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本の紹介86冊目 『民主主義と教育(上)』

こんにちは、TAKUです。

今日紹介するのは、
デューイさんの著書『民主主義と教育』です。

まず、
教育とは直接的な経験から出発して、
これを再構築・拡大深化していく
過程のことを言います。

本書は、
教育に関する在来の学説を根本的に洗い直した、世界教育の流れを変えた20世紀の古典です。

それでは、紹介していきます。

【著者のジョイ・デューイさんについて】

著者は、
アメリカ合衆国の哲学者で、

チャールズ・サンダース・パース、
ウィリアム・ジェームズと並んで、
プラグマティズム(実用主義)を代表する
思想家
でもあります。

また、米国では機能主義心理学に貢献したことでも知られています。

20世紀前半のアメリカ哲学者のなかでも、
代表的でかつ進歩的な民主・民衆主義者
(ポピュリスト)でした。

【生命に必要なものとしての教育】

まず、
生存を続けようとすることは生命の本質です。

そしてこの存続は、
不断の更新によって確保されるので、
生活は自己更新の過程です。

著者は、教育と社会的生命との関係は、
栄養摂取や生殖と生理的生命との
関係に等しいと言います。

この教育は、
まず第一にコミュニケーションによる
伝達にあります。

これは、
経験が皆の共有の所有物になるまで
経験を分かちあっていく過程です。

コミュニケーションは、
その過程に参加する双方の当事者の
性向を修正します。

著者は、
あらゆる社会制度は
事実上教育的ではありますが、

その教育効果は、
まず年長者と年少者の共同生活との関連で
共同生活の目的の重要な部分
など言います。

これは、社会が一層複雑な構造や
資産を持つようになるにしたがって、

制度的な意図的な教授や学習の必要性が
増えていくためです。

すると、
この制度的な教授や訓練の範囲が
拡大するにつれて、
直接的な共同生活において

獲得する経験と学校において獲得されるものとの間に差が生じてしまうと言います。

教育とは、
学校でのコミュニケーションを通して得ていく経験と、教授からの勉学としての教育のバランスが大切なのだと学びました。

【成長としての教育】

著者は成長する力とは、
他人を必要とすること
可塑性に依存していることだと言います。

この2つの状態は、
児童期と青年期にベストな状態にあり、
可塑性の経験から学ぶ力は、

習慣の力をもたらすと言います。

習慣は、環境を制御する力で、
環境を人間の目的のために利用する
力を与えます。

習慣は慣れという形で、
有機物の活動と周囲の情況との全般的で
持続的な均衡状態という形を取ると、

新たな情況に対処するために、
活動をその場で修正するような
能動的能力という形にもなると言います。

ここで、
持続的な均衡状態(周りの環境)をとる場合は、
成長の下地であり、

能動的能力というのが成長を作り出すと言います。

能動的習慣は、
新たな能力を適用するための、

・思考力
・発明力
・独創力

これらを含んでいます。

それは、
成長が止まったことを示すような、
決まりきったやり方とは反対のものだと言います。

成長とは生命に特有のものであり、
教育とは成長することと一体のことです。

学校教育の価値の基準は、
これらが連続的成長への欲求を
どの程度までつくり出すか。

そして、その欲求を実際に
効果のあるものにするための
手段をどの程度まで提供するかが
大切だと語られています。

ここでは、学校教育で成長するためには、

前提として環境が大切であり、
さらに自身が身につけたい能力を
身につけるための日々の習慣が
大切だということを学ぶことができました。

【最後に】

本書は、
アメリカの哲学者である著者が、

教育に関する在来の学説をを根本的に洗い直し、全世界の流れを変えた20世紀の古典です。

ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!

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