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本の紹介76冊目 『珈琲の世界史』

こんにちは、TAKUです。

今日紹介するのは、
丹部幸博さんの著書『珈琲(コーヒー)の世界史』です。

この本は、
医学博士で人気コーヒーサイトの
「百珈苑」を主宰する著者が、

先史時代から現在に至るまでの
コーヒーが辿った歴史を、

起源に関する最新仮説なども交えながら
綴っています。

また、時代の流れを
「縦のつながり」だけでなく、

コーヒーと社会や経済情勢との関係など、
「横のつながり」にも着目しています。

【著者の丹部幸博さんについて】


著者は、京都大学大学院薬学研究科修了後、
博士課程在籍中に滋賀医科大学助手になります。

現在は、
同大学助教で医学博士であり、

専門は、がんに関する
遺伝子学や微生物学です。

また、人気コーヒーサイト
「百珈苑」を主宰しており、

自家焙煎店や企業向けのセミナーで、コーヒーの香味や健康に関する講師を務めています。

主な著書として、

『コーヒーの科学』(講談社ブルーバックス)、
『コーヒー おいしさの方程式』
などがあります。

【コーヒーの前史】


現在、
世界中の人々が飲んでいる飲料の中で、

お茶には5000年、
カカオには4000年の歴史がある

言われています。

一方で、
コーヒーが確実に飲用されていたと言える
最初の時代は15世紀頃であり、

お茶やカカオをに比べると、
かなり歴史が浅いと言います。

ですが、実はコーヒーの方が
お茶やカカオよりも遥か昔に、

人類と巡り合っていた可能性が
高いと言います。

【コーヒーノキのルーツ】


コーヒーノキというのは、
そのままの意味でコーヒーの木で、

この化石はまだ発見されてはいません。

ですが、
「分子進化時計」という解析の結果から、

おおまかな年代が推測されており、

約1440年前のカメルーン付近で
この祖先はアフリカ大陸一帯の熱帯林に
広がったと考えられています。

この、
「コーヒーノキの故郷」であるアフリカ大陸は、

人間の故郷でもあり、
人類は200万年前のタンザニアで
「ヒト属」、つまり現生人類の

共通祖先が生まれたと言われています。

なので、
コーヒーノキは人類が生まれたときから、
すでに身近に存在する植物だということです。

ただし、

コーヒーノキが自生する中央アフリカや
エチオピア西南部では、

大きな文明があまり発達しなかったため、
古い歴史が知られなかったのだと語られています。

【コーヒーのセレモニー】


エチオピアでは、
独自の読み方として「コーヒーセレモニー」
があります。

これは、エチオピアやエリトリアで

来客をもてなすときなどに行う、
日本の茶道に似た雰囲気の儀式です。

ただし、
これは比較的に新しい時代に
作られたものだと言われています。

19世紀末に、
エチオピア皇帝メネリク2世が、

富国強兵によるエチオピアの近代化を目指し、
コーヒー生産を推奨、自らも率先して

コーヒーを飲んだと言われています。

そこから1930年代にコーヒーが広がり、

この時期に日本でもコーヒーが普及していきました。

【人類初のエナジーボール】


欧米のコーヒー本では、

しばしば「5000年以上前から、エチオピアのオロモ族が戦争に赴く時にコーヒーを携帯食にしていた」という話があります。

これは、コーヒー豆をバターと混ぜて
大きな団子に丸めたもので、

カフェインによる興奮と、
バターの高いカロリーで気分がハイになって

戦闘の時に大活躍したと言われています。

このように、

彼らはコーヒーのカフェインが持つ
覚醒や疲労軽減という「力」を知り、

それを食べたり儀礼に使うようになったと
語られています。

【最後に】


本書は、医学博士で
人気コーヒーサイト「百珈苑」を主宰する著者が、

コーヒーにまつわる世界史を
先史時代から現代に至るまでを
綴った一冊です。

ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!

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