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本の紹介13冊目 森永博志さんの著書『アウトドロップのえらいひと』

今回紹介するのは、森永博志さんの著書『アウトドロップのえらいひと』です。

本書は、ドロップアウトの衝動に身をまかせ、望み通りの人生を手に入れた49人の男たちの、勇気、冒険、創造、自由、誇り、遊びについて語られたストーリーが紹介されています。

以下では、著者についてと特に勉強になったポイントをまとめています。

【著者の森永博志さんについて】

著者は、エディターであり、音楽雑誌、文芸誌、ストリート・マガジン編集長です。

創刊当時の『POPEYE』『月刊PLAYBOY』『BRUTUS』で特集記事を担当していた編集者としても知られています。

編集者としての代表作は『南海の秘宝』、『小説王』、山川惣治『バーバリアン』、上村一夫『菊坂ホテル』、 吉田カツ『ラウンド・ミッドナイト』などがあります。

代表的な著書は、『原宿ゴールドラッシュ』『ドロップアウトのえらいひと』です。

【橋村泰臣さん(カメラマン)】

橋本さんは、ニューヨークの広告写真界の第一線で5指に入る超売れっ子カメラマンです。

手掛けているクライアントは、以下の企業をはじめ、超メジャーな企業ばかりです。

・カンパリ
・コカコーラ
・キヤノン
・リーバイス

また、商業写真家全米年鑑の最高権威『アメリカン・ショーケース』のカタログでも、常にトップテンに名を連ね、名実ともにアメリカを代表する広告写真家です。

彼は1968年、当時21歳の時にアメリカに渡りました。

理由は、当時活躍していた写真家のほとんどがアメリカやニューヨークの真似をしていたためです。

本書では、以下のように語られています。

自分をいちばん鍛えることのできる所がいい、僕は人よりも前に行きたい、自分よりも優れた人たちと戦い、成長しつづけたいと思っていた。それがニューヨークへ渡った一つの動機だった。

著者は10代から写真を撮ることに夢中で、18歳の時には自身が写真家として生きていくことを決めていました。

現代は、いつ何が起こるか分からないので、今この瞬間を全力で生きることが未来に繋がるのだと学びました。

【羽山信樹さん(小説家)】

羽山さんは、80年代半ばに『流され者』という破格に面白い時代小説で突然デビューし、80万部のベストセラーを飾りました。

この小説は、やくざの親分までもファンにしてしまうような、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)でした。

羽山さんは、幼い時から喧嘩をはじめ、東京でグレていましたが、なぜか小学校の頃から作文が得意で、よくコンクールでは金賞をとっていました。

高校生の時には、アルフレッド・ハウゼというタンゴ時代楽団の『青空』という曲を聴いて感動して、アルゼンチン・タンゴにのめり込みます。

大学卒業後は、上司と衝突したり、タブーの問題を起こしたりして、2.3社をたった数年で辞めています。

28歳の時には、沢山のお金を稼ぎ、家を建ててアルゼンチンに渡ります。

当時は恐怖時代のため、アルゼンチンからメキシコ渡ってからは、最終的にスペインのアンダルシアに住むようになります。

そこで、日本から持ち込んでいたヘミングウェイ(20世紀に活躍したアメリカ人作家)の文庫本を読み、ある日、

「俺なら毒に満ちた小説を書けるのにな」

と思い、東京に戻り小説『流され者』を書きました。

羽山さんは、クレイジーな行動力がありながら、自身の感じるままに今を全力で生きているので、その瞬間の「文学の力」が世に認められているのだと思いました。

【最後に】

本書では、常識に囚われずに、自身の直感を信じて挑戦したり、新たな世界に踏み込んだ男たちのエピソードを学ぶことができ、色んな人生サンプルを学べます。

ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!


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