで良いですか?」と煽ると一段と拍手が大きくなる。「まだ大きな音出せるじゃないですか、元気じゃないですか!」
「みんな両手を挙げて!手は頭の上でお願いします!」
「スカパラさんがバカリさんとコラボして、盛大なフィナーレみたいな感じで終わって、その後で僕ら出てきて、どうすればいいんですか。まだ終わりじゃないですよ!僕らとあなた達で一緒に負けないくらいの曲を作り上げましょう!」
しっかりしたMCというよりは曲中、曲間で語りかけてくれる渋谷。見た目の厳つさと裏腹に語る言葉は優しく、要求は力強い。
ORAL目当てが目立つ客席、MCを引っ張り出しフィナーレの様なパフォーマンスからのバトンパス、そんな逆境だろうと打ち崩す。私含め別バンド目当てにやって来ようが関係ない、会場が一丸となって盛り上がる。
さすが一度メジャーから追い出されたところから這い上がってきたバンド、自力の強さが伺える。そんな自力の強さを証明する象徴的な場面が三曲目「美しい日」で訪れる。
冒頭のフレーズを渋谷がアカペラで歌唱。歌唱力の高さに会場が飲まれたところでバンドの演奏がスタート、渋谷もマイクを手にサイドのステージへと歌いながら歩いていく。しかし、そこで機材トラブル。歌唱がマイクに乗らずブツブツと途切れる(私は気づかなかったが、ギターも音が出ずに演奏中何本もギターを交換していたとのこと)。せっかくの感動的な演出だったのに、やり直しかなと残念に思っていたのだが、SUPER BEAVERは曲を止めない。サイドステージに移動していた渋谷がセンターまで戻ってくると座り込む。そこにギター柳沢が近づいていくと渋谷が話し出す「機材の調子が悪いみたいで、なんだか僕元気無くなっちゃったんだけど、みんなの元気もらえる?」とワガママ王子の様な語りで拍手を要求。会場から大きな拍手が起きると「ありがとう元気になったみたい!」と、冒頭のトラブルなどまるで無かったかのようにそのまま最後まで演奏し切った。
ロッキンや先日のライブハウス公演で同じ様に機材トラブルが生じた場面で、BUMP OF CHICKENは演奏を止めていた。どちらが良いというものではない。お金をもらっている以上完璧な演奏を披露することはプロとしてのあるべき姿であろう。
一方で、ライブはナマモノである。たとえトラブルが起きようとパフォーマンスを成立させ、感動を届けるのも間違いなくプロの責務である。
SUPER BEAVERの、機材トラブルさえ演出として取り込む対応力は流石の一言。
曲を聴かせてやるじゃない、聴いてやるじゃない。聴いてもらうじゃない、聴かせてもらうじゃない。聴いていただくじゃない、聴かせていただくじゃない。俺たちとあなたたちは対等なんだ。言ったでしょう、一緒に曲を作り上げるんだって。
だから一緒に、ワクワクしましょう。
僕は今までライブハウスに、何度も行ってきて色んな音楽を聴いてきた。けどね、来てくれなんて言われて行ったライブは一回もなかった。自分がワクワクドキドキするから行ってたんだ。そういうもんじゃないだろ、来てくれなんて言われて言ったライブなんかじゃ、ワクワクできないだろう。
だから今日は、誰よりも俺たちがワクワクすることで君たちもワクワクする様に、楽しんでやらせてもらいました。今日のライブが楽しかったら是非ライブハウスに、今日きてるアーティスト以外の、いろんなライブに行ってみてください。
もしかしたら俺たち以上に君たちをワクワクドキドキさせるバンドに出会えるかもしれないから…まぁそんな奴らはないと思うけどね(ニヤリ)
あなたが気持ちを伝えたいと思っている相手は、あなたの隣にいるでしょ。だったらその思いは胸に留めず、言葉にして伝えましょうよ。
そんなニュアンスの言葉に続けて演奏された最終曲「アイラブユー」
アイラブユーが歌いたい 愛してる 愛してる
アイラブユーを贈りたい 愛してる 愛してる
渋谷の歌唱を聴きながら、THE ORAL CIGARETTESのボーカル山中がMCで言っていた「このバズリズムライブには愛がある」という言葉を思い出す。
そういえば渋谷はMCで「僕が言うことじゃないのは分かってるんですけど、お前が言うなって言う人もいるかもしれないけど、言いたいんで言います。今日はどうもありがとう。今日こうやって対面でのライブを開催したいって思った人たちがいたと思うんです…いや、実際いたんですけどね。一生懸命成功させるぞって思った人たちがいて、それでそんな人たちの思いを受けて、休日の貴重な何時間かをこのライブのために使おうと、ワクワクできるかなって期待して来てくれた人たちがいて、それでこうしてライブが実現できた。このメンバーでできるのはもしかしたらもう無いかもしれない。分からない。だから代わりに言います。今日は来てくれてありがとう」という趣旨の発言をしていた。
愛のあるスタッフが支えて、愛を持ったバンドが集まって演奏し、己の肉体で愛に応えるリスナーがいる。
ロック音楽に対する愛に溢れた会場で、その愛の受取り手はリスナーではないのだろう。なぜなら渋谷が言っていたように、今日演奏された曲たちは、演者と聴き手が一体となって作り上げたものなのだから。
SUPER BEAVERの圧巻のトリにて、20時10分頃バズリズムライブ2022が終演。
出口で記念ステッカーを受け取り、愛に溢れた本日の出演アーティスト達のエンブレムを掲げた背中が家路を急ぐ。
外の気温はすっかり下がっていたがライブで火照った身体に心地がよかった。
今年はロッキンに参加したとはいえ、ほとんど回ることができなかったので、本格的にフェスを味わうのは実質今回が初めてとなった。
知らないバンドを聴いても盛り上がれないかもという不安はロッキンのマキシマムザホルモンのパフォーマンスにより払拭されていたものの、やはりそれなりに不安ではあった。
ところがどっこい、いざ始まってしまえば今回もそんな不安はどこへやら。
UNISONは初端ブチかまして圧倒的な技術力で引き込み、vanillasは見た目も楽しいパフォーマンス、ORALはジャンプにヘドバン、スカパラはコラボやタオル振り回したりと盛り上げ方も多彩、BEAVERは両手を頭の上に挙げてと置き去りになることを許さない。
なにより横浜アリーナ、センター席は傾斜が付いていて見やすい構造になっているのだが、私の席はセンターど真ん中、そして後方のため高くなっており、位置的にステージと同じ高さ。遠いもののアーティストと同じ目線の高さで見れたのだ。
普段決してこんな位置で見ることはできないため、かなり興奮した。同じ高さで、まっすぐ視線の先には私がいる状態、誰がなんと言おうと確実に目があっていた。なんだったらハンドクラップとかしてるし、もはやバンドメンバーと言っても良いかもしれない。そんな気分。最高。
また、普段BUMPとUNISONくらいしかライブに行かないため、今回他のアーティストのライブを体験することで改めてBUMP OF CHICKENが不器用なバンドなのかと再認識することができた。
機材トラブルへの対応が顕著だが、それ以外にも煽り方や曲の盛り上げ方などから思ったことだ。
「新世界」「SOUVENIR」のようにハンドクラップを要求する曲はあるが、それも曲を構成する音の一部として組み込まれているものであり、ジャンプを要求する曲に関してはパッとは思いつかない(これは単にBUMP OF CHICKENが暗いバンドというだけの話かもしれないが…笑)。会場が一体となってジャンプしたり、手拍子したり、ヘドバンしたり、参加型のライブというのも中々楽しい。
そんなわけで、個人的にはかなり満足度の高いライブであった。
次は渋谷が言っていたように、ぜひ単独ライブにお邪魔したい。