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兄弟戦争シールド優勝者デッキリスト:弱プールでの戦い方【第2回お団子杯】

 12月4日開催の第2回お団子杯では、スイスラウンド全6回戦を終えて全勝者不在の状態となった。マッチポイントが15のプレイヤーが5人存在しており、それぞれのOMW(対戦相手のマッチ勝率;いわゆるオポ)でも優勝者は決まらず、TGW(自身のゲーム勝率)によって優勝者が決まるという珍しい事態になった。

 そして優勝されたのは、OMW58.3%、TGW78.6%という脅威のゲーム勝率をおさめたリバー氏だった。おめでとう!

 リバー氏は、1週間前に行われた兄弟戦争環境のリミテッドArenaOpenでも賞金を獲得されており、深い環境理解の末にこの勝率を叩き出したのだろうと頷けた。

 そんなリバー氏に割り当てられたプールは以下のものだ。

 プールを眺めてみると、めぼしいレアは見当たらず、しいて言えば《刃とぐろの蛇》が強めのものといった具合。マナサポートの少ない今環境ではフルパワーを発揮することが難しく、ボムレアとは呼べないものとして認識されている。

 レア環境と言われる今環境で苦しいプールを引いてしまったリバー氏が選択したのは、青黒マルチのアンコモン2枚を採用した「青黒セカンドドロー」のシナジーデッキだった。

デッキリスト画像(MTGA)

 このデッキの特徴を挙げてみよう。

  • セカンドドロー誘発のカードが4枚採用されており、シールドでは珍しくシナジーに寄せた構成になっている。

  • 2マナ以下のクリーチャーが8枚も採用されており、相手のレアが機能する前にアグロプランで勝ち切ることを目指している。

  • 豊富な除去やハンデスによって相手のレアを対処することが可能な構成で、アグロプランに噛み合わない打ち消し呪文《散乱光》はサイドアウトされている。

  • 《トラクス魔》によるドローを狙っており、《刃とぐろの蛇》のマナサポートも兼ねる《エネルギー屈折体》がドロー源として選択されている。貼り先に少し困りそうな《マイトストーンの稼動力》や、稼働の遅い《タグシンの広間》はサイドアウトしている。

《トラクス魔》とのドローコンボがある

 自分のプールにボムレアが無い以上、「相手のボムレアが機能する前にアグロプランで倒す」、「たとえ着地しても除去して殴り切る」、という徹底した方針が読み取れるものになっており、兄弟戦争環境シールドにおいて弱いプールを引いてしまった時のお手本のような構成になっているように思われた。

 また、仮に押し切ることが難しくなってしまった場合も、《トラクス魔》と《土の帰還者》を組み合わせることで、セカンドドローを誘発させながらリソースを増やせるように調整されているのも素晴らしい着眼点だった。

継続的なリソース獲得源

 レアが強い環境だからこそ、そのレアにどう立ち向かうのか。プールが弱くても戦う術があると示してくれたリバー氏とこのデッキに大きな拍手を送りたい。

 今週末の12月10日には兄弟戦争シールドフォーマットの予選ウィークエンドが予定されている。他にもプレインズウォーカー・チャンピオンシップがシールドフォーマットで行われる店舗もあるのではないかと思う。今後、兄弟戦争シールドに参加し、ボムレアを引けないということがあったとしても、このデッキのようなアグロ軸のプランを取ることで優勝できる可能性がある、ということはぜひ覚えておこう。

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