【MTG】競技シールド優勝過程備忘録;BLB環境
イベントについて
「お団子杯」というユーザー企画の競技シールドイベントがある。自宅から参加できる競技性の高いイベントということで、プロの方々が参加されているのも今では珍しくない。過去にカバレッジを担当したので、気が向いたら読んで欲しい。今回・第7回では特別に賞金総額12万円と、ユーザーイベントでありながら高額の賞金が用意された。
主催のおだんごさんは、プロツアーにも出場経験のある古豪で、日夜リミテッドを精力的に配信されている。ArenaOpenで獲得した賞金でお団子杯を開催してしまうぐらいのリミテ好きで、MH3のArenaDirectでは合計26時間の耐久配信で10個ぐらいボックスを獲得していた。一言で言うとヤバイ人。
シールドプールはDraftmancerによって一斉配布される。構築時間は25分。デッキはMeleeに登録して、デッキリスト公開制で戦う。
配られたプール
試しに組んでみたい方はこちらのSealedDeck.Techのリンクから。
レアは普通。確定除去が黒に1枚だけで、バウンスや格闘系の制限付き除去の枚数が多い。ぱっと見で「これだ!」という色は無い。
構築1 白青緑コントロール
ひとまずレアを重視して、《神経質な予見者、ヘルガ》や《森の轟き、ルムラ》、《落星の祈禱》などを軸に白青緑を組んでみた。「全体除去で流してフィニッシャーを叩きつけてドーン!」というのが見えるので、やりたいことは分かる。問題は、デッキリスト公開制なので、打消しや全除去や除去の質の低さがバレバレということだ。
構築2 赤白アグロ
他の選択肢が無いか検討したところ、赤白アグロが組めそうだった。《隕石製の剣》が良い味を出していて、雄姿の誘発や、《愉快なアレチネズミ》との贈呈コンボも地味にある。《狂気の一齧り》という強い除去もある。押し付けデッキなので、デッキリスト公開制でも戦いやすいのも利点。
作戦
BLBが高速環境、というのはおおよその参加者が把握していると思われるが、「そうは言ってもシールドはレア軸のミッドレンジが多いだろうし、相手がアグロだったらサイドで対応しよう」と考える人が大半だと思われる。であれば、その思考を逆手に取って、ダイナミックサイドボーディング戦を仕掛けるのが良さそうだ。
メインは赤白アグロ、サイドで白青緑コントロールに変える。
MTGアリーナのUIだとサイドボードが大変なので、予めサイド後の画像を用意しておく。
細かいところは相手に合わせて調整する。
対戦記録
R1 ○○ 緑白兎アグロ
G1は赤白で殴り勝ち。相手も除去が弱く、《隕石製の剣》が活躍。
相手のプール的にサイドで色替えは無さそう。
G2は白青緑にサイドチェンジして勝ち。バウンスのような重い除去を減らして、クリーチャーでボードを固める調整をした。
R2 ○○ 白黒コウモリ・ミッドレンジ
G1は赤白でなんとか殴り勝ち。
相手のプールは他の形も組めそうだけれども、こちらがアグロを見せたので、このまま白黒コウモリで来る可能性が高い。
G2は白青緑にサイドチェンジして勝ち。飛行対策に、こちらも飛行や到達を追加した。
R3 ×○○ 黒緑t青リス・ミッドレンジ
YouTube → G2の途中から相手視点でフィーチャー配信
G1は《茨越えの餌あさり》で綺麗に動かれて弾き飛ばされた。
相手のプールは赤白も組めそうだけれども、アグロに強い食物構成なので、おそらくこのまま来ると予想。
G2は白青緑でLO勝ち。全体除去がうまく刺さった。
相手は赤白アグロに切り替える選択肢もありそうだが、横並び系のアグロなので、全体除去が頭に残ってサイドチェンジできないと予想。それよりも、ハンデス等でリソース勝負してくると読んで、こちらもドロソを追加する等の調整を実施。
G3は白青緑のサイズ感でビートダウンして勝ち。
R4 ○○ 白青鳥トークン・コントロール
G1は全体除去をケアしつつ、《隕石製の剣》で殴り続けて勝ち。
相手のデッキは全体除去を2枚の《嵐追いの才能》で回収する動きもできるし、《人参ケーキ》や《カワセミの騎士》によって《世話人の才能》によるドロー誘発もかなり狙える構成。黒緑にサイドボードされる可能性もゼロではないが、メインボードが強いのでそのまま来ると予想。
相手がそのまま来ると仮定すると、相手のほうがリソースを稼ぎやすいので、白青緑では勝てない可能性が高い。むしろ、相手は序盤に盤面を支えられるクリーチャーが少ないので、赤白アグロのほうが勝てると予想。
G2も赤白アグロでギリギリ殴り勝ち。相手の《共に逃走》で《羽信隊の随員》を使い回されて、除去が綺麗に刺さらず。相手の手元に全体除去は無さそうだったが、全体強化スペルがありそうだったので、ギリギリのライフレースだった。
R5 ○×○ 黒緑t青ミッドレンジ
YouTube → G1からこちら視点でフィーチャー配信
G1は《隕石製の剣》をブンブン振り回して、ギリギリのライフレースを制して勝ち。丁寧なコンバットができたと思う。
相手はおそらく色替えはしてこないが、おそらくR3のフィーチャー配信でこちらが白青緑にサイドボードしたことを把握していると予想。こちらがコントロールにサイドチェンジする前提で、サイドを詰めてくる可能性がある。逆に、こちらの白青緑のサイドプランを知らない場合、G2を捨て石にして、こちらが赤白アグロだと思考をロックさせることができる。故に、G2も赤白アグロを継続する手を選択。
G2で相手はライフゲイン誘発のあるコウモリをサイドイン。こちらが白青緑にサイドチェンジする手を知らないことをここで確認。
G2は赤白継続でライフレースはギリギリだったが、飛行+除去で負け。
G3は白青緑にシフトし、到達持ちを増量。《情け知らずのヴレン》を全体除去でまとめて流した後、相手の《暗黒星の占い師》を到達でソフトキャッチしつつ、自傷&LOの2面でプレッシャーを与え続けて、最後は《錆び盾の暴行者》のパワー2以下ブロック不可能力が刺さって勝ち。
R6 ×○○ 赤白アグロ(高尾翔太さん)
YouTube → G1途中から相手視点でフィーチャー配信
決勝の対戦相手は高尾翔太さん。構築戦で数々の実績を残されているプレイヤーであり、リミテッダーという印象は無いものの、サイドボードでの色替えも当然のようにやってくると予想。
赤白アグロミラー決勝。相手のほうがデッキパワーが高くて、《ポイ捨て》でこちらの《狂気の一齧り》を潰されたり、《鍛冶の才能》で押し込まれたりするケースが容易に想像できる。
G1は相手ブンブン。こちらは手札土地だらけで手も足も出ない。
やべえ! 赤白アグロ相手のサイドプラン用意してねえ!(オリチャー発動)
相手には速攻が多いので、白青緑の全体除去プランでは止めきれない。急遽、G1の持ち時間で対アグロのサイドプランの構築を裏で開始。デジタル特有の、砂時計をめいっぱい使ったサイド構築は、紙ではぜったいにできない。
除去の頼りなさはあるものの、序盤をクリーチャーで支えて、ライフゲインしつつ上から殴り切る構成がなんとか組めた。青のバウンス除去も追加できる。相手の赤白は完成度が高いので、あまり弄ってこないと予想。
G2は白黒t青コウモリで、《星見の導師》が上から殴り続けて勝ち。サイドプランがきっちりハマった。
ラストゲームを前にサイドの読み合いが発生。相手のプールは、こちらの白黒コウモリに対して強い黒緑到達や、除去を満載した黒赤コントロールが組めそうなもの。
こちらが白黒コウモリだと読む場合、相手は黒緑到達で盤面を抑え込んで押し切るプランが最有力。黒赤ベースでも、除去レンジが広いので充分戦える。ただし、低マナ域がいずれも少ないので、先手の有利を手放すことになる。
相手が黒緑到達や黒赤コントロールで来る場合、こちらは白青緑コントロールで対抗したい。しかし、白青緑は相手のメインボードの赤白アグロにおそらく勝てない。
相手はG1で赤白アグロのブン回りでゲームを取っており、こちらのプールに軽量除去が少ないこともおそらく確認している。であれば、先手のG3では遅いデッキを選ばず、赤白アグロを継続するのではと予想。
それを踏まえて、こちらは白黒コウモリを選択。ただし、黒緑到達にシフトされると詰むので、こちらはデッキバウンスの《不吉な下降気流》を増量する保険を掛けることにした。
G3は自分が白黒t青コウモリ、相手が赤白純正アグロで読み通りの展開からスタート。お互い1マリガンで、初手に全体除去は無し。
5/4に殴られた時点で確定除去を抱えていて、次ターンに構えてなんとかしようと思っていたところ、全体除去をトップして噛み合った。相手の手札がゼロの状態でライフを残して全体除去を撃って、そのままボードを取って勝ち。
優勝!
正直色々噛み合って出来過ぎだったけれども、やり切った感があって非常に楽しかった。運営の皆さん、対戦してくださった皆さん、ありがとうございました!
参考情報
BLB環境のプレドラGIH降順画像(X)
筆者のBLB環境ドラフトピック解説(ニコニコ・YouTube)
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