本の紹介23冊目 『現代版 魔女の鉄槌』
今回私が紹介するのは、苫米地英人博士の『魔女の鉄槌』です。
15世紀に存在した聖書を超えるベストセラーとして『魔女に与える鉄槌』があり、本書はその現代版です。
当時、魔女の存在が広がった背景には出版物という「ニューメディア」の誕生がありました。
近年は、ツイッターやFacebookをはじめとした、「ソーシャルメディア」と呼ばれる、現在の「魔女狩り」が行われています。
本書では、そんなニューメディアが脳から「自由」を奪うメカニズムを解明し、自由な人生を手に入れる方法を著者が解説しています。
【著者の苫米地英人博士について】
著者は以下のように、
・脳機能学者
・計算言語学者
・分析哲学者
・実業家
など、多くの肩書きがあります。
マサチューセッツ大学を経て、上智大学外国語学部英語学科卒業しました。
その後、2年間の三菱地所勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学し、計算機科学学科博士課程人工知能専攻します。
その後、コンピューター科学の分野で世界最高峰と言われるカーネギーメロン大学大学院に転入し、計算言語学の博士号を日本人で初めて取得しました。
また、イエール大学・カーネギーメロン大学在学中、世界で最初の音声通訳システムを開発し、CNNで紹介されたほか、マッキントッシュの日本語入力ソフト「ことえり」など、多くのソフトを開発しました。
現在は、
・ドクター苫米地ワークス代表
・カーネギーメロン大学サイラブフェロー
・一般財団法人BWFインターナショナル代表理事
などをはじめ、多岐に渡って活躍しています。
【現代の魔女狩りとは】
現代の魔女狩りを端的に表現すると、「都合の悪い者は消せ」というものです。
例えば、
・マスコミが行う御用学者や御用評論家による利益誘導
・風評被害を口実にしたネット言論規制
・掲示板荒らしを専門にする工作員の存在
など、特定の人物を追い落とす行為の数々が行われてきました。
しかし、21世紀の魔女狩りでは、誰かが追い落とされ、社会的に始末され、あるいは殺されたとしても、その痕跡さえ残らなくなります。
【ソーシャルメディアが無意識に働きかける】
まずツイッターなどのメディアは、大衆の無意識に働きかけることができるので、権力者が大衆を洗脳するための道具であると言えます。
また、ツイッターが登場するまでのIT技術の変化として、
・グーグルの検索エンジンが思想調査に使用される
・フェイスブックが中東の民主化を促す
・ツイッターではつぶやきを自然言語処理する
など、国家の政策立案に使えるという研究結果も出ています。
つまり、ソーシャルメディアを使って人間の無意識に働きかけて、思想と行動を変化させることができます。
例えば、
・放射能を心配しすぎるのはバカ
・20ミリシーベルトと国が決めたのだから、国民はそれに従う義務がある
・東日本大震災は神の仕業
など、こうした言葉が何度も刷り込まれるので、無意識で肯定する人間が増えてしまいます。
著者は、ここに端を発しています。
【最後に】
本書は本記事で紹介した以外にも、
・英語の聖書はある重要人物により、翻訳されていること(権力者に都合が良いように)
・いつの時代も情報を操作する人間が生まれること(洗脳の2つの原理)
・魔女狩りは権力者が金銭的に困窮したのが要因
・リアリティーこそが権力者の欲望をかき立てること
など、勉強になる箇所が沢山ありました。
現代のソーシャルメディアが政府たちによって、洗脳の道具として思想・行動を刷り込まれているのも本書で理解できましたし、過去の権力者も結局は「金銭欲」「征服欲」で権力をふりかざすのだと学びました。
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!
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