見出し画像

本の紹介32冊目 『危機の時代』

今回私が紹介するのは、ジム・ロジャースさんの著者『危機の時代』です。

本書は、世界3大投資家の一人である著者が、

・リーマン・ショック
・ブラックマンデー
・世界恐慌など

過去の経済危機では、何が起きたのか、今起きている危機はどうなるのか、世界はどう変わり、どのように投資すればいいのかを、個人や企業はどう行動すればいいのかを学べる一冊となっています。

【著者のジム・ロジャースさんについて】

著者は、米イエール大学(歴史学専攻)卒業後、英オックスフォード大学(経済学・政治学・哲学専攻)を卒業しました。

1973年にジョージ・ソロス氏とクォンタム・ファンドを始め、驚異的なリターンを生み、脚光を浴びます。

その後、37歳で引退し、米コロンビア大学で金融論を教えた後に、世界各地を旅行しながら投資する「冒険投資家」になります。

2007年には、一家でシンガポールに移住して、現在も投資家として活動を続けており、2008年のリーマン・ショックの到来を予見したことでも知られています。

【人生で最大の危機が来る】

日本は2008年に比べて、負債総額がはるかに膨れ上がっています。

また、今回のコロナウイルス対策で特に最悪だったのが、アメリカのトランプ大統領が、米国と欧州の間の移動を制限したことです。

これが、景気悪化に拍車をかけたといい、これから企業の経営破条件が世界で広がっていくといいます。

【日本はどうすべきか】

著者は、日本に対してとても悲観的な見方をしています。

本書では、

「子どもたちの幸せを考えれば、私は日本に住んでいる人は海外への移住を考えるべきだと思う。
移住すべき先は米国ではない。外国人を受け入れなくなった国は衰退する。」

と語られています。

理由として、日本は少子高齢化で、債務が増え続けていて、将来的に否定的にならざるを得ないといいます。

この問題解決の方法としては、以下の2つです。

・膨れ上がる一方の借金に歯止めをかけて減らす
・より多くの移民を受け入れる

とくに、移民を受け入れなかった国は衰退するのは歴史が証明しているので、「多様性」を受け入れることが重要だと語られています。

【イノベーションの新たな聖地は、中国の「深圳(しんせん)」になる】

著者は、これまではアメリカのシリコンバレーがイノベーションの聖地と呼ばれてきたが、それは過去のものになると語られています。

例えば、通信機器の「HUAWEI(ファーウェイ」は、米国からセキュリティーのリスクがあると恐れられています。

これは、米国の企業が通信技術でファーウェイに追いつくことができないため、米国政府が中国の通信機器には邪悪なセキュリティー問題があると推測しています。

また、ここで重要なのが欧米から見た中国のイメージが悪いということです。

どうしても、CNNなどの西側のメディアから情報を得るとバイアスがかかってしまうので、著者は異なる視点の見方をするために、5ヵ国の新聞を読んでいると語られています。

【経済以外に学ぶべきことがある】

著者は、

「MBAは時間とお金の無駄だ」

と語られています。

そのため、やるべきこととして以下を挙げています。

・言語であれば、中国語と英語
・学問であれば、哲学や歴史、数学
・知識として、バランスシート、ブロックチェーン、マリファナ

これからは、覇権国家が中国に変わっていくことと、そして常に未来を俯瞰して考えるための哲学や歴史などの勉強が大切だと学びました。

【最後に】

本書は、これまで誰よりも未来予測を当ててきた「伝説の投資家」である著者が、現代に向けての警告と未来への期待を語られている一冊となっています。

ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?