本の紹介75冊目 『データ農業が日本を救う』
こんにちは、TAKUです。
今日紹介するのは、
窪田新之助さんの著書『データ農業が日本を救う』です。
この本は、
農業ジャーナリストである著者が、
これからの「データ農業」の時代に必須である、
・生体データ
・環境データ
・管理データ
などを取り上げて、
オランダから北海道までの
先端的な取り組みを紹介しています。
【著者の窪田新之助さんについて】
著者は、農業ジャーナリストであり、
2004年に日本農業新聞に入社しました。
外勤記者として8年間を、
国内外で農政や農業生産、
農村社会の現場取材に従事します。
2012年からは、
フリーの農業ジャーナリストとして活躍し、
2014年には、
米国国務省のインターナショナル・プログラムの招待でカリフォルニア州などの農業現場を取材しました。
著書に、
『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』
などがあります。
【データの活用が日本の未来をどう左右するか?】
まずは、
日本は世界レベルで見ると、
どれくらいの位置にいるのかを
確認する必要があります。
日本とオランダを比べてみると、
1980年代はトマトの収量は
ほぼ同じでした。
しかし、この40年間で
7倍の差が生まれました。
オランダは国土の面積が九州の1.1倍と
狭小ながら、
ハウス栽培を中心とした付加価値の高い
農業を展開していて、この数年は10兆円前後です。
この数字は米国に次いで世界2位であり、
その一方で日本は1兆円と世界40位をうろうろしています。
さらに、
瑞穂の国といわれる日本でも
収量が1961年には世界5位だったのが、
2017年には16位まで下がっています。
日本は、世界と比べて
データの活用が少ない影響が
収量などに現れているのだと学びました。
【オランダ農業の根幹にある「1%理論」】
これは、農家ハウスで
**「光を取り込む量が1%上がれば、
それだけ光合成が促進され、
収量も1%上がるという理論」**です。
つまり、
農家に光の透過率を示すことは、
どれだけの収入を得るかにも直結すると
いうことになります。
オランダで、この「1パーセント理論」を
実践されるようになったのは、
1980年代からであり、
ここから「世界の勝ち組」になるほどの
取り組みを実践していた言います。
【日本はデータを重視しない傾向がある】
オランダでは、
「1%理論」を重要視してますが、
日本ではあまり知られていなく、
それを活用する人も少ないと著者は言います。
2020年には、
農林水産予算で「スマート農業」の予算が
56億円となりました。
また、
コロナの影響は世界の農と食にも及び、
特にヨーロッパの国々では、
季節労働者に依存してきたことから、
感染拡大に伴って大きな影響を受けています。
中でも英国は、
わざわざチャーター便を独自に手配して、
東欧からの季節労働者を来てもらうように
措置を取っています。
【日本が挽回するのは野外フィールド】
本書では、日本はデータを使った農業が、
世界と比べて出遅れている述べられていますが、
「フェノミクス(植物の遺伝子型を形質として現すこと)」の分野では
まだ可能性があるのだと言います。
しかしそれ以上に、
「データサイエンティスト」の育成が
必須だと語られています。
それは、コロナの感染拡大によって
世界各国の地域に影響を及ぼすからです。
データサイエンティストの分野で
活躍できる人材を育成することにより、
世界の食料問題を解決するための一歩となり、
日本人がデータの活用で貢献できる余地が
大いにあると言います。
【最後に】
本書では、
農業ジャーナリストである著者が、
「データ農業」の時代における、
世界や日本の先鋭的な取り組みを紹介して、
農業の未来について綴った一冊です。
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!
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